お金持ちの教科書
加谷珪一
阪急コミュニケーションズ
話題3金持ちは食事代をケチらない
金持ちは食事代をケチらない
こうした違いは日常生活にも表れる飲み会
や食事に行ったときに、やたら細かく割り勘
の計算をするタイプの人をしばしば見かける
が、お金持ちと呼ばれる人々のなかにはほと
んど見当たらない。お金持ちは人におごりた
がる人が圧倒的に多いのだ。もちろん、お金
を持っていることを見せびらかしたいという
欲望もあるだろう。だがそれだけではない。
多くのお金持ちにとって食事や飲み会は投資
なのだ。
親のお金を相続するのではなく、ゼロから
お金持ちになるためには、投資や事業など何
らかのリスクを取る必要がある。食事や飲み
会では意外と重要な情報が得られることが多
い。接待など仕事に直結していない会合のほ
うが、変な打算がないのでなおさらだ。だか
らお金持ちは食事を重視する。
筆者の知人である40代の女性は、一生懸命
貯めたお金を頭金にローンを組んで、アパート
の1棟買いをした。その後、次々に物件を購入
し、今ではかなりの大家さんとなっている。彼
女はアパート経営を始めるにあたって、知人友
人のツテをたどり、飲み会を何回も企画した。
そのなかで、実家や親類が土地持ちでアパート
を経営している人をそれとなく聞き出し、その
後は直接アポイントを取って一気に話を聞いた。
突然アパート経営の実態を聞かせてほしいと
いう依頼に、多くの人が躊躇したらしいが、熱
心に口説いたところ、多くの人が会って食事を
することをOKしてくれたという。しかも、直
接競合になるわけではないと考えたのか、食事
の効用なのかはわからないが、多くの大家さん
が細かい利益の数字までオープンに聞かせてく
れたというから驚きだ。
食事代には何十万円も使ったそうだが、彼女
に言わせれば「自分には経験のないことにチャ
レンジするのに情報は必須。数千万円のチャレ
ンジをするにあたって、経験者の情報が数十万
で手に入るならタダみたいなもの」という。ま
さにその通りである。
食事が投資なのはわかったが、せっかく食事
を しても無駄になることが多いのでは、とい
う疑問も湧くだろう。それに対しては、ある実
業家K氏のコメントを紹介しよう。
筆者「たくさん食事や飲み会をしても、無駄に
なることが多いのではないですか?」
K氏「そうですね。飲み会の8割が無駄になり
ます」
筆者「8割への出費は無駄と諦めるのですか?
K氏「とんでもない。 その人は今後会う価値
がないとわかることは大きな収穫です」
お金持ちは気前よく食事代を出すのだ。もし
一緒に食事をした相手にがっかりしたとしても
笑顔でおごってくれる。だが、お金持ちは、そ
の相手と食事を共にすることは二度とないだろ
う。要するに、そういうことなのだ。
以上。
凡愚な者であるわたしなども、食事会の割り勘
いう場は、よくあることだ。
食事会にこのようなレベルの考え方があるとい
うのは、驚きである。
この文章を読んで、
バークシャー・ハザウェイの会長で世界で最も
高名な投資家であるウォーレン・バフェット 氏
と食事をする権利が、今年は最高額の262万ド
ルで落札されて話題になっている.
ホリエモンがまたやってくれた!精力的に多分野
で活動を続ける堀江貴文氏が「食事会を10万円で
売る」という面白い試みを行い、一瞬で売り切る
ことに成功した。10名の限定販売だったが、10×
10万円=100万円。堀江氏は寿司を食べるだけで
100万円手に入る仕組みをつくって実行したこと
になる。金儲けの天才だ。
というニュースの真の意味が、理解できるという
ものだ。
お金持ちは時間の進み方が一般人と違う。という
こともあった。
自分よりもランクの高い人に、簡単に会いたがる
のも、失礼な話だということになる。
背伸びをするにも、実力がいるということか?