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リタイアーのよもやま話

自分の本音って?

2010-02-05 11:15:49 | 定年
わたしが、20代の頃、まだ学生だったような気がするが、どういうわけか、45歳くらいに退職したいと思っていた。

はっきりした理由は、分からないが、労働を厭う気が、どこかにあったかも知れない。いや、人見知りをする性格だったからかも知れない。

実際に仕事についても、どこかで、退職の日を待ちわびている自分があった。

ところが、不当人事を食らって、あまりの忙しさで、眼がおかしくなった。

光が、眩しくて、裸眼で生活できない。サングラスをかけて、日夜生活をしていた。

時折、ゆとりができると良くなったりしていたが、ある日、それが慢性になった。

さすがに、このままでは、目が潰れて、仕事を止める日がくるのではと思ったら、焦った。

今まで、何度もいざとなれば、仕事を止めたってかまわないと思ったが、いざ仕事を止めるのではないかと、思ったら、仕事にしがみつく自分に、びっくりしてしまった。

情けなくなってしまった。

それ以来、自嘲し、自重するようになった。

わたしが54歳の時、父親が、突然寝たきりになった。そのため、仕事の合間をぬって、父親のリハビリをするために、病院に通うことになった。

この両立が厳しく、退職を考えていたが、躊躇するものがあった。

しかし、この職場に5年ということで、転勤の年を迎え、これ以上、厳しい生活をしていると、身内の誰かが、病気になって、不思議でないと思い勧奨退職することにした。

病人が増えると、本当に最悪の事態になってしまうからだ。

この最悪の事態だけは、避けたいと思った。

客観的にみると、退職してから、父親の代わりにいろいろと仕事をしてきたので、良かったかも知れない。

仕事と両立できる内容ではないからだ。

しかしである。

どうしても、自分の現状に苛立ちがわく。

最近、現役時代の夢を見る。

実は、今日も明け方にそのような夢を見て、途中で、覚めた。
若干、のぼせて頭痛がする。不快感を感じる。

このような体調の時は、ストレッチをして、筋肉の緊張をほぐし、血液循環をよくしなければならない。

着替えをしながら、頭によぎったことがあった。
昨日、夜、本屋で立ち読みした文章だ。

それは、とある実業家の著書である。

彼の友人が、若くして、大金を稼ぎ、リゾートにひっこみ、遊び三昧の生活に入ったが、すぐに飽きて、仕事に復帰したそうだ。

そして、エピソードが追加された。

アメリカで、若くして大金を得て、退職生活に入った人は、早々と死んでしまうそうだ。という文章であった。

このエピソードは、他の著者の本でも、読んでおり、読むのは二度目である。

このブログでも、ずっと前に書いた記憶がある。

そのことを思いだしながら、突然、頭をよぎったことがあった。

「わたしは、仕事がしたいのだ。」ということであった。

それは、昔の現場に戻りたいと言うこととは、違うものだ。
昔の職場、わたしの力量を超えるほど、厳しい職場になってしまっている。

わたしたちの世代の古い体質では、ついていけないくらいの状況になってしまっている。

どのような職場でも、時代と共に、変化していく、だから、キャリアを積めば積むほど、現実は、自分の持っていた体質と、職場の状況とが乖離していく。

だから、再度、古巣に立ち戻ることは、不可能だ。無理すれば、今度は、その乖離のストレスで、身も心もボロボロになってしまう。

「仕事をしたい。古巣にもどるということではなく。」というのが、どうもわたしの今の本音のようだ。

その方が、何かしら、自分の今の気持がすっきりする。

わたしは、いよいよ退職を意識する歳に近づくにつれて、定年退職した後、タクシーの運転手でも、警備員でもいいから、仕事を続けたいという気持があった。

あまり、背伸びをしなくてすむ仕事であると思ったからである。

現実は、父親の病気で、勧奨退職をし、リハビリのため、病院通いの生活となった。

経済的には、父親のささやかな資産があるので、その管理をしながら、生活をしている。

だから、およそ、退職した同僚の中では、金銭的には、ゆとりがある生活だろう。

しかしである。面白くないのである。

ところで、「仕事をしたい」という希望は、どうなるだろう。

現実は、午後から病院通いの生活だ。今の生活でも、午前中に、日々の雑用をするだけで、精一杯だ。病院の行き帰りの途中、車で仮眠をしている。

仮に病院通いから開放されたとしても、一端退職した人間が、再就職するなんて、現在の社会情勢からして、とても、不可能だ。

自分の本音は、分かったが、如何せん身動きがとれない。

もしかして、退職した人の中に、何%か、わたしと同じく、仕事はしたいものだと思っている人がいるかも知れない。

するとなると、悠々自適の老後は、軟禁状態の生活と変わらない。

なんと、不健康な第二の人生だろう。

どこかしら、病んでしまいそうだ。


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