goo blog サービス終了のお知らせ 

80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

GTroman・西風/集英社

2007-06-17 01:39:54 | 書籍・漫画

 GTromanは、1988~96頃にかけて主にヤングジャンプ誌上で連載された車漫画です。作者は、静岡県沼津市在住の漫画家、西風(にしかぜ)氏。サーキットの狼を70年代を代表する車漫画だとするならば、こちらは80年代(バブル期)を代表する車漫画だといえるかもしれません。90年代~は、やはりイニシャルDでしょうか。


 この漫画の特徴として、まず車にまつわるショートストーリを集めた短編集ということがあげられます。一応、沼津市の一角にある架空のカフェバーロマンのマスターと、そこに集まる車好きの物語という形はとっていますが、バー『ロマン』が登場しない回も多く、基本的に一話完結の物語になります。連載の前半は、一話ごとに主役となる車をとり上げ、その車にまつわるストーリーという形をとっています。


 後半には作者『西風』氏をはじめ、氏の後輩や、漫画家いしかわじゅん氏、イラストレーター横山宏氏など、実在の人物と、彼らの車にまつわるエピソードなども登場します。もう一つの特徴としては、バブル期の漫画らしく非常にお洒落であるという事でしょうか。この時期、わたせせいぞう氏のハート・カクテルがヒットしていましたが、車版のハート・カクテルという趣もあります。氏の描き出す、車(と車のある生活)は非常に魅力に満ち溢れていました。


 印象に残るストーリーは、ひとそれぞれだと思いますが、個人的には3巻に掲載されているロータス・ヨーロッパの話(乗り込むと、ガードレールが目線の高さになる車体の低さと、ミドシップによるコーナーの安定性が強調されている)、厳格な父親の形見ディーノの話(実際のディーノも、フェラーリ創始者の息子アルフレ・ディーノの手による忘れ形見)、1巻と3巻に掲載されているホンダS600で、ライバルであるトヨタ・ヨタハチとバトルをする話などが好きです。基本は車との夢のある生活を描いていて、時折男女のほろりとさせるようなエピソードを挟みこんでおり、車好き(特に旧車)にはバイブル的な扱いをされているようです。氏の描く女性的で線の細い『エラン』や、小さく玩具のような愛嬌のある『カニメ』などは、他の作家には真似のできない独特な魅力を放っていました。私は外車や、高価な旧車などを所有したことはありませんが、それでも車や車のある生活の楽しさを、この作品よりだいぶ学んだような気がします。


 GTromanには、書き下ろしも含めた完全版もあります。これ以外にも90年頃よりヤングジャンプに連載された『CROSS ROAD』、車雑誌Tipo誌に連載された『DEADEND STREET』などがあります。これらは、現在でもブックオフなどで簡単に入手できます。90年代以降、スポーツカーやセダンが売れない時代になってしまいましたが、ミニバン全盛の現在にもこの種の車の魅力をよく伝えてくれる貴重な作品だと思います。 

謎のゲーム魔境・ゾルゲ市蔵/キルタイムコミュニケーション

2007-06-06 21:21:11 | 書籍・漫画

 これは(株)キルタイムコミュニケーションより発売されているゲーム本、『謎のゲーム魔境』(ゾルゲ市蔵・著)です。サブタイトルに、美食倶楽部バカゲー専科外伝とつけられており、ユーズド・ゲーム誌連載の『美食倶楽部バカゲー専科』(ユーズド・ゲーム編集部・著)から、派生した企画本のようです。『バカゲー』とは、クソゲーに対する再評価の試みとして、メーカーの技術不足や未熟さからくるゲームのできの悪さを、肯定的に楽しんでしまおうという意味のようです。


 ゲームレビューがメインの『バカゲー専科』とは異なり、『ゲーム魔境』は著者ゾルゲ市蔵氏の興味の赴くままに、マイナーなハードやメーカーなどを取り上げて一冊ごとに特集した内容になっています。第1巻はバーチャルボーイ、カセットビジョン、アルカディアなどの、個性的だけどゲーム史に埋もれたちょっとマイナーなハードの特集。この本、定価は1,000円程度の新書なのですが、ネット上で調べて見ると2,500円~5,000円程度のプレ値までついています。


 『ゲーム魔境2』は、米国の老舗ゲームメーカーATARIの特集。ATARIの歴史とアタリVSC~リンクス、ジャガーCDまでの歴代ハードの解説がされています。『ゲーム魔境3』は、80年代に一斉を風靡した?8ビットPCの統一規格MSXの特集。ハードはもちろん、カシオ、コナミ、ナムコなど主要メーカーより発売されたソフトの紹介、松下の謎キャラ『アシュギーネ』の解説、MSXFAN編集長インタビューなど、MSX規格の華々しい登場から、ゆるやかな衰退までを追っています。去年発売された『ゲーム魔境4』では、個性的なメーカーとして知られた今は無き『データイースト』と、『ビック東海』(ゲーム事業から撤退)の特集になっています。


 内容はとにかくマニアックで、真面目なんだか不真面目なんだかよくわからない文体で、一般の人にとってはどうでもよいような事柄を詳細に掘り下げてあります。某掲示板で聞いたところ、情報に結構こまかな誤りが多いそうなのですが、はっきり言って一般人にはわからない(どうでもよい)レベルです。実際のところ、本編であるバカゲー専科よりもよくできていて、(一部の人には)非常に面白い一冊になっていると思います。レトロブームにのって、最近はレトロゲーム関係の書籍が数多く出版されていますが、(これはあまり目立つ本ではありませんが)情報量の多さやマニアックさでは他の書籍に引けをとらないものになっています。個性的な文体は人を選びますが、著者ゾルゲ氏のネタに対する深い愛情も感じられ、書籍というよりもマニアな個人の情報サイトをのぞいているような気分にさせられます。ということで、この手のネタが好きな方には、(プレ値で買うほどの価値があるかは疑問ですが)古本屋で発見したら是非抑えておくべき一冊としてお勧めします。

ザ・ベストテン~蘇る80'sポップスHITヒストリー~・TBS/角川書店

2007-06-03 23:19:23 | 書籍・漫画
 『ザ・ベストテン』は、1978年から1989年までの期間、TBSで毎週木曜21:00~21:54に放送されていた音楽番組です。80年代を語る場合には、外すことの出来ないTV番組の一つだと思います。写真は、角川書店より発売された番組唯一の公式DATA BOOK、『ザ・ベストテン~蘇る80'sポップスHITヒストリー~』です。

 個人的に特に80年代っぽさを感じる番組として、『おれたちひょうきん族』(ドリフは、どこか70年代っぽい)、『欽どこ』、『欽ドン』(欽ちゃんの全盛期でした)、『夕やけニャンニャン』などがあります。80年代はアイドル全盛期でもありましたので、そんな中でも特に『ザ・ベストテン』というのは、80年代を象徴するような番組だったと思います。これを見て学校に行かないと、次の日の話題に完全に乗り遅れるというような感じでした。この頃までは、演歌歌手、アイドル、ロックバンドなどが同じ番組に出演して、大人も子供も(興味なくても)一応流行っている音楽の情報などを、一緒に茶の間で見て共有することができました。しかしこれ以降は、趣味(価値観)の多様化が進んで、若者の音楽番組は大人は見ない(知らない)、大人向けの番組は若者は見ないという状態になってしまいました。そういった意味では、(紅白を除いて)おじいちゃん、おばあちゃんも、子供も一緒に楽しめた最後の音楽番組だったような気がします。

 『ザ・ベストテン』の最高視聴率が記録されたのは、1981年9月17日で最高視聴率は41.7%だったようです。(この週の1位はイモ欽トリオの『ハイスクール・ララバイ』)。80年代前半は、たのきん、松田聖子の全盛期で、正統派アイドルが次々と登場していました。80年代中盤からは、チェッカーズやアルフィー、C-C-B、オメガトライブなど、バンド形式のアーテストが増えていきました。番組終盤の80年代後半には、全盛期だった光GENJIと、カラオケで歌われるような楽曲が中心になってました。結局、裏番組とんねるずの『みなさんのおかげです』が好調だったため、若い世代の視聴率を奪われる形となって終了したようです。その後に流行った音楽番組は、素人がバンドを組んで出演する『イカ天』でしたから、この辺りから家族みんなで見る音楽番組が、成立しなくなったのだと思います。そういう意味では、家族みんなで楽しめた『8時だよ!全員集合』が終わってしまった時と同じ寂しさを感じました。

 それぞれの思い入れのあるアーティスト、時期というのはあるでしょうが、私個人的には、チェッカーズやC-C-B、アルフィー、南野陽子、斉藤由貴の活躍していた84~86年前後が特に印象深いです。この頃は、FCもマリオが登場して大ブームになっていましたので、TVゲーム史的にも非常に面白かった時期だと思います。それにしてもインターネットというのは、個人個人がいつでも好きな時に、好きな情報にアクセスできるというメディアですから、このような形の(子供も年寄りも)家族みんなで同じ情報にふれるという番組(メディア)が、登場することはもうないのでしょうかねえ。

大人のコロコロコミック(熱血!コロコロ伝説)・小学館

2007-05-30 22:11:41 | 書籍・漫画

 これは、コロコロコミック30周年を記念して、小学館より発売された『熱血!コロコロコミック伝説』です。コロコロコミックは、1877年4月より発売され現在まで続く、子供向け長寿コミック雑誌です。特に80年代には、ファミコン、ミニ4駆など、子供向けのブームを発信する役割を果たしていました。


 今回発売されたのは、1977-78(Vol.1)、1987-88(Vol.6)の2冊。毎月2冊ずつ、1977~96年の20年間を全10巻で振り返るという企画のようです。内容は、その年代に人気のあった連載漫画を収録(復刻)した本誌、人気コミックのミニチュア復刻版2冊、初回特典としてコロコロの表紙型メタルストラップ付きというのものです。Vol.1の方はドラえもん、オバQ、いなかっぺ大将、ハムサラダくん、ゴリポンくんなど。Vol.2の方には、ドラえもん、おぼっちゃまくん、つるピカハゲ丸くん、ビックリマンなどが収録されています。1,000円という価格は、漫画雑誌としてはちょっと高いかな(付録の単行本が、ミニサイズでなければ良かったのですが)という気もしますが、30周年記念の復刻というイベント(お祭り)への参加料として考えるならば、それもありかなという気もします。個人的には、おぼっちゃまくん以降はおそらく知らないので、10巻揃えるかどうかは微妙なところです(全部で1万円ですからね)。まあ、自分の思い入れのある年代だけ買うのも、いいんじゃないでしょうか。

 
 ぱらぱらと眺めていると、夏休みの暑い日にアイスを食べながら読んだ思い出だとか、年末にコタツの中でどの電子ゲームを買おうかと、あれこれ思案しながら繰り返し広告を眺めた思い出が、よみがえって来ます。80年代に幼稚園、小~中学生をすごした年代であれば、似たような思い出があるのではないでしょうか。玩具メーカーや、ゲームメーカーと組んでFC、ポケモン、ミニ4駆など、子供向けマーチャンダイジング(商品化計画)のはしりのような雑誌で、それほど当時の子供への影響は絶大なものがありました。ライバル講談社からも『コミックボンボン』という、同系統のライバル誌が発売されたりしていましたね。ボンボンも『プラモ狂四郎』という、当時のガンプラブームにのった名作を生み出しましたが、それでも柱に『ドラえもん』を持つ、コロコロの優位性は揺らがなかったように思います。少子化の影響からか、最近は子供向けのブームも減っているような気がします。80年代は、子供の数が多かったですから、子供向けのブームも多くて活気(熱気)があったように思います。

 個人的には、ゲームセンターあらし辺りがツボになりますので、次回以降が楽しみです。この復活というイベントは、そう何度もあるものではないと思いますので、『コロコロコミック』に懐かしい思い出のある方は、(本を手にすることによって)このお祭りに参加してみるのもよいのではないでしょうか。

Beep(ビープ) 復刻版 ・ソフトバンク

2006-11-26 23:11:28 | 書籍・漫画

 Beep(ビープ)は、1984年~89年にソフトバンク社が発行していたゲーム総合誌。


 こちらは2004年にCD付きで復刻された、Beep(ビープ)復刻版。ある種伝説のゲーム誌みたいな扱いもされていたようで、オークションなどでは当時のものが、かなりの高値で取引されるような事もあったようです。


 この雑誌は、時期的にはFC・MSX~PC-E、MD、SFCぐらいの時期にあたります。1984年の創刊当時は、(ライバル誌と同じく)PCを扱う総合誌的な作りだったようです。そのうちFCやMSXなども扱うようになり、セガ・マークⅢの頃くらいからセガを熱心に取り上げ始め、独自色を出すようになりました。(最後はセガ専門誌へと移行した)。当時の他のPC誌(ログインやベーシックマガジン、テクノポリス、コンプティーク)などと比べても、若いライターが多くて、軽めで洒落た雑誌だったような印象があります。まあ8ビット黄金期を彩った、当時を語る上では欠かす事のできない雑誌だったと思います。


 アレックスキッドのミラクルワールド。セガを代表するキャラとして、マリオに対抗してゲーム紅白をやった年末の特集記事。


 マークⅢのファンタジーゾーン。セガ体感ゲームやセガ・マークⅢ等に特化することで、雑誌としてのカラーを出していた。


 画面写真が出たときには、まさか8ビット機でこのようなデカキャラが動くとは信じられなかったマークⅢ版スペースハリアー。

 いろんなレトロPC関係の復刻誌はありますが、これの一番の特徴は当時の記事を1/4に縮小して、そのまま収録している事でしょうか。読みにくい事は読みにくいのですが、懐かしい当時の記事そのものを読む事が出来ますので、なかなか思い切った試みだと思います。(この形式には、賛否もあったようですが)。BPSからクレームが付いた『ブラックオニキス』のカラー迷路掲載や、ライターがパックマン・ギル・影清に扮した巨大迷路攻略、遠藤雅伸氏の特集・対談など、今となっては貴重な懐かしい記事が復刻されています。(また読めるとは、思ってなかった)。当時、付録のソノシートに収録されてたゲーム音楽も、CDになって付いています。その分、値段は2,500円と(エミュゲーム本なみに)高くはなってしまっていますが。


 アマゾンなどで見ると、一応まだ入手も可能なようです。(2006年11月末現在)。値段が(結構な)値段ですから、特にお勧めはしませんが、当時の空気をそのまま封じ込めたようなつくりになっていますので、(古本屋などで)もし機会があれば入手されてみても良いのではと思います。