
死のワナの地下迷宮は、ファイティングファンタジーシリーズの6番目にあたるイアン・リビングストンによって書かれた作品です。シリーズ中でも人気の高い作品で、リビングストンの最高傑作と言われる事もあります。また好評だった為か、のちに続編として『迷宮探検競技』も書かれました。

物語はファングという街で年に1度、領主サカムビット公が考案した迷宮に挑戦をするという祭りがあり、それに競技者として参加をするというものです。複雑な物語などは無く、そのまま迷宮探索のおもしろさがゲームになっています。特筆すべき点としては、余計な設定がないため読者自身が直接競技に参加しているようで非常に臨場感(没頭度)が高く、作品世界に入り込みやすいという事でしょうか。またゲームブックとしては珍しく競技に参加する他の冒険者もいて、先を越されたり他の者がワナに引っかかったりと、なかなか良く出来ています。途中で他の冒険者と協調し同行する展開もあって、ますます引き込まれてゆきます。

1998年には、ウィンドウズ95/98用ソフトとしてパソコンゲーム化もされている。別の製作者が権利を取得して出したものではなく、原作者リビングストン氏直々の製作。

また最新のRPGのように究極魔法で999のダメージを与えた!等の展開もありませんので、サイコロの目によって10~15位のダメージを与えたり与えられたりするのが、いかにもウォーハンマでガシガシと殴り合っているかのようなリアルさを生み出しています。舞い上がる埃とカビの匂い、殴られた後の衝撃と血の臭い・・・実際に迷宮にいるかのようなそんなリアルな作品世界が感じられます。WIZやダンジョンマスター等の迷宮ものが好きな人であれば、結構楽しめると思います。

ファイティングファンタジーは、本国では60巻前後まで出版されているのですが、日本では途中でブームが終わってしまい33巻が出たところで打ち切りになっています。そのためブーム絶頂期の10巻頃までは手に入れやすいのですが、後半の巻になればなるほど出版された数が少ないのか稀少になり、手に入れづらくなっています。死のワナの地下迷宮は、初期のものですから割と手に入れやすいとは思います。
重要アイテムを一つでも取り逃すとクリアできないので大変です。
もっとも、《恐怖の神殿》や《迷宮探険競技》も、それは同じですが。
前述したように、私にとっては印象が薄い作品なので、
新鮮な感じがしていいです。
ただ、デッドエンドや必要なアイテムが多いため、ズルなしで一回でこれをクリアするのは、なかなか至難の業かなとも思いますね。