
『エレベーターアクション』(ELEVATOR ACTION)は、1983年にタイトーより発売されたアクションゲームです。稼動は83年の6月からで、2年後の85年6月にはFC版も登場しています。同じ83年には『ちゃっくんぽっぷ』、『フロントライン』等が発売されており、前年(82年)の『ジャングルキング』と同じ基盤を使用していたようです。タイトーのアクションゲームとしても有名なタイトルのため、FCをはじめMSX、PC-88、X-1などの8ビットPC、SG-1000、GB、GBC(エレベーターアクションEX)、GBA(エレベーターアクション OLD&NEW)、SS(エレベーターアクションリターンズ)、PS2(タイトーメモリーズ)、PSP(タイトーメモリーズポケット)など様々な機種に移植されています。1995年には続編『エレベーターアクション リターンズ』(ELEVATOR ACTION Returns)、2009年秋には、ガンシューティングとなった『エレベーターアクション デスパレード』(ELEVATOR ACTION DEATHPARADE)が登場しています。

ゲームは、プレイヤーはスパイとなってビル(敵のアジト)に潜入し、機密文書を持ち帰るというものです。機密文書は赤い扉の部屋に隠されており、エレベーターで移動しつつ部屋に入って機密文書を集め、地下駐車場からビルより脱出する、というのがゲームの流れになります。ビルには(黒服の)警備員が多数徘徊しており、プレイヤーに向けて銃を撃ってきます。プレイヤーは銃の他、キック攻撃、天井の照明を打って敵の頭上に落とす、エレベーターで敵の頭上より圧縮して倒すことができます。また天井の照明を撃つと一時的にビル内が停電の状態になり、この時には敵を倒した時の得点が上がるようになってます。エレベーターアクションのタイトル通り、エレベーターを使った移動が特徴になっていて、この時期だとあまり類似のものがない独創的な作品でした。敵のアジトであるビルも、どこか団地やマンションを連想させるもので、同じ時期の『フロントライン』と同様にシリアスな題材なのにどことなくコミカルで、どこかのんびりとした世界観がこの作品の特徴だったように思います。

個人的な思い出としては、ゲームセンターではなくデパートの屋上のゲームコーナーで遊んでいた印象が強いです。機密文書を集め地下より脱出すると、また最初に戻り4面で一周するようになっているのですが、結構難しいゲームだったため一面クリアだけで満足してしまい、あまりやり込んだ記憶はありません。BGMも軽快な感じで、(どこか洒落れた)コミカルなスパイものの世界観を楽しむといった感じでした。続編の『エレベーターアクション リターンズ』(ELEVATOR ACTION Returns)は、テロリストと特殊部隊の戦いを描いたシリアスなものになっており、プレイヤーも能力の異なる3名の中から選択できるようになっています。新作の『エレベーターアクション デスパレード』(ELEVATOR ACTION DEATHPARADE)の方は、(実際に遊んだことはないのですが)筐体に扉が開閉するギミックが付いており、こちらもシリアスなガンシューティングになっているようです。ということで、コミカルな世界観を持つものは、この一作目だけの特徴だと思います。これは、当時のハードの制約もあるかと思いますが、のんびりとした時代的なこともあるのでしょうか。

このゲームの稼動が1983年6月からで、ファミコンは83年7月15日に発売されていますので、電子ゲームのブーム期には間に合わず、当時電子ゲーム化はされていませんでした。印象としては、どちらかというとファミコンの時期のゲームだと思います。それが2007年になって、突如として電子ゲームとなってエポック社より発売されました。(数あるゲームの中から)なぜエレベーターアクション?なぜ今頃になって?と思いつつ、けっこう驚きだったと思います。ということで、電子ゲーム編に続きます。

参考:Wiki エレベーターアクション、タイトーの項、エレベーターアクション デスパレード公式(タイトー)
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