昼間に、雪が舞ってたね。寒いね。お日さんが照らないと、ただ、寒いだけだね。
夏のうだるような暑さを思うと、この身を切るような寒さも心地良さそうなもんだけど、そうじゃないね。
極端すぎて、もういいよって思ってしまう。夏や冬に比べると春や秋は短いね。去年なんか、秋、あったかね?の意識だね。
歳を喰らうと、焼けるような暑さの上に、「暑い」「暑い」の言葉だけで疲れてしまうよ。
いつの頃からか、冬のほうが好きになった。「寒い」「寒い」では、疲れないからね。
部屋の中を冷房で冷やしたときより、窓を締め切り風を防いで、ストーブを焚くと「ああ~幸せだなあ」って温もりに感謝の気持ちが湧く。
火の有り難味ってのを思い知るね。今流の暖房は、空気の滞留の加減なんだろうかね、頭が痛くなって好きじゃないけどね。
暖房のいいのは、顔面の皮膚が寒さで強張るぐらい冷えた状態から、お店なんかに入ったときは天国だね。出たくないよ。
出たくないけど出ないと次に繋がらない、生きていくってのは、これの繰り返しだね。
温まった布団から起き上がるのを、悪魔が誘って抜け出し難い。毎朝、毎朝、冬ならではの戦いだね。
このまま眠れたら、どんなけ気持ちいいだろうかね? 学校も会社も、冬は、昼からにしろよ、ホンマア。
「じゃあ、やっぱり、夏のほうがいいだろ?」 朝だけね。
人生、抜け出し難いことの、なんと多いことだろうかね。
克己の精神で抜け出さねばっ、でも、そう思えば思うほど、尚更、抜け出し難いんだね。
人は、赤ん坊のときは、皆同じ、なのに成長するほどに、それぞれに色変わって出来上がる。
「敵は本能寺にあり」って明智光秀が号令したけど、此の場合「敵は自分にあり」だね。
人生は、自分と戦って、克って行かねばならん道だね。オレは、若いときは、負けてばかりだったよ、で、こんなんに、なっちゃった。
今、煙草依存症って云うらしいんだね。オレは、悪いことって意識が無いんだけれど、世間は合唱して「悪いっ」って云う。
どいつもこいつも知らなかった時間の方が、圧倒的に長いのに「今、禁煙しろ」って、手のひら返したように喧しい。
無理強いする気はないんだけど、やっぱり、抜け出し難い。此の場合、悪魔が、大威張りで「吸え、吸え」って、さも当然のように煽りよる。
「おう、おう」って、スパッスパッ吹かして満足してる。悪魔も非常に満足してる。悪魔とオレは仲良しこよし。
これって、負けてしまってるんだね? 「完璧に負けとおるわ、そういうのは、教育の不足した奴に多いんだよ」 また、右に倣えか?
「おまえの捉えかたがおかしいんだよ、副流煙は社会の害毒なんだよ、医学で証明されたんだよ」 なに、云うとんねん。
証明もなにも、煙草より先に恐ろしいって解り切ってた原発でさえ、如何ともし難いんじゃないか? なにが副流煙じゃ。ただの煙やないか。
こうして、人は、それぞれ、変わったのが出来上がっていくんだね。