カメレオンの独り言

当分は漫ろ言の漫ろ歩き、頭に浮かんだ事柄を挿絵と写真と下手な文で綴ります。色々と間違い多いですがご容赦を。

カメレオンの独り言-1591 『パッシェンデールの戦い』 ヨーロッパ戦線の塹壕戦 World War 1

2016年03月23日 | 日記






 『パッシェンデールの戦い』 2016年3月23日









15日、南米アルゼンチンの沿岸警備艇が同国南部の排他的経済水域で違法操業していた中国漁船に発砲、これを撃沈した。

なんとも留飲の下がる報道だろうか。漁船が停泊命令に従わず警備艇に体当たりしようと危険行為があったため一発カマシタとある。

断固、撃沈すべし。よく遣ったっ、偉い。中国の無法は目に余るものがある。馬鹿め、気の弱い日本で味しめて他所でも無法が通ると思ったかっ。





中国外務省は、「政府指導者は重大な関心を示しており、アルゼンチン側に徹底した調査と再発防止を講じるように求めた」なんて盗人猛々しい限りだよ。

中国国民は、親方に対して疑問を持たんのか? 「普通じゃないで、おかしいでえ」とは思わんのか? 個人の意思を持てよ。

中国国民は、親方に対し重大な関心を示すべきだよ。親方に徹底した調査と再発防止を講じるよう求めて、無法は国民の恥だと拳を挙げろ。おわり。





道理の通らん訳解らん中国や、もう、ほとんど常軌を逸してる北朝鮮の話をしても仕方ないから、また、第一次世界大戦の話をしょうか。




















『タイム・オブ・ウォー 戦場の十字架』 2008年度カナダ映画 第一次世界大戦 ヨーロッパ戦線パッシェンデールの戦いを描いてる









ユーチューブで「Timeline of World War 1 (第一次世界大戦の映画) 」ってのをボ~と観てて、なんと愚かなることを何年もやったもんだねえって、

其の時代に生まれ合わせた人たちを痛切に気の毒に思うね。人間なんか消耗品だよ。弾丸、砲弾、雨降る中をよくも行かせたもんだよ。

敵の塹壕に向かって行く兵士たちは、バタバタ、バタバタ血煙上げて倒れるばかり、其処へ砲弾が容赦なく炸裂して跡形もない。





英語で怒鳴ってる、味方の兵士に拳銃を向けて突撃しないなら「撃ち殺す」なんて云ってんだろうね、腰が抜けて立てなくて当たり前だよ。

其の将校も身が砕け散った時点で、この世の務めから解放されてる。なんちゅう人生なんだろうね。

鉄の規則がなければ誰も行かない、行くほうがおかしい、しかし、行かねばならない、行かさねばならない、死なねばならないんだね。















『パッシェンデール』 実写 戦場となった地域の大部分は泥濘(ぬかるみ)の沼沢地(しょうたくち)で8月の大雨で至る所に底なし沼を作り出した









もう、敵も味方もバラバラの粉々じゃないか。このブログ1067回でも紹介した 『タイム・オブ・ウォー 戦場の十字架』 2008年度カナダ映画の

戦闘シーンも出て来たね。腕が飛び、脚が飛び、顔を弾が突き抜ける。そうして、ようよう相対したら壮絶な白兵戦。

刺したり斬ったりどついたり、挙句は大きな石で潰したり阿鼻叫喚の地獄絵だよ。泥沼のパッシェンデールの戦いだね。殺して殺して殺さねば自分が殺される。





『タイム・オブ・ウォー 戦場の十字架』 このカナダ映画は描写がリアルで何度観ても引き込まれるね。砲弾孔の泥沼の中、敵味方入り乱れて肉弾戦。

受けた手のひらを銃剣が貫き通す、間一髪、突き刺そうとする銃口を両手で掴み取って支えて踏ん張る軍曹、全身に力を入れて刺し貫こうとドイツ兵。

背後で恐怖のあまり戦慄く若い兵士に 「なんの為に銃を持ってるっ」 云われて背後からドイツ兵の頭を撃ち抜く、伸し掛かる死体を押しのけ立ち上がる。





背後で発射した銃を落とし恐怖で腰を抜かす若い兵士に、頭を撃ち抜いたドイツ兵が押し倒されてくる、

慌てて突き出す手が、ズボッと銃創で開いた後頭部から顔に突き抜ける。これ見よがしの描写じゃないのがリアルだね。声にならない絶叫。

軍曹が意にもとめずに、そのドイツ兵の死体を払い除ける。第一次世界大戦の戦闘は、この白兵戦なしには語れない。殺したって実感が色濃いだろうね。





英国擲弾兵や南北戦争の南北両軍兵士が横に隊列組んで徒歩行進突撃の時代の銃器や兵器じゃない、格段に進化してるから射撃場の的でしかない。

凄まじい機関銃の弾幕は、その間隙を通すことを許さない。戦法が昔ながらの突撃を主軸としてるから戦傷者の数が桁違いで跳ね上がる。

こんなのを4年もあちらこちらで繰り返して連合軍(主に英、仏)同盟軍(主に独)両軍合わせて1.600万人の戦死者、2000万人の戦傷者を出した。















『パッシェンデールの戦い』 実写 この写真は、以前見つけた時は、たしか「ソンムの戦い」って紹介されてたと思うけどね? まあ、似たようなものか









パッシェンデールは、第一次世界大戦(1914年7月28日~1918年11月11日)における大規模戦闘の残虐さを象徴しているとあるね。

ドイツ軍は約270,000人を失い、イギリス帝国の各軍は計約300,000人を失った。

この中にはニュージーランド兵約3,596人、オーストラリア兵36,500人、カナダ兵16,000人が含まれる。





カナダ兵の損害は殆どが10月26日から11月10日にかけての最終攻撃にて生じた。

イギリス・ニュージーランド・オーストラリアで合わせて90,000人の遺体は身元を特定できず、また42,000人の遺体は遂に発見できなかった。

空撮写真の分析では1平方マイル(2.56 km²)当りの砲弾孔(ほうだんこう=爆発した穴)は約1,000,000個を数えたとある。















『複葉機から撮ったパッシェンデールの砲弾孔』









オレは、あくまで外野席だからなんだけれど、この中途半端な戦争に惹かれるんだね。人間の匂いがプンプンするんだね。

人間の愚かさ云々を超越した視点で見ると、生と死の境界線で必死に戦う人間の諸の姿に感動するんだよ。塹壕の中で整列して突撃の合図を待つ。

恐怖に委縮する自分に克たねば一歩が踏み出せない。そういう逃げようのない土壇場に置かれて、それぞれが必死に葛藤する。





打ち克って合図とともに塹壕を梯子で上り出る。空気を切り裂きキュルキュルと砲弾が唸り飛び来て炸裂する。無数の敵弾が狂ったように擦過する。

死ぬまで歩き往かねばならない。真っ赤な焼き鏝(ごて)が身体を抉(えぐ)るまで、繋がる五体が引きちぎられるまで。

弱くて強くて弱い人間の姿に、なんだろうかね? いつも、「おまえならどうする」って問う声がするんだよ。その人たちを畏怖する自分が居るんだね。
















『パッシェンデールの戦い』 実写












『パッシェンデールの戦い』









戦場となった地域の大部分は雨が降らずとも泥濘(ぬかるみ)の沼沢地(しょうたくち)で、此れに8月の大雨で至る所に底なし沼を作り出し

42,000人もの将兵が沼に呑まれて行方知れずのまま、此の沼沢地の土になって眠っている。

従軍して、実際に此の地で戦ったエドウィン・カンピオン・ヴォーガン中尉は、「私は立ち上がって自分が入っている穴の前方を眺めた」















『パッシェンデール』 実写









「そこには泥と水の陰鬱な荒地のみ。何の文明の痕跡もなく、ただ砲弾孔だらけ…そして至るところに死体があった。

イギリス兵とドイツ兵の死体が、腐敗のありとあらゆる過程を晒していた」

同じく、兵卒のリチャード・W.マーサーは、「パッシェンデールは酷い、酷い場所だった。我々は木製の渡り板の上を歩いた」 





「地面に横たえた梯子のような物だ。ドイツ軍はこれを狙い撃ちした。兵士が撃たれて負傷し転落しようものなら泥の中で容易に溺れて

二度と見付からなかった。とにかく渡り板から落ちたくなかった」











西部戦線 パッシェンデールの戦い ドイツ VS イギリス Battle of Passchendaele










上の映画は『タイム・オブ・ウォア 戦場の十字架』でパッシェンデールの戦いを背景に描かれた物語だね。

「ドイツ VS イギリス」になってるけどドイツ軍とカナダ軍の闘いを描いてる。

カナダ映画なんだけど戦争シーンにかなり力を入れて描いてる。第一次世界大戦の戦場の雰囲気が良く出てるよ。




パッシェンデールの戦いは、三ヶ月に渡る激戦の末、カナダ軍団が1917年11月6日にパッシェンデールを奪取して戦闘は終わった。















『パッシェンデール』 実写









戦争は、総じて惨いの一言に尽きるけど、この第一次世界大戦のヨーロッパ戦線の塹壕戦ほど人の命の空しさ感じさせる戦いはないように思うね。

殺戮戦だよ。手にする武器は、銃剣、斧(おの)スコップ、石、殺せる物ならなんでもいい、普通の人々が鬼に化身して殺し合う。

逆毛立って身震いして血泥にまみれて殺すことに専念する。生きて帰れるなんて運以外のなにものでもない。





生きて帰って、運に恵まれたことを感謝して、やがて、普通の人に戻るんだろうね。




























カメレオンの独り言-1375 『我は汝に誓う、我が祖国よ (I Vow To Thee, My Country)』で貼ったけど、ここでも貼らずばなるまい。






次に流れる曲は、大英帝国愛国歌 『我は汝に誓う、我が祖国よ (I Vow To Thee, My Country)』なんだけど

平原綾香の 『ジュピターJUPITER』ってグスターヴ・ホルストの「木星」(管弦楽組曲『惑星』の第4曲)の旋律のエエとこ取りして

創った歌があったね。実は、英国では、1918年に同じく、この間曲に歌詞を載せて歌が創られていた。





其れも愛国歌なんだね。イングランド国教会の聖歌でもある。当時、ヨーロッパは第一次世界大戦の最中(さなか)であり、

一番の歌詞は、この第一次世界大戦でイギリスが被った多大なる犠牲者たちを強く意識して作詞されたようだね。

一番では祖国への忠誠心を、二番では平穏の理想の国家について言及している。










I Vow to Thee, My Country 'Orchestral'
  『我は汝に誓う、我が祖国よ』









『我は汝に誓う、我が祖国よ』(I vow to thee, my country)





祖国よ、地上の万物に勝り、

完全無欠にして余すなき祖国よ

我れは汝に誓う、

かくの如き愛を捧げん事を

疑義(ぎぎ)を呈さぬ愛、

試練に耐え抜く愛、

最愛の人 最良の友をも

贄(にえ)に供する愛、

磐石不動の愛、

恩に報いる愛、

怯(ひる)まず至高の犠牲を払う愛を

我は祖国に捧げ奉(たてまつ)らん




I vow to thee, my country,

all earthly things above,

Entire and whole and perfect,

the service of my love:

The love that asks no question,

the love that stands the test,

That lays upon the altar

the dearest and the best;

The love that never falters,

the love that pays the price,

The love that makes undaunted

the final sacrifice.






また他なる国あるを

久しき昔日(せきじつ)に我は聞けり

それは、愛する人には最愛の国

知る人にとっては至上の国

国軍は数えること適(かな)わず

国王には見ゆること適わず

その護(まも)りは誠実なる心

その誇りは艱難(かんなん)

そして精霊はつぎつぎて静寂に

その光満てる境は広ごりて

その優しき心のゆくところ

遍(あまね)く平穏が訪れんと






And there's another country,

I've heard of long ago,

Most dear to them that love her,

most great to them that know;

We may not count her armies,

we may not see her King;

Her fortress is a faithful heart,

her pride is suffering;

And soul by soul and silently

her shining bounds increase,

And her ways are ways of gentleness

and all her paths are peace.















『パッシェンデール』 実写  戦友の担架を運ぶ兵士、下の写真も含めて泥濘(ぬかるみ)の様子が解る













『パッシェンデール』 実写












『パッシェンデール』 実写












『パッシェンデール』 実写












『パッシェンデール』 実写





 



スティーブン・スピルバーグ監督の 『戦火の馬』は、同じ大戦下のソンムの戦いが背景だった。大砲や砲弾、装備品などの輸送は、

まだ、馬力に頼らねばならない時代だったから各国は馬を片っ端から徴用して戦場に送ったんだね。

人の死があまりにも多すぎて、死というものに鈍感になっていく。物言わず過酷な奉仕で死んでいく馬たちに流す涙は残ってるかねえ?





イギリス側だけで100万頭の馬が死んだらしい。全軍合計で1000万頭の馬が死んだと推定されてる。

イギリスから海外へ送られた100万頭の馬のうち、帰ってきたのは、僅か6万2000頭で残りの馬たちは、多くが兵士たちとともに戦死した。

また、生きながらえた馬もフランスで食肉処理されたかして消えた。悲劇は、何処まで辿っても悲劇だね。















『その後のパッシェンデール』 実写 遠い異国の冷たい沼沢地の土に還った4万2千の将兵の無念の涙で泥濘(ぬかるみ)の乾くときはない。























『印の位置が、パッシェンデール』











『印の位置が、パッシェンデール』







現在のパッシェンデールは、フランスとベルギーの国境近くベルギー領イーベルから東へ約10キロ、ベルギーの地方自治体である

ゾンネベーケ(en:Zonnebeke)に含まれる位置を指す。ブリュッセルの西方約100キロの位置に在り、

フランス領ダンケルクから東南東約60キロの辺り、同じくパリから北北東約350キロの辺りだね。

























































ちょっとGoogleマップで海外旅行して見て来たよ。「安うつくのお~」 頭使えばいいんだよ。ずっと座ったままで楽だよ。

綺麗なお家が軒を連ねて昔の写真の面影なんて何処にもないよ。沼沢地も見渡す限り田んぼになって、一面、緑に覆われて美しい。

後の第二次世界大戦でもナチス・ドイツ軍が行ったり来たりしたんだろうね。





パッシェンデールの戦いから100年かね、人間の愚かな破壊力、人間の弛まぬ再生力ってのを感じるね。


































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