
『アタックアニマル学園』は、1987年にファミコン用ソフトとしてポニーキャニオン(PONY CANYON)より発売されたシューティングゲームです。当時人気だったスペースハリアータイプの擬似3Dゲームで、同時期にスクエアより発売されていた『JJ とびだせ大作戦パート2』と同じく、立体画像が楽しめるファミコン3Dシステムにも対応していました。(開発元も同じスクエアとの情報がありますが、箱、取説には、開発/㈱ニュートピアプランニング、3D視覚効果アドバイス/㈱ライフチェッカーと記載されているのみでスクエアの名前はありません)。そのインパクトのあるタイトルとぶっ飛んだ世界観で、現在ではバカゲーとして紹介されることも多い作品です。

ストーリーは、アニマル学園連合に親友を誘拐されたノッコは、サブマシンガン片手に救出に向かった。親友は、双頭のオロチに捕らわれているが、(そこに到るには)5つのエリアを通り抜けていかなければならない・・・(アニマル学園マニュアルより抜粋)、というものです。アニマル連合とは?なぜにサブマシンガン?と疑問がわいてきますが、当時人気だったスペースハリアーのシステム+スケバン刑事(セーラー服と機関銃?)+(ファミコンなので)子供向けにアニマルということなのでしょう。またせっかくファミコン3Dシステムが発売された時期だったので、それに対応したものを出したいということもあったのかもしれません。ゲームは、ストーリー通りに5つのエリアを抜け、(双頭のオロチの待つ)ラストステージを目指します。それぞれ①草原スクール、②砂上学園、③火山学園、④海中高校、⑤暗闇高専、⑥空中大学となっていて、何か無理やり学園に関連付けている気もしますが、敵もアニマル学園のタイトル通りカンガルーやアルマジロ等の動物になっています。またこの時期のゲームらしく、各エリアの最後には巨大ボスも控えています。(それぞれ①マンモスコアラ、②大とかげ、③ひひ、④大ガメ、⑤大グモ。⑥双頭のオロチ)。

このゲーム、パワーアップアイテムもあるのですが、何故だかそれがお地蔵様(地蔵守護霊)。その上、主人公のグラフィックがセーラー服姿から→スカートが短くなり→体操服→スクール水着へと変わっていくなど、どの辺りの層を狙ったのかよくわからない演出もあったりします。以前、知り合いの女性と話していてこのゲームの話になり(なるなよ)、子供の頃にこれを持っていたことが判明しました。おそらく“アニマル”だとか“学園”というタイトルに引かれて買ったのだと思いますが、しばらく遊んでいるうちにいきなり無敵になり、買った当日にそのまま終わってしまった思い出を語ってくれました。調べてみると、かなり特殊な無敵コマンド(無限増殖技)があるようです。現在ではバカゲー扱いされ、ネタとして紹介されることの多いこのゲームですが、この当時にはこのようにタイトルに引かれて買った、いたいけな子供も多かったのかもしれませんね。

ということで、現在ではネタゲーだとかスペースハリアーの亜流として捉えられることの多いこのゲームですが、(当時の子供の財力から考えると)これを選んだというのは、それなりに真剣だったはず。買ったからには、元を取るために懸命に遊んだり、楽しもうとしたはずで、それらもいい思い出になっているのではないでしょうか。またハチャメチャな世界観でしかも底抜けに明るく楽しいゲームですから、ある意味この時代の空気を反映し、封じ込めている部分もあるのではと思います。
参考:アタックアニマル学園・取扱説明書/ポニーキャニオン、移植ゲーム研究所
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