森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

黄金のおにぎり

2005-09-22 21:44:09 | 林業・林産業

黄金のおにぎり」が届いた。
本のタイトルである。小説仕立てのビジネス書だ。某経済学者から勧められて探していたが、見つからないのでアマゾンで注文した。それが送られてきたのだ。

内容は、脱サラで非常に美味しいおにぎり屋を始めたものの、全然売れない店が、工夫を重ねて売れるようになっていき、やがてブランドを確立するまでの話である。基本的にはマーケティングの話なのだが、小説になっていて読みやすい。また間に、ポイントがうまくまとめられている。

それにしても読み始めて、すぐに私がこれまで口にしてきたことがそのまま当てはまる! と自画自賛してしまった。

それは
製品と商品は違う。『良い製品』がプラスアルファを付けて売れるようになって『良い商品』になる」
ということだ。そして今の世の中、プラスアルファの方が価値がある。そのことにもっとも気づいていないのが農林関係者である。「よい品を作れば勝手に売れる」と思い込んでいる。

木材は情報商品である」とも言ってきた。
なぜなら、木材にしかない価値などわずかしかないからだ。素材としては金属やプラスチック、コンクリート、ガラス、布、紙……などの中のワンオブゼム。木材の代替品はたくさんある。

それでも木材がほしい、木材で作りたい、と思わせるためには、木材に付随した情報が必要なのだ。その情報をうまく伝えるためのブランドも必要である。木材をセルロース物質として売るのではなく、情報伝達物質として売らねばならない。
「黄金のおにぎり」は、それらを理路整然と説明してくれる。よーし、今度はこのように話せばいいんだな。