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リタイアーのよもやま話

ゲノムが語る人類全史

2018-04-27 22:30:41 | 読書

ゲノムが語る人類全史

アダム・ラザフォード
垂水雄二[訳]

を読み終えた。

本についている帯びには、科学者が
書き換えたサピエンス20万年の歴史
とある。

又、表紙の「そで」には、こう書いて
ある。

考古学ではわからなかった「世界史」の
最先端

ヒトゲノム計画以降、急速な進化を遂げ
たDNA解読技術によって、私たちは数
万年前の人類のゲノムも抽出・分析でき
るようになった。

それにより、遺骨や遺跡の存在が不可欠
だった従来の歴史学は一変。

ゲノムの痕跡を辿ることで、骨さえ見つ
かっていない太古の人類から現在の私た
ちへと繋がる、祖先の知られざる物語が
解き明かされたー



○ホモ・サピエンスはネアンデルター
ル人と何度も交配していた

○DNAにのみ痕跡を残す、知られざる
「幻の人類」が発見された

○狩猟から農耕への移行を加速させたの
は、二つの突然変異の出現だった

○現存する全人類の共通祖先は、わずか
3500年前、アジアにいた

○ヨーロッパを二度襲ったペスト菌はど
ちらも中国からやってきた

以上。

時折、マスコミに出てくる遺伝子に関す
る科学的?な記事について、振り回され
ないために、ぜひとも読んでおきたい本
だなと感じ入った。

ゲノムに関する現代の情報を集約したよ
うな意欲的な本で、素人ながらも関心の
ある私にとっては、よくぞ書いてくれた
と感謝してやまない。

人類のゲノムに関する知識・情報・知恵の
最先端を目の当たりにして、快感に浸って
いる。

読書する習慣があったことを、幸運だと
感じ入っている。


絶滅の人類史 なぜ「私たち」は生き延びたのか

2018-04-16 23:04:27 | 読書

Byrd, Misa a 3 voces. The Tallis Scholars

絶滅の人類史
なぜ「私たち」は生き延びた
のか

更科 功

NHK出版新書

を読み終えた。

最近、この手の本を読んでいる。

中身がダブっているのかと、思っ
たが、全く違った切り口で書かれ
た内容で、文章が面白くで、お薦
めしたい本である。

とにかく、こんな考え方ができる
のかと、驚いている。

その一端を紹介したいと思う。

 文字が発明されたおかげで、脳
の外に情報を出すことができるよ
うになり、脳の中に記憶しなけれ
ばならない量が減ったのだろうか。

数学のような論理が発展して、少
ないステップで答えに辿り着ける
ようになり、脳の中の思考が節約
できたのだろうか。それとも、昔
の人類がしていた別のタイプの思
考を、私たちは失ってしまい、そ
のぶん脳が小さくなったのだろう
か。

 ただ想像することしかできない
が、今の私たちが考えていないこ
とを、昔の人類は考えていたのか
もしれない。たまたまそれが、生
きることや子孫を増やすことに関
係なかったので、進化の過程で、
そういう思考は失われてしまった
のかもしれない。それが何なのか
はわからない。ネアンデルタール
人は何を考えていたのだろう。

その瞳に輝いていた知性は、きっ
と私たちとは違うタイプの知性だ
ったのだろう。もしかしたら、話
せば理解し合えたのかもしれない。

でも、ネアンデルタール人と話す
機会は、もう永遠に失われてしま
ったのである。

 

 

 もしもホモ・サピエンスが、あ
らゆる点でネアンデルタール人よ
りも劣っていたとしても、ホモ・
サピエンスの方がたくさん子供産
んでたくさん育てれば、ネアンデ
ルタール人は絶滅するしかないの
だ。

だから、ホモ・サピエンスの方が、
頭がよかろうと悪かろうと、もし
もホモ・サピエンスの人口が増え
なければ、今でもネアンデルター
ル人は生きていたのではないだろ
うか。

 暖炉がヒーターに変わり、洞窟
が住居に変わっても、あなたの隣
の家にはネアンデルタール人が住
んでいたかもしれないし。言葉は
少したどたどしいが、笑ってあい
さつをしてくれる優しい隣人だ。
計算などは苦手だけれど、ときど
きあなたには思いもつかない素晴
らしい能力を見せる隣人だ。その
ネアンデルタール人のお母さんが、
子供を抱いている。あなたはその
子の大きな頭を見て、お母さんに
話しかける。

 「6歳ぐらいですか?」

 すると、ネアンデルタール人の
お母さんが答える。

 「いえ、まだ2歳です」

 そこであなたは、思い出す。あ
あ、そうだった。ネアンデルター
ル人って私たちよりも脳が大きか
ったんだっけ。

以上。

私たちに、染み込んでいるホモ・
サピエンス像に揺さぶりをかけて
くる。

はっとさせられる。

私たちが考えたことのない考え方
が随所に出てきて、驚く。

こんなに知識・知性にゆとりがあ
る人に出会えて、読書する習慣が
あったことを幸運と思っている。

いい時代に生まれたかもしれない。

ぎりぎりのところだ。

先にあげた ような文章が、数多
出てくる。

なんとも優しく、「ウィットに富
んだ」文章がかけるのだろう。

いつか、このようなゆとりのある
文章がかけるようになりたいもの
だ。


最後の努力[上]

2018-04-07 22:19:02 | 読書

ローマ人物語

最後の努力[上]

35

塩野七生

清朝文庫

を読み終えた。

いつもの通り、物凄く時間が
かかった。

あまりにも内容が深くて、簡単
に読み通せない。


途中で、何度も休憩して、寄り道
をして、やっと読み終えた。

このタイトルの前に、

「終わり始まり」「迷走する帝国」

等のシリーズがあるので、その
内容もおおよそ検討がつくかと
思われる。


この本の最初の方に、次の文章が
書かれている。

「いかに悪い結果につながったと
される事例でも、それがはじめら
れた当時に遡れば、善き意志から
発していたのであった」

ユリウス・カエサルの言葉である。

紀元前100年頃に生まれたカエ
サルの言葉が紀元284年生まれ
のディオクレティアヌスの治世の
ことを述べているようで、考えさ
られてしまう。

国難を乗り越えようとして「打つ
手」が後にくる「中世」の準備で
あるかのように思えるのは、愕然
とした。

この本を読みながら、例えは正確
ではないが、

「地獄への道は、善意で舗装され
ている」という言葉を思いだす。

いかにして、ローマは滅んだのか
ということが、書かれているよう
で、いい本ではないかと思った。


B.C. 1177 古代グローバル文明の崩壊

2018-03-21 22:42:59 | 読書

 

B.C. 1177

古代グローバル文明の崩壊

エリック・H・クライン

安原和見=訳

筑摩書房

を読み終えた。

 この本は、

全世界史講義
出口治明
新潮社

の中の

BC1200年のカタストロフ

について、集中的に書かれた本である。

多くの学者がこの頃のことについて
研究している人がいることにびっくり
している。

著者は、いろいろな研究を紹介
している。

しかし、このカタストロフが起こっ
た原因について、答えを用意して
くれてない。

これだけの本が書かれて結論が出て
こないのは、がっかりしている。

とにかく、そう簡単に結論が出る
ようではないようだ。

しかし、この時代を詳しく知りたい
人には、こんなに充実した本はない
かもしれない。

書いてくれたことに、著者に感謝
する。

ところで、思うのだ。

素人ながら。遊びにつもりでも。

ポイントは、「古代グローバル文明」
という表題である。

規模は違えど、現代のグローバル化
社会と瓜二つである。(と思う?)

そこを念頭にして考察すると、

こうである。

例えば、

ヨーロッパ、アメリカ、中国等で、
気候変動で干ばつ飢饉が起こったと
する。

すると、世界の食料の供給が滞ると
する。

南アメリカのケープタウンで干ばつ

というニュースに驚いたのであるが、
あの干ばつが、ヨーロッパ、アメリカ、
中国等恒常化したと想定する。

このようなことで、BC1200年のカタス
トロフ
の干ばつ・飢饉を想定すると、
どのような甚大な被害がでるか、想定
できるのではなかろうか。

あのような干ばつが、ヨーロッパ、アメ
リカ、中国等恒常化したと想定する。

もちろん、これらの国の農業等の第一次
産業は崩壊する。

多くの農民が失業する。

食糧だって、グローバル化しているので
ある。

そして、世界中の食糧のインフレが起こる。

結局、世界中で食糧の争奪戦が起こる。

多くの第三次産業が崩壊していく。

連鎖して、製造機メーカーが解体していく。

とにかく、国民の食糧がないのだ。すべての
経済活動が遅滞し崩壊していく。

餓死者が蔓延し、国家の財政は崩壊し、国家
が機能しなくなって、国家が解体していく。

等、素人の浅知恵ながら、いろいろと連想
してみた。

グローバル化し経済的に運命共同体とも
言えるほどのものになると。

あまりいい話ではないが

南アメリカのケープタウンでの干ばつ
が、恒常的になると、結局、ケープタ
ウンを捨てることになる。

そのようなことが、

つまり、ケープタウンのような状況に
ヨーロッパ、アメリカ、中国等恒常化
したと想定する。

今日の社会は、完全に崩壊するのでは
なかろうか。

のようなあぶない妄想をすると、

BC1200年のカタストロフの有り様を
思い描くことができるのではないか。

もちろん、素人の無責任な遊びでは
あるのだが。

ところで、ネットに
天才ホーキング博士 遺した三つの
予言

というのがあった。

(3)他の惑星への人類大移動計画 

これは「人間が地球に住める期間はあと
100年程度」という博士の推測に基づき、
投資家から資金を集め、最終的には地球
の代わりとなる惑星を発見することを目
的としている。

博士は2600年には人口増加が完全に限界
を超え、気候変動によって地球の気温が
金星並み(250度)に上昇すると確信して
いた。そのため、手遅れになる前に人間は
他の惑星への移動を開始しなければならな
い—と、繰り返し呼びかけて来た。

以上。

もしかして、これって

現代版BC1200年のカタストロフ」では
ないか。

なんて、思ったりしたが、どうだろう。

もっとも、あと30年もしたりしたら、
私は、この世にいないのだが。


ありえない138億年史

2018-03-20 22:25:38 | 読書

ありえない138億年史

宇宙誕生と私たちを結ぶ
ビッグヒストリー

ウォルター・アルバレス

山田美明訳

光文社

 

を読み終えた。

本の帯びにはこうある。

「46億年もの連続と偶然。
ぼくはまた地球について
語りたくなりました。」

京都大学教授

鎌田浩毅氏推薦!

 

恐竜絶滅の謎(隕石衝突)を
解明した地球科学者による壮大
な科学エッセイ。
とある。

あまりにも面白くて、一気に読んで
しまった。

若い頃、地球上にどのようにして
「生命が生まれたか」ということで
夢中に本を読んでいたことがある。

私が唯物論に夢中になっていた頃の
ことだ。

40年以上前の20代の頃のことだ。

まさかこの歳になって、このような
本に出会えるなんて、なんて幸運な
ことだろう。

本を読み続けるこということは、
こういうことかと感涙する思い
である。

今までに記憶ない面白い文章表現
で、このような文章に出会えた
ことも幸運なことだと感じ入って
いる。

よくぞ書いてくれました。

著者に感謝である。

いい時代に生きていたようだ。

ギリギリだが。