東京でムンク展に行ってきた。 上野の国立西洋美術館である。朝、開館前に着くと、そこそこ人が待っていた。
私は、少し周辺を歩く。うまく配置されたイチョウなどの黄葉が広がっており、あたかも人工の樹林風景の極致のように感じた。絵を描いている人もたくさんいる。そんな環境なのだな。
実は、奈良で開催中のシャガール展に行ったのだが、そこで見たシャガールは、「色彩の魔術師」だの「愛の伝道師」といった世間の評価と違うものを感じた。とくに初期のロシア時代の作風は、陰惨で鬱屈した心の襞を連想させた。なんだかムンクみたいだな…と思ってたら、美術館の壁に「ムンク展」のポスターが。東京でムンク展をやっているのか、それなら行かなきゃ、というわけである。
ムンクは好きである。画集も幾冊か持っているし、これまでもムンク展には行っている。その狂気性に惹かれるのは、私の中にも鬱屈した何かがあるのだろうか。
が、今回のムンクは、なかなか明るかった(^o^)。同じモチーフを描いた中にも明るい色彩の作品があり、人妻に恋をした作品(写真)も、微笑ましく感じる。
それどころか、晩年の人魚姫とか、労働者を描いた作品群は写実的で、ムンクのイメージをかなり変える。なんだかシャガールみたいやん、と感じたのは私の思い入れだけだろうか。
で、出るとポスターが。上野の森美術館で「シャガール展」を開催中だって。
これは行かなくちゃなりませんねえ……と足を向けたが、さすがに時間が足りない。昼は約束がある。それによく見るとシャガールの作品の展覧会ではなく(作品の大半は、今は奈良にあるのだ)、シャガールの制作風景を撮影した写真家の展覧会のようである。今回は断念することにした。
ほかにも科学博物館のファーブル展とか大江戸展とか、そそる展示会がたくさんある。その点だけは、東京が羨ましい。
田中さんに観覧先を越されちゃった~
そのかわり、自分がムンクみたいになってますう
これまでは骸骨めいた目ばかりが印象に残っていたけど、素敵♪と感じてしまったよ。私の好みが変わったのか?
でも、突然
「貴女はムンクの絵のような方ですね♪」
とか誉められたら微妙かも。
ほかに私の好きなのは、「生命のダンス」とか「浜辺の若者たち」など。実は、大原美術館で見た小品「泣きじゃくる子供」が忘れられない…。
とかなると、ちょっと詩的でロマンチックかも。
はっ!
騙されちゃいけないかもしれない・・