
復刻版ポケットメイトの第8弾『タイムトラップゲーム』です。登場は、ポケットメイトのヒットを受けて、ラインナップがそれまでの22種から33種まで大幅に増えていた75~6年頃。発売当時は、『タイムアップゲーム』というネーミングでした。迷路というミニゲーム定番のアイデアに、これまたこの頃のボードゲームにはお約束だったタイマーを組み合わせた基本中の基本といえる一台でした。

ゲーム内容は、左端のタイムレバーを引きスタートボタンを押します。タイムレバーが動き出したら本体を傾けて、制限時間内に迷路のA地点からB地点まで銀玉を移動させるというものです。制限時間が近づいてくると迷路自体がせり上がってゆき、時間になるとボールが挟まれストップします。数字は得点のポイントで、制限時間中にどこまで進めたかで得点を競います。シンプルといえばシンプルきわまりないゲームですが、そのことが逆に流用がし易かったのか、後に『日本早まわり』、『小便小僧トイレはどこだ』、『ピモピモ広場』(コミックボーイ)としてリメイクされています。また海外では、それらしいイラストを加えたファンタジー風の『Dragon Trap』バージョンもあったようです。個人的には、この『Dragon Trap』バージョンが欲しいかな。

復刻版として復刻された迷路もの2種です。かたや迷路自体を動かすもどかしさ、かたやタイマーによる制限時間とゲーム性は異なります。オリジナル発売当時に、タイマーを使ったゲームとしては、制限時間内にブロックをはめ込む『パーフェクション』(1972/エポック社)があり、任天堂からも同じようなゲーム性を持つものが『タイムショック』の名称で発売されていました。このパーフェクションのアイデアを使ったものは、他にもタイム5(ファイブ)の名称で、ポケットメイトにラインナップされていました。

この作品の現代的なリメイクといえそうなのが、タカラトミーより2002年に登場した『電脳迷路ゲーム A~!』です。現在2010年には、『電脳迷路ゲーム A~!!』が発売されています。制限時間内に球体の中に作られた立体迷路を攻略する内容で、ある意味ポケットメイト『フィールドアスレチック』のリメイク版ともいえそうです。ただタカラトミーより発売されていますが、HASBRO/Tiger Electronics社の表記がされており、開発はこちらのようですから直接的な関係はないようです。

タイマーと迷路を組み合わせて、制限時間が来ると銀玉が迷路とスクリーンに挟まって止まってしまうという単純なアイデアなのですが、それだけで魅力的なゲームになってしまうのは流石です。ゲームとはアイデアなのだということを再認識させてくれる一本といえそうです。
参考:POCKETMATE collection、TNCおアソビ探偵団、The Online Guide to Pocketeers、Wiki HASBRO/Tiger Electronicsの項
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