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5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

出雲の阿国

2020-04-19 21:40:33 |  文化・芸術
歌舞伎座の前にある老舗の弁当屋が152年の歴史にピリオドを打つという今日のニュースをお仲間のリツイートで知った。これもコロナ禍のひとつであるようだ。 歌舞伎といえば、茶を飲み分ける遊びを「かぶき茶」といい、乱暴狼藉をはたらく者を「かぶき者」というとは「ことばの歳時記」の金田一春彦先生。 4月15日は「阿国忌」だという。歌舞伎の創始者、出雲の阿国の命日だというのだが、知らなかった。伝説の女性なわ . . . 本文を読む

拙を守る

2020-04-14 21:27:35 |  文化・芸術
花弁の赤と葉の緑のコントラストが鮮やかな木瓜の花が見ごろである。薄いピンクや白から、斑入りまで。やはり賑やかな春の花だと思う。 果実が瓜に似ているところから、木になる瓜で「木瓜(もけ)」、それが転訛して「ぼけ」に、または「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したとも言われる。中国原産で、日本へは平安時代に持ち込まれ観賞用に栽培された帰化植物。3月から4月にかけて、葉が芽吹くよりも先に5弁の花を咲 . . . 本文を読む

ことばの挿し木

2020-03-29 21:52:31 |  文化・芸術
「根分けせん我は黄菊を白菊を」子規 柳、葡萄、茶、茨、枳殻、菊などは、挿し木に適した植物だそうだ。「季語集」の坪内稔典先生が、その「挿し木」の項に書いている。挿し木をする季節は、ちょうど春彼岸の後の今頃から5月初めの八十八夜の辺りまでだという。 挿し木というのは、株の一部を切りとり、発根させて増やす方法のこと。植物をふやす最も簡単なやり方だ。種からでは増やしにくい草花に用いるとウイキにあった。 . . . 本文を読む

氏神さまの由緒

2020-03-25 21:52:44 |  文化・芸術
わが町の図書館はコロナで閉まっているのに隣町の図書館はこの時期でも開いている。行政によって市民サービスには違いがありそうだ。読みたい本は隣町から借りることにして電車で出かけた。帰りは三密を避けて田圃道を歩いて戻る。 その途中で神社の杜を見つけた。案内板には「御鍬神社」とある。境内に入ってみると本殿ひとつの小さな氏神さまだ。ひとの気配のない拝殿前まで進んで賽銭を投げて拝礼した。コロナに罹りませんよ . . . 本文を読む

すみれ色のへそ

2020-03-22 21:52:06 |  文化・芸術
「影ふかくすみれ色なるおへそかな」 古代ギリシアで作られた彫刻〈ミロのビーナス〉はパリのルーヴル美術館にあるが、春が来たというのにコロナ禍で美術館は閉じられており「菫色をしたおへそ」を眺めることはかなわない。 この俳句は関森勝彦の「文人たちの句境」の「女人賛歌」の項に載っている明治期の詩人で作家、佐藤春夫の作である。ミロのヴィーナスがパリを離れて海外に渡ったのは1964年春の東京と京都での展覧 . . . 本文を読む

元禄の雛かざり

2020-03-02 21:18:25 |  文化・芸術
明日は3月3日の「ひなまつり」である。我が家の超高齢者がお世話になっている老人施設のディサービスの日でもある。彼女は明日が愉しみらしい。 というのは次週の昼食の予告がされて「3月3日はひなちらしですよ」と言われたらしいのだ。特別凝った本格的なちらし寿司がでてくるはずはないのだが「おひなさまのちらし」と聞くだけでなにやら気分が高揚してくるようだ。2日前に転倒して額の疵は治っていないのに「風呂に入ら . . . 本文を読む

ヴァレンタインはラブランド発

2020-02-14 21:07:37 |  文化・芸術
フランク・シナトラの歌う「マイファニーヴァレンタイン」を聴きながら今日のブログを書いている。 コロラド州の州都、デンバーの北、ロッキー国立公園の南麓にある人口8万弱のラブランド(Loveland)は、その名前のおかげで全米からヴァレンタインの日になると注目を浴びる〈恋人の町〉である。 好きな相手に渡すヴァレンタインカードに「LOVE」のついたこの町のスタンプを押してもらおうと毎年10万枚が送ら . . . 本文を読む

梅の盛り

2020-02-12 20:48:38 |  文化・芸術
時折、万歩のコースに選ぶ公園には葉を落とした広葉樹にまじって数十本の梅の木が植わっている。しばらくここを通らぬうちに、梅の花がこじんまりと咲き出しているのに気が付いた。 枝の下で開花の具合を確かめながら二人で梅の香を嗅いでいる様子の老夫婦を見つけた。公園のすぐ隣にある公団アパートにでも住んでいるのだろうか。花見散歩とは風流な。 「梅が香やどなたが来ても欠け茶碗」 欠けた茶碗しかない貧しい暮ら . . . 本文を読む

渋谿はしぶたに

2020-02-09 21:32:59 |  文化・芸術
西日本側では「谷」を「たに」と読ませるのだとは、昨日のブログに書いたばかりだが、その好例をむかしの奈良時代の和歌の中に見つけた。 「馬並めていざ打ち行かな渋谿の清き磯回に寄する波見に」 馬を揃えてさあ出掛けよう。渋谷(しぶたに)の美しい磯辺に打ち寄せる波を見に!というこの歌は、大伴家持が国守として越中赴任中に詠んだものだ。 20巻ある万葉集の第16巻から第19巻には越中の歌が300首収録され . . . 本文を読む

伊良湖の鷹

2020-02-02 21:27:06 |  文化・芸術
コロナウイルスで休日を3日間延長された中国の春節休暇も今日で終わり、来日していた中国人観光客たちはマスクや消毒液を土産にして帰国の途についたというニュースがまず目についた。 明日から仕事モードの中国各地だが心配の種はつきない。湖北省の隣、湖南省では人間にも感染する鳥インフルエンザのH5N1型が飼育鶏から見つかったといういかにも間の悪いニュースも聞こえてくる。加油、中国!である。 H5N1のウイ . . . 本文を読む

ツクバネ

2020-01-15 22:12:14 |  文化・芸術
茨城のつくば市には二度行ったことがある。一度目は留学から帰った友人が新規に開いたコミサリー(惣菜のセントラルキッチン)を見学した1977年、二度目は働いていた会社の旅行でつくば万博を見学した1985年のことだ。当時はまだ半完成だった筑波研究学園都市や周辺の田園風景も記憶から薄れてしまったから、つくばエキスプレスに乗ってみれば、きっとその変貌ぶりに驚かされるだろう。 フランチャイズの愛知とは関わり . . . 本文を読む

はじき初め

2020-01-13 21:49:44 |  文化・芸術
駅からの帰り道に一本違う旧道を使うことがある。この道は江戸時代の東海道の宿場の名残をかすかに残している。 たとえば「曲ん手」かねんでと読ませるらしいが、まっすぐにきた街道が宿場に入るとなんども急角度で曲っていること。街道を整備したのは徳川家康だが、通りが見通せないようにするのと宿外と宿内を区別するという目的だったというから、泰平な世はまだ先のことだと家康は読んだのかもしれない。 旧道には明治か . . . 本文を読む

商売繁盛

2020-01-10 21:28:01 |  文化・芸術
正月になると名鉄の駅壁に決まって貼られる熱田神宮の〈初えびす〉告知ポスター。そのデザインは毎年かわらずで、今年も丸いえびすさんが商売繁盛を謳っていた。 熱田神宮は五日戎だが、関西では十日戎、今日はその本戎である。五穀豊穣と商売繁盛の神様、えべっさん(戎)を祀る、ゑびす神社、今宮戎神社、西宮神社という京阪神の三社は十日の「初えびす」で全国的に知られている。 「商売繁盛で笹もってこい」の福笹は、可 . . . 本文を読む

初釜

2020-01-08 21:55:59 |  文化・芸術
 オーストラリアは火の海の一方、 インドネシアは洪水に洗われ、 アメリカとイランは戦争一歩手前、 アラスカとガテマラで火山が吹き、 LAとプエルトリコは地震に揺れ、 ウクライナの飛行機が落ちた。 これが地球の今日の姿だ。 とは、タイムラインで拾った個人のツイート。世界中で次々と起こる事件や事故は逐一ツイッターが教えてくれるのだが、そのひとつひとつを反芻する暇もないほどの情報過多は困ったものだ。 . . . 本文を読む

かるた取り

2020-01-05 21:20:29 |  文化・芸術
「かるた取り」という正月の習わしはいまでも続いているのだろうか。 かるたといえば、子供用の「いろはがるた」もあったし、大人用の「小倉百人一首」もあった。昭和時代の我が家には他の家庭同様に「いろはがるた」も「小倉百人一首」も備えてあり、女系家族の我が家だから「百人一首」は女たちの正月用知的ゲームだったという記憶がある。 「ことばの歳時記」の正月の項には「百人一首」が出ている。 金田一先生は「百 . . . 本文を読む