ネットのニュースである。
北京の食堂が「犬と日本人、フィリピン人、
ベトナム人は入るべからず」の張り紙―
米華字メディア
2013年2月25日、北京のある食堂が「日本
人、フィリピン人、ベトナム人と犬は入るべ
からず」と書かれた紙を店先に張り出した。
その写真がSNS(ソーシャル・ネットワーク・
サービス)のフェイスブックに投稿されたた
め、多くのユーザーがこれを「シェア」。同
時に批判のコメントも殺到しているという。
米華字メディア・多維新聞網が伝えた。
この写真には「民族主義的情緒たっぷりのレ
イシズム」のタイトルがつけられている。
投稿者によると、写真は2月21日に撮影され
たものだという。問題の食堂は、多くの外国
人観光客が訪れる北京の有名な観光スポット・
后海の恭王府付近にある。
経営者の王氏は「ここで食堂をオープンして
2年になる。この張り紙を出したのは愛国精
神によるもの。多くのお客さんがこれに賛同
している」と話している。
しかし、フェイスブックに寄せられたコメン
トには「これは中国政府と共産党の過ち。彼
らが国外の情報を隠し、歴史を歪曲したから、
一部の中国人が無知な言論を主張するように
なった」と批判する内容が多く、写真の投稿
者自身も「中国共産党が排他主義やナショナ
リズムを鼓舞しているのは、汚職や不正、環
境汚染などの社会問題から国民の目をそらそ
うとしているからだ」と主張している。
(翻訳・編集/本郷)
以上。
この記事に、次のようにあるのだが。
経営者の王氏は「ここで食堂をオープンして
2年になる。この張り紙を出したのは愛国精
神によるもの。多くのお客さんがこれに賛同
している」と話している。
なんのことはない。いかに、中国が前近代的
社会かということを、世界に知らしめている
ことにしかならない。
先進国で、遠い昔にあったことが、現代の中
国で疑うこともなく、嬉々として行われてい
る。なんにも誇れるものではなく、中国の面
汚しにしかならないことに気付かないのは、
おめでたいというしかない。
それに、「フィリピン人、ベトナム人は入る
べからず」と書いたのは、お粗末だったので
は。フィリピン人、ベトナム人の愛国心を逆
撫でしたことになるだろう。
中国人が東南アジアにどのような差別的な感
情を抱いているかということをあきらかにし
たことにしかならない。中国包囲網が強固に
なるのでは。
ところで、興味深いのは、次の文章である。
しかし、フェイスブックに寄せられたコメン
トには「これは中国政府と共産党の過ち。彼
らが国外の情報を隠し、歴史を歪曲したから、
一部の中国人が無知な言論を主張するように
なった」と批判する内容が多く、写真の投稿
者自身も「中国共産党が排他主義やナショナ
リズムを鼓舞しているのは、汚職や不正、環
境汚染などの社会問題から国民の目をそらそ
うとしているからだ」と主張している。
これである。
経営者の王氏の愛国精神は、まわりまわって
中国政府の「知られたくない不都合な真実」
を詳らかにし、政府の足元を揺らがす方向に
世論を誘導することになりそうだ。
なんという皮肉なんだろう。