森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

タヌキと共生する街…

2006-11-11 10:29:35 | 森林モノローグ

昨夜は、もう何度目かの「平成狸合戦ぽんぽこ」がテレビ放映された。

さすがに全編見るほど余裕はなかったが、やはり気になる作品の一つ。
このアニメを「ニュータウン開発批判」と捉えている人もいるようだが、私はそうは思わない。最後にナレーションで、タヌキたちの抵抗が、ニュータウンに「タヌキと共生する街」というきれいごとのキャッチフレーズを付けられて、それなりに元の地形や山林を残した街づくりが行われたと語られる。さらに主人公は、人に化けて生きていく。最後の宴会シーンは、ゴルフ場。町の中に残されたタヌキが棲める自然は、ゴルフ場だった。
まさにいやいやながらの共生が行われたのである。

結局、ペーソスを交えつつも人と野生動物の共生を描いていることに気づく。

 

昨夜、吉野から山間部を車で走り抜けて帰宅したが、その途中に幾度もタヌキに出くわした。ライトに浮かび上がる姿は、なかなか可愛い。今やタヌキは珍しい動物ではなくなった。
実は、私の住む街も「タヌキと共生する街」である。ニュータウンではないが、町内のアチコチにタヌキが出没する。餌をやっている家庭もあるようだ。駅前のネオンが映るところさえいるし、U字溝などをうまく渡り歩いている。

それがよいとは言わない。もちろん理想的とも思わない。しかし、人と自然(野生動物)が折り合って生きていくには、こうした形しかないのだろう。


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6 コメント

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共生 (海杉)
2006-11-11 17:35:34
「平成狸合戦ぽんぽこ」は、確かに共生を柱にしていますね。

元英国領のアフリカのゴルフ場は、ワニの足跡にボールが入ったら、フリーのリプレイスでした。

日本人にも動物たちとの境界に余裕とユーモアがほしいですね。
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生態学的・共生 (田中淳夫)
2006-11-11 23:36:29
「共生」という言葉からは、どちらも譲り合って、仲良く暮らす、的なイメージがあります。また使われています。

しかし、生物界生態学的にはかなり違いますね。どちらも最大限、自分の利益となるように丁々発止やり合って、落ち着くところに落ち着いた状態……といった感じでしょうか。

タヌキたちも頑張ったんだけどなあ……(笑)
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こちらは狸がほとんど壊滅かも (青木)
2006-11-14 12:19:50
 大分県の私の住む地域ではこの数年、狸の姿をめっきり見ることが少なくなりました。狸は犬の仲間で犬の病気に感染し、死亡していたようです。数年前、皮膚病になり弱っている狸をかなり見かけて以来、非常に少なくなった気がします。

 狸のかわりにアナグマを見ることはありますが。人間が狸の生活を脅かすのは何も、土地開発だけではないようですね。

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外来種? (Unknown)
2006-11-14 16:37:13
今、日本国内には狂犬病は無いということになってますし
狂犬病にかかったという話しを聞いたこともないのですが、日本以外では結構あるみたいなんですね

輸入ペットに付いたウイルスが「マツノザイセンチュウ」の様に検疫すり抜けて国内で広がったら…

タヌキ、キツネ、イタチ、etc…山仕事にもおちおち行けなくなりそう
でもその時のコストかぶるのは山元?
また輸入した奴らとかペット買ったり捨てたりする奴らはコスト払わないんだろーなー

狂犬病なんて入ってこないことを祈るしかないのね
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里山の動物 (田中淳夫)
2006-11-14 17:52:34
そうか、タヌキが減っている地域もあるんですね。たしかに病気も怖いし、里山の動物だから里山が荒れれば住みにくくなる。

一方、増えている動物にはアライグマのような外来種がありますね。ほかハクビシンも江戸時代に渡来したと言われているし、案外哺乳類でも多い。

病原菌なら、ペット以外に、落葉とか原木などで海を渡ってくるケースもあるだろうな。
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狂犬病ではないようです (青木)
2006-11-15 22:48:13
 犬の病気と聴いて狂犬病と勘違いしている方がいらっしゃるようですが・・・。病名は忘れましたが、症状は皮膚が抜け落ちてしまい、元気がなくなってしまう病気のようです。

 狸の姿が消える前には、早朝の道路にはやたらと車にひかれた狸を見かけた覚えがあります。
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