ギャラリー酔いどれ

売れない絵描きの世迷い言&作品紹介

寒中にⅢ

2016-01-26 10:00:00 | Weblog
 画は、小林清親(こばやし きよちか)

 弘化4年(1847年)~ 大正4年(1915年) 版画家、浮世絵師。

 月岡芳年、豊原国周と共に明治浮世絵の三傑一人に数えられ、
 しばしば「最後の浮世絵師」、「明治の広重」と評される。         作


  「両国雪中」です。


☆曇り、の予報。

整形通院のため予約投稿になります。

医事ネタ2本です、

◆http://toyokeizai.net/articles/-/97488
東洋経済  2016年01月03日
和田秀樹氏 「日本の医学界は宗教団体のよう
 薬は押し売り状態、 だから医者は飲まない



『だから医者は薬を飲まない』を書いた精神科医で、
国際医療福祉大学大学院の和田秀樹教授によると、
薬漬け医療の裏には、
臨床・研究・教育をつかさどる医学界の“宿痾”があるという。
その実像について聞いた。


日本の医学界はいわば宗教団体なのだ

──医学界は宗教団体なのですか。

日本の医学界はいわば宗教団体なのだ。

たとえば「血圧を下げればいい教」「血糖値を下げればいい教」
「がんは切ったほうがいい教」という宗教が跋扈(ばっこ)している。

宗教だから必ずしも間違っていることを言っているわけではない。

問題は、私には それぞれエビデンス(科学的根拠)がほとんどない
としか思えないことだ。

普通にいわれる根拠はほぼ二つ。

一つは海外のデータ、もう一つは動物実験の結果だ。


──エビデンスがない?

薬を飲んだときに血圧が下がる、血糖値も下がる、あるいはコレステロール値が下がる。

これは化学反応だから、ある程度、薬理を知っていればその種の薬はできる。

エビデンスとなるには、その薬により死亡率を下げた、あるいは脳卒中を減らした
といったエンドポイント(治療行為の評価項目)
5年後や10年後にきちんと実現しないとならない。

日本ではその評価がなされず、外国のデータを流用していることが多い

外国人と日本人は体質も違えば食生活も違う

そもそも外国のデータが全部流用できるのであれば、日本で治験の必要はない。

5年、10年せっせと薬を飲んでもいい根拠を外国のデータで説得する。

同時に動物実験のデータも人間に使えると信じさせる。

たとえば分子生物学的に見て、アディポネクチンという動脈硬化や糖尿病を防止する
善玉ホルモンが出るようになるのだから、これは体にいいとされる。

その薬を飲んで健康になったかどうかは本来ロングスパンで結果を見ないとわからない。


──高血圧治療薬のディオバン事件がありました。

ディオバンという薬を日本で使ったら5年後、10年後に脳梗塞や心筋梗塞が減る
というロングタームのエビデンスを作ろうとした。

製薬会社のノバルティス ファーマには勝算があったのだろう。

だけど、日本人は体質や食生活が違った。 エビデンスが出なかった

データを改ざんした医者のモラルの問題に帰するところが大きいが、
問題の本質は
海外でいいといわれる薬でも
日本人には当てはまらないこともある
ことだ。

もともと人間の体の中で何が起こっているかわからないことは多い。

脳梗塞や心筋梗塞は動脈硬化によって血液の通路が狭くなり起こるのだとしたら、
血圧の低いほうが詰まりやすいかもしれない。

それでも薬で血圧を下げたほうが動脈の壁が厚くなりにくいからいいとするかどうか。

この種のことも実験してみないとわからない。
長期の実験をしなければ、従来の説を宗教のように後生大事に信じてしまうことになる。


日本人のエビデンスが薬にはほとんどない

──ほとんど長期の調査には基づいていないのですか。

長期の疫学調査によっていくつか有用なデータは出ている。

たとえば小金井市総合健康調査は15年間高齢者を追いかけ、
コレステロールは高めのほうがいいとの結果が出た。

また仙台の郊外では太めの人が長生きしていたといった調査結果もある。
ただし、その結果に対して医学の世界は積極的に応えようとしない。


──なぜ?

自分たちのドグマを守ることのほうが大事なのだ。

そして宗教と同じで異端の説を出した人を追放にかかる


新たな説を証明し、これまでの定説をひっくり返すことが科学の歴史のはずだが、
医学界ではそうならない。

守旧派の学会ボスに逆らったら大学医学部の教授にもなれないからだ。
ただし、学会ボスが定年退職すると、しばしば新しい説が使われるようになる。


──新しい有力な説はまず「隠れキリシタン」になるのですか。

日本は正常値主義に振り回されている

たとえばコレステロールがそう。

まだ15年は今の教授たちのメンツを潰すからそうはできないが、彼らが引退したら、
コレステロールも血糖値もむしろ高めでコントロールしたほうがいいとなるだろう。

このことは世界的な医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』や
『ランセット』にも出ていることだが、これについては学会ボスがインチキ視している。


──そうなると、自分の処方箋が大いに気になりますね。

結局、医者は自分が正しいと思っているものを処方する。

そこでは、専門分化が進みすぎているから、たとえば心臓にはいいかもしれないが、
体全体ではいいとは保証できないものもあるかもしれない。

日本では今、血圧の下がることが絶対善だと思われがちだが、
脳卒中を減らす、血圧の幅についての日本人のエビデンスはあまりない


秋田県で減塩運動をして血圧を下げ、脳卒中は確かに少し減った。

この結果も血圧を下げたから脳卒中が減ったのか、
タンパク質を取ったから脳卒中が減ったのか、因果ははっきりしない。

タンパク質を取る量が少ないと血管の壁は破れやすい。

だから昔は血圧160ミリメートルエイチジーあたりで脳卒中になっていた。
今は200ミリメートルエイチジーを超えても血管は破れないケースが多い。


──「正常値」主義ではダメなわけですね。

誰もが薬を飲めば長生きできる、健康になれると信じて動いているが、
これが正しいかはわからない。

大学医学部教授と称する人たちが確かな実験をやってくれないからだ。

この薬を飲むと何%の人に肝臓障害が出る、胃炎が起こる、あるいは下痢が起こる
という副作用は調べられている。

だが、はっきりした薬効のエビデンスは実質ほとんどない


押し売りされる薬。しかし説明は不十分、同意書もない

──効く証拠がない?

一般論から言って、低血圧の人は朝起きづらい、頭がふらふらする。

だから、血圧や血糖値は下げれば頭がぼんやりするといえる。

たとえば今55歳の人が血圧の薬であと30年生きられる、
飲まなければ25年しか生きられないと仮に証明されたとしよう。

その薬を飲み血圧を下げたため30年頭がぼんやりして生きるのでいいのか、
飲まずに25年頭がしゃきっとしているのがいいのか、
選ぶとしたら。現実問題として、薬はそういう選択で飲むしかない。

──薬に関してもインフォームドコンセントが必要なのですね。

手術だったら十分な説明がなされる。

そのうえで同意書にサインしないかぎりは手術できない。

ところが薬の場合は、異物を体内に入れるにもかかわらず、
同意書もなしにどんどん押し売りされる。

インフォームドコンセントが十分なされない。

制度があれば、エビデンスデータがないのはなぜと聞くこともでき、
データもそろうようになるのでないか。




小林清親、二枚目、



「雪の夜に人力車」です。




◆http://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_188361/
Business Journal / 2016年1月10日
薬の原価率はわずか1%で暴利?
 安価で危険な中国・韓国製が大量流通 …



ジェネリック(後発薬)とは、特許が切れた薬(先発薬)のコピー商品のことで、
特色は価格が安いことです。

製薬会社は、薬をひとつ開発するのに10~20年以上の歳月と、
数百億円の資金をかけます。

抗がん剤では1000億円を超すケースも珍しくありません。

それほど薬の開発には莫大な費用と時間が必要なのです。

薬の値段が高いのも、開発費として注ぎ込んだ
膨大な費用を回収しないといけないからです。

その半面、開発が済めば薬の製造コストは微々たるものです。

薬の大半は石油の副産物ですから、原材料にかかるコストはわずかなのです。

昔から暴利を貪ることを「薬九層倍」といい、
薬は原価の9倍で売ると揶揄されてきましたが、実際の原価はもっと低いようです。

某大手製薬会社の研究所で所長を務めた方から直に聞いた話では、
その会社ではどんな薬でも原価率を1%以内に収めることが至上命令だそうです。

ほかの会社も、おそらくそうだろうということでした。


このように、薬という商品はソフトの部分に膨大な費用がかかる一方、
ハードの部分は少しの費用で済むのです。

この辺の事情は欧米も同じです。

たとえば、欧米ではジェネリックが先発薬の5~15%程度の安値で販売されていますが、
開発費がほとんどかからず、製造原価も1%程度なので、
激安価格で販売しても十分利益が出るのです。

ひと昔前、日本ではジェネリックを「ゾロ薬」と呼んでいました。

「怪傑ゾロ」のようにカッコいい薬という意味ではありません。
先発薬の特許切れを待って、雨後の筍のごとくゾロゾロ出てくるからです。

これは欧米も同じで、ゾロゾロ出てくるジェネリックは瞬く間にシェアを伸ばし、
今では医薬品数量の60%以上を占めるようになりました。

しかし、日本ではシェア20%前後の状態が長く続きました。

多くのジェネリック薬は価格が先発薬より3割くらいしか安くならず、
自己負担額が月に1000円くらいしか違わないのであれば、
使い慣れた先発薬をそのまま続けるほうが安心と考える人が多かったからです。

世界的に見ると、ジェネリックは「先発薬の1割程度の価格」が一般的ですが、
日本ではその常識が通用せず、高い価格が続いたのです。
 

質の低いジェネリックも多数

しかし、ここにきて状況は一変しました。

とどまるところを知らない医療費の膨張に歯止めをかけるため、
政府は2018年3月までにジェネリックのシェアを欧米並みの60%に引き上げる
ことを目標に掲げ、施策を次々に打ち出すようになったのです。

先発薬の5割くらいの価格水準に引き下げられただけでなく、薬局に対しては、
ジェネリックを出す割合が高いほど報酬が加算される仕組みが導入されました。

同様に医師に対しても、薬を処方する際には先発薬指定でなく、
薬局でジェネリックも選択できる書き方にすると
診療報酬が加算されるようになりました。

これにより患者側は、医師や薬剤師からジェネリックを勧められるケースが増えたのです。

日本では5~10剤併用も珍しいことではないので、
毎月の薬局窓口での支払いが2000~3000円減ったと喜んでいる方が多くいます。

その一方で、ジェネリックを処方された方から、「効き目が一気に出てすぐ終わる」
「効き始めるのが遅すぎる」「発疹が出たので元の薬に戻したい」といった不満も
あちこちで聞かれるようになりました。

先発薬をコピーした商品なのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

最大の要因は、コピー商品といっても主成分が同じなだけで、
それ以外の技術はメーカーによってかなりばらつきがある
からです。

ジェネリック薬品でも、優秀なメーカーは独自に工夫をするので、
先発薬よりも評判のいいケースもたくさんあります。

その一方で、品質を維持する技術などが低いところが多くあり、
それが早く効きすぎる薬や、効かない薬が頻出する元凶になっているのです。


中国、韓国から輸入したジェネリックは要注意

効かないジェネリック、副作用が出るジェネリックが生まれるもうひとつの要因は、
安全性や品質管理に問題のある外国製の安いジェネリックを日本の会社が輸入し、
自社のパッケージに詰めて販売しているケースが多いことにあります。

このような、「外見は日本製、中身は外国製といった薬は、
日本で流通しているジェネリックの約5割を占める
ともいわれています。

主要な輸入先は、購入金額ベースでみると韓国がトップで全体の31.0%を占めています。

次いで中国が12.3%ですが、スペイン9.9%、イタリア8.9%、ハンガリー8.4%など、
欧州からの調達も多いようです。

成分数ベースでみるとシェアが最も高いのはイタリアで、全体の22.5%です。

以下、韓国15.7%、中国14.0%、インド10.2%と続きます。

韓国は中小企業の技術力が低いうえ、安全面への配慮が十分にできない傾向があります

12年には二度、日本に向けて輸出した原薬が製造品質管理基準に適合しないことが判明し、
厚生労働省から各メーカーに改善命令が出たため、
高血圧治療薬アテレック(一般名:シルニジピン)のジェネリック、
抗精神病薬リスパダール(一般名:リスペリドン)のジェネリックなどが
一定期間販売停止に追い込まれています。

中国に関しては、食の危険性だけに目が行きがちですが、
14年9月に医療関連の死者が年間40万人いるということが京華日報で報じられ
日本でも話題になりました。

しかも大半は医薬品の服用ミスが原因だと報じられています。

日本でも、ひと昔前は医師や薬剤師の指示通りに飲まない患者が大勢いましたが、
何百何千という単位で服用ミスによる死者が出たという話は聞いたことがありません。

下水道からくみ取った油を原料に製造した抗生物質が日本に輸出されていた
と報じられたこともあるように、中国は安全性に関して無法地帯のような状態です。

そのため、本当は薬の安全性に問題があるのに、
原因を「患者の無知」にすり替えているような気がしてなりません。


安全な薬の選び方

一昨年、日本ではジェネリックのシェアが50%を超え、今後も増加が見込まれています。

筆者もジェネリックを全否定する気は毛頭ありません。

患者さんの声や、データとして効果が先発薬と同レベル、
あるいはそれ以上と評価されているものは積極的に活用すべきです。

ジェネックの使用を躊躇している方の多くは、インターネットで調べても、
どのジェネリックが良くてどれが悪いかなどの情報が掴みにくいために踏み切れないようです。

このような場合は、ジェネリックに詳しい薬剤師に相談するのが一番です。

調剤薬局では、ジェネリックの比率を上げることで調剤報酬の加算もありますので、
ジェネリックについての情報を蓄積したり仲間同士で情報交換したりして、
“ジェネリックのソムリエ”と呼べるほどの能力を持っている薬剤師もいます。

日本は今、コンビニエンスストアよりも薬局のほうが店舗数の多い時代ですから、
自分に有益な情報を提供してくれる薬剤師を是非見つけてください。

薬の専門家である薬剤師をしっかり活用して、有効で安全な薬選びをしてください。

(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)




ご参照あれ!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿