LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

桃の節句・その3

2008-02-25 11:57:14 | インテリア
先日、個人のお宅のためにお雛様を飾りつけて参りました。



そのお宅は、奥様を12年前に亡くされ
男手一つで三人のお子さん達をお育てになり、
去年ご長女を無事お嫁に出されたという経緯をお持ちです。

聞くところによると、奥様を亡くされてから
ずいぶん長い間、お雛様を取り出していなかったとおっしゃるのです。

「もしよろしければ、取り出して飾ってみたいと思うのです。」
と申し出て、お雛様を見せていただきました。
見れば、品のいい顔立ちのこじんまりした対の雛です。
「ぜひ飾りましょう、そうすればきっと
奥様の十三回忌のご供養にもなることですし、
去年お嫁に行ったお嬢様もきっとお喜びになりますよ。」
ということで、飾り付けさせてもらったのです。

こじんまりした形のお雛様に合わせ、白磁の花器を対で置きました。
枝ものを生けるのに、このような口の狭い花器はうってつけです。
左右対称に桃の花を配置し、中央には小さな膳にのせた菱餅を飾ります。

最近、室礼(しつらえ)を勉強し直しているところなのですが、
菱餅の置き順は上から、紅、緑、白が正しい順なのだそうです。

古くからのならわしには、すべてに意味があります。
その深い意味を、ひとつひとつ学びながら、
子供たちの代に伝えていく責任が、私たちの世代にはあるんだな
などとつい思ってしまうのです。