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べーしっ君 完全版は、80年代~90年代にかけてアスキーの雑誌に連載されていた荒井清和氏の4コマ漫画を、完全版として一冊にまとめたもの。2016年に立東舎より発売されました。べーしっ君自体は、リアルタイムにはアスキーより全4巻でコミック化されている。
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べーしっ君の始まりは、元々は当時ゲームよりだったアスキーのパソコン誌ログインに連載されたのが最初。完全版では、年代別に分けて収録されている。84年の7月より掲載されているのだが、月刊誌ログインのみということで84年には6本しかない。1986年6月6日にはファミコン通信がログイン内の一コーナーより独立して創刊。同じ頃にはMSXマガジンにも登場している。1988年7月15日号からログインが月2回刊化、1991年7月12日にはファミ通が週間化しており、それにともなって加速度的に作品数も増えている。連載終了は1997年と長きにわたってアスキーの雑誌を代表するマスコット的なキャラでもあったため、完全版も結構な厚さになっている。
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完全版と銘打ってはいるが、単行本などに収録されていた短編が入っていないなど惜しい点もあるみたい。定価が1,700円と漫画としては結構高めなため、なかなか購入に踏み切れなかった。ただし、収められた内容の濃さはそれ以上のものがあると思います。
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もともとパソコン誌に連載されていたので、初期のべーしっ君はパソコンネタが中心。時折、アイドルなどの時事ネタや、ゼビウスなどのアーケードネタが挟み込まれている。
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ファミコンがブームの兆しを見せ始め、ファミ通が創刊されてからはいっきにファミコンネタが中心となる。
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個人的には、MSXユーザーだったのでMSXネタが一番刺さる。
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その後もコンシューマーの進歩に合わせてゲームボーイ、メガドライブ、PCーエンジン、スーパーファミコン、プレイステーション、セガサターンとべーしっ君の世界は広がっていく。
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ときめもやバーチャファイターなどその時々の流行のゲームが取り上げられている。初期のパソコン少年だったマニアックなべーしっ君しか知らない身としては、結構新鮮な感じがする。読む前は、べーしっ君って懐かしいけど、今さら4コマ漫画をそんなにたくさん読めないなあという感想だったのだが、実際に読んでみると8ビットパソコンからファミコン、16ビットのパソコンやコンシューマー、32ビット機やポリゴンの全盛時代と、日本のコンピュータ史、コンシューマ史、ゲーム史を貫く大河ドラマとして読めてしまうことに気付いた。ああ、あの頃、こんなだったなという再発見に満ちている。少なくともこのようなゲーム漫画は他にはない。
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連載終了後の2003年には、たのみこむの企画で受注生産が決定してべーしっ君をOVA化した四コマアニメのべーしっ君 DVD①が発売された。
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このOVAの一番の売りは、べーしっ君に古谷徹氏、べーしっ君の父に加藤精三氏と、巨人の星親子コンビを起用している点。べーしっ君は巨人の星のパロディという側面をもっているので、これが実現しなかったら、このOVAの価値が半減していたかも。古谷氏がよく引き受けてくれたなという感じもしますが、古谷氏はパソコン誌のインタビューにて、MSXユーザーだったことを明かしており、PCマニアでもあるため特に抵抗感はなかったのかも。すぽーんとかすぽぽぽーんなど、べーしっ君独特の擬音も、古谷氏がセリフで再現してくれています。声優の加藤精三氏がお亡くなりになった今となっては、二度と実現しない企画なので、そういった意味でこちらのDVDも永久保存版となっている。
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ということで、近年買ったレトロゲーム本としては、これがNO.1という感想でした。ログインやファミ通、MSXマガジンの読者だった方だけでなく、80年代~90年代のゲームで育ったすべてのゲーム好きの本棚に。
参考:べーしっ君 完全版・荒井清和/立東舎、べーしっ君 四コマアニメDVD・アスキー/ネオプレックス・エンジン、Wiki べーしっ君、アスキー、ログイン、ファミコン通信の項、蘇るPC-98伝説 永久保存版
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