ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

あい

2013-08-14 20:18:48 | 読書
寒村の農家出身ながら医師となり、徳島藩医にまでなった関寛斎。
戊辰戦争でも軍医として功績を残したが、
明治35年、それまでの地位と名誉を捨て北海道斗満の開拓を志す。
この時、寛斎72歳、あい68歳。
司馬遼太郎をはじめ何人かの作家が題材としてきた人物だが、
高田郁が主人公に据えたのは、彼の妻・あいだった。

高田郁は本格的に作家デビューしてから5年ほどしかたっていないが、
「みおつくし料理帖」や「出世花」「銀二貫」など秀作が多い。
ストーリィテラーとしての素質は確かなものだし、
加えて登場人物に対する思い入れが豊かである。

「あい」もまた、凛として夫寛斎を支えていく姿が描かれている。
高田郁に描かれてよかった、と思う。
久しぶりに心が洗われる、期待通りの作品である。


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