カメレオンの独り言

当分は漫ろ言の漫ろ歩き、頭に浮かんだ事柄を挿絵と写真と下手な文で綴ります。色々と間違い多いですがご容赦を。

カメレオンの独り言-1488 『映画 K-19  原子力潜水艦放射能の恐怖』

2015年10月02日 | 日記







 『K-19』  2015年10月2日







前回借りた映画は観る気がしないものばかりで大失敗だったよ。よし、今夜は、まともなのを借りようと自転車を走らせてツタヤへ。

『ラン・オールナイト』 おお、戻っておるよ。『セッション』も抜き取る。 以前探したけど見つからなかった潜水艦もの『K-19』が、あったよ。

予告編で観れそうかなと思った 『ドライブ・ハード』 あともう一本、う~ん、フランスの刑事もの 『猟犬たちの夜・そして復讐という名の牙』






束ねて借りた奴は、期待薄な作品から観る癖がある。美味しそうなのは最後だね。でも、不味いときが多いけどね。

『ドライブ・ハード』を観る。笑えるところもあるけど2回観ようとは思えない。なんか、雑な作りの映画だね。でも、気分は悪くはならない。

『K-19』を少し早回しして観たけど、あれ? ラスト、なんか見覚えのあるシーンが過(よ)ぎったような、観たかも知れんよ。「覚えとけよ」






これ、主役がハリソン・フォードだけと思ってたけどリーアム・ニーソンも共演しておるよ、儲けたね。オレは、リーアム・ニーソンのファンだからね。






『猟犬たちの夜・そして復讐という名の牙』 前・後編に分かれてる。後編を借りた。「お客さん、これ前編と後編になってますけど、ご存知ですか?」

ああ、観て面白かったら、あとで前編を借りるね。店員のお姉ちゃんが笑ってるよ。ふつう、前編をまず借りるんだろうかね? オレ、ふつうじゃないの。

せめてラストだけでも観て、ことの顛末知っておかんと、面白くなければ訳解らんままになるからね。














『ソ連海軍K-19原子力潜水艦』








一度観たやつだったかどうか気になってドライブを回す。なんか、TV洋画劇場で観たような気がするね? はっきりせんけど。

『K-19』 K-19・The Widowmaker 2002年のアメリカ映画。 キャスリン・ビグロー監督、ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン共演。

ソ連のホテル級原子力潜水艦K-19が、1961年1月4日、北海グリーンランド付近で起こした事故を元に製作されたらしい。






出だしから悪くない、これは観れるって感じだね。米ソ冷戦下のソ連海軍の原子力潜水艦K-19は、アメリカに対し自国の兵器の脅威を与えるために

遙か航行実験に於いて北海の氷の下を潜りアメリカに接近、氷を割って浮上して弾道ミサイルのテスト発射に成功する。

これ等を想定した基地内の訓練で機器の故障から目的を果たせず艦長の任を解かれたリーアム・ニーソンは、選抜された新艦長ハリスン・フォードの副官として






其の指揮下に入る。優秀で人間味のあるニーソンは部下の信任も厚く頼れる男。新艦長のフォードは、厳格な軍人然とした男で搭乗早々に訓練、訓練を繰り返し

部下たちから疎まれるんだね。限界度300mまで一気に潜行を命令、副官のニーソンがたしなめても訊かない、艦が異様な軋み音を発するんだね。

副官のニーソンは、K-19の強度並びに設備の脆弱性を説くが、此れにも耳を貸さない。














『ハリスン・フォード(新艦長) リーアム・ニーソン(副艦長)』








極限の中での整然たる行動がとれるかとれぬかが艦の命運を左右する最もたるものだ、という考えなんだね。

ニーソン艦長の下で鍛えられた部下らは、この過酷な訓練の日々を命令どおりこなしていくんだけどホッとする間がないんだね。

急速潜行の後は急速浮上、海面の氷の厚さもなんのそのバリッバリッバリッバリッって氷を割って浮上を成功させる。全ては気だよ。「ホンマかいな?」






浮上してすぐさま弾道ミサイルのテスト発射に成功するんだね。歓喜の声がこだまする。まあ、ここまでは、潜水艦ものには、よくあるパターンなんだね。





















この映画のコワイのは、このK-19は原子力潜水艦なんだね、航行当初から、原子炉に関わる機器の中の一つの電気メーターが常に指針が狂うのを

担当者が気付いてはいたんだけどガラス面を指で弾くと針が跳ねて動き平常値に戻る。腑に落ちない異常ではあるんだけども申告せずに放置する。

これが原子炉の中で異常が発生する前兆だったんだね。原子炉は艦の最後尾に在って厳重な扉を幾重にも施した中に在る。






K-19は、弾道ミサイルのテスト発射に成功して任務の一つを終えるが、潜行してニューヨーク近辺まで接近する第2の目標に向う。

その時、警報が鳴り響く。原子炉で異常が発生するんだね。核燃棒を冷却する冷却装置に故障が発生、装置の面に穴が開き噴水、炉の熱が異常に上がりだす。

新艦長のフォードの命令で、前任を解役、後任に大学で原子力学を首席で上がったエリートの少尉が、その場を仕切っている。






これも経験を重視するニーソン副官の意見を一蹴、新艦長フォードの命令だった。放射能の怖さに戦慄するね。どう対処する?

艦には、真水を何十トンと積載している、此れをパイプを繋いで炉に送り込めば冷却が可能との意見、他に方法はない。すぐさまパイプを繋ぐ作業にとりかかる。

そして、故障箇所を修復せねばならない。それも、炉の中に入って溶接する必要がある。炉内は放射能に満ちている。






当時は、放射能の危険数値ってのが確立されておらず、シーベルトが被曝線量当量として正式に定義されたのは1979年なんだね。

福島原発事故でミリシーベルト、シーベルトなんてのに馴染みになった。胃のX線検診1回の被曝量が0.6ミリシーベルト。

胃のレントゲン撮影1回の被曝量が2ミリシーベルトとある。1年間の自然放射線被曝の世界平均が2.4ミリシーベルトなんだね。






放射線業務従事者の年間被曝の上限は50ミリシーベルト、これを越えるとガンの発生率が上昇し始める。これ等はミリの単位だね。














『原子炉を視察する新艦長のハリスン・フォード』








当駄文の1360回 『恐怖の青い閃光 急性放射性症候群』で書いたけど、中性子線を諸に受けた作業員2名の方が

此の世の地獄を味あわされて苦しみのたうち亡くなった。単位が上がって6~20シ-ベルトを浴びたんだね。

皮膚は再生を繰り返して正常に保たれてるけど、皮膚の再生ができないと全身生皮剥がれた生き地獄の状態になる。






この6~20シーベルトの線量では99%が死亡する。いわゆる放射能の致死量と言われる値。

こんなのを知ってるから、この映画の展開は、ホンマに怖いんだね。炉の中は致死量の放射能に満ちている。

全力の作業で送水パイプは繋がり終える、あとは炉の中の冷却装置の穴を溶接で塞ぎ、その装置にパイプを連結して真水を送れば温度上昇を防げる。






「わたしが行く」と、ニーソン副艦長。「駄目だ、君は艦の航行の責任がある」 原子炉の部署担当の若者たちが「わたしが行きます」 「わたしも」

フォード新艦長は、「君が此処の責任者だ、そのために君が居るっ」 エリート少尉の若者は、顔面蒼白、頷くんだね。

「2名一組として10分の作業、10分経ったら必ず出ろ」 「少尉は最後に修理箇所の確認」 艦内は鎮痛な空気に包まれる。






艦の司令塔からは、マイクを通じて温度が見る見る上がる数値を報告。

ニーソン副艦長は、準備室に行き、決死隊が着用する防護服をロッカーから引き出すが「なんだ、これは?」

「支給は、雨具の合羽です」 愕然とするニーソン副艦長。「こんなものでっ? 皆には云うなっ」 伝えられる高温の数値が躊躇いを殺す。























雨具を着用、ゴム製の頭巾にはメガネが施されている。電気メーターの異常を放置していた若者が頭巾を被る。2名の用意は整った。

着用の意味をなさない身繕い、鉄製のごっついハッチが開けられ 「10分だぞっ」 仲間の声を背中に突入するんだね。

炉がメルトダウン、メルトアウトに至れば、搭載する弾道ミサイルも誘発、艦は勿論、広範囲の核爆発が起こる。まさに命運を握る決死隊だね。






10分を過ぎて戻って来た若者は、もう、ケロイド状態になってる。嘔吐して自身で立てない。仲間が連れ出す。次の編成隊が意を決して行く。

艦が出航する日、トラックで港まで行く兵らが乗っている。道路沿いの格子の前で若い娘が必死で名を呼んでいる、

気付いて駆け寄る兵とキスして別れる、エリートの少尉だったんだね。帰港したら結婚する許婚なんだね。






エリートの少尉は、放射能がどのようなものか詳しく知ってる。身体が戦慄き声も出せない。順番が来た。「少尉っ」 絶叫上げて拒むんだね。

其れを見る班のリーダー格の兵が合羽を着て頭巾を被る。ハッチの開閉を繰り返し部下達が全身ケロイド状態で戻って来る。「俺が行く」

修理は完了した。穴が溶接で塞がってる。10分を過ぎてる。パイプの水を送らねばならん、バルブを回す手がケロイドになってる。






6名の決死隊の奮闘で 「温度が下がってますっ」 冷却装置が働いて真水の供給が功を奏したんだね。

もう一つの問題が併行して進んでんだけど、もう、限界の時間に達してる。「なんのや?」 そんなの書いてたら死んでしまう。「やわいのお~」 

しかし、安堵も束の間、其のもう一つの問題も司令塔で山を迎える頃、「温度が上がってるっ、550、600、650度っ」  全員が蒼白になる。






修理が完全ではなかった。艦内マイクで、その声が聞こえてる。原子炉のハッチの前で、独り、少尉が聞いている、頭巾を震える手にして被るんだね。


























『溶接部を補強し噴水を食い止め艦の危機を救った瀕死の少尉 手渡された許婚の写真も、もう、見えない』 








原子炉のメルトダウンの危機的状況に対して敢然として立ち向かうK-19の乗組員、放射能の危険に身を投じて修理に奮闘した事実に基づく映画。

ここに書いた物語は、おおまかではあるけれど、人を救うために自分の人生を捨てて恐怖の世界に突入する。

人は、置かれた其の状況で変身する生きものかも知らん。我が身を捨ててでも通さねばならん筋ってのが見えるのかも知れないね。





















艦内を汚染する放射能、110名からの乗組員全員が被ってるね。少尉を含む7名の決死隊は帰国後、死亡、その後を追うように20名が亡くなった。























潜水艦映画に外れはないって云うらしいね。たしかに云えてるね、息を殺して観てるよ。息詰まるような思いにもさせられるよ。ふ~空気が美味い。
































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