ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

O橋君の本チャンデビューは八ヶ岳の小同心クラック

2012年09月26日 | 岩登り/八ヶ岳

やっとO橋君の岩登り本チャンデビューの日がやって来ました。谷川方面や北岳バットレスなども考慮しましたが、届け出が必要だったり、ルートの崩壊からあまり日数が経っていなかったりで、八ヶ岳の小同心クラックになりました。小同心クラックは30年近く前に登攀したことのあるルート。知っているということは、大きな安心感を与えます。
アプローチを阿弥陀岳南稜にしようかとも考えましたが、所用が出来たり、天候も芳しくなかったりで、結局前日の夕方出発になってしまいました。

2012/9/23  三ツ峠の時と同じく、O橋君が僕を車でピックアップしてくれます。美濃戸に夜暗くなってから到着するのも不便なので、小淵沢インター北の「道の駅こぶちざわ」でテントを張ることにしました。

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▲三ツ峠の時と同じように、スーパーで夕食の総菜を購入。豪華なディナーです。20:47ころ。

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▲道の駅の駐車場に車を停め、テントを張り、テント前で二人でささやかな宴会を開きました。ここでは話せませんが、O橋君のあんなこと、こんなことなどを聞くことができましたよ。22:56ころ。

2012/9/24  朝4時に起床して、美濃戸へ向かいます。

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▲美濃戸の赤岳山荘の駐車場です。ほぼ日の出と同時にスタート。5:28ころ。

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▲林道が終わり、赤岳鉱泉への登山道を進みます。昔と比べると、このような木道が増えているようですね。6:22ころ。(写真撮影:O橋)

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▲赤岳鉱泉に着きました。よく泊まっていた頃と比べると、ずいぶん増築されているようです。バックの山が横岳。左に見える岩峰が大同心で、その右のピークのように見えている岩峰が小同心なのです。6:47ころ。

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▲赤岳鉱泉からすぐのところで大同心沢(大同心ルンゼ)を登山道が横切ります。通せんぼうのロープが張ってありますが、構わず入って行きます。最初は左岸に、しばらく行くと踏み跡が右岸に移り、大同心稜(大同心沢の右岸尾根です)に続いています。7:13ころ。

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▲大同心の基部に到着しました。8:02ころ。ここで大休止です。

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▲大同心の壁の北向こうには硫黄岳が見えています。8:07ころ。

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▲大同心基部のここで休みました。岩壁からは少し離れています。落石は嫌ですから。8:08ころ。

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▲大同心の基部から写真右上の小同心基部までトラバースします。幾条も踏み跡がありますが、良さそうな踏み跡を拾って歩きました。8:18ころ。

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▲トラバース途中から大同心ルンゼを見上げました。下山はこのルートの予定です。8:19ころ。

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▲トラバースが終了して、小同心の基部につきました。さっきまでいた大同心の基部が左下に見えます。8:31ころ。

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▲小同心クラックのルートは全部で4ピッチあります。つるべで行きますからどちらが先かはO橋君に選んでもらいました。最初は僕です。O橋君のビレイシステム。見回してもボルトやハーケンがないので、岩角を支点にするしかありません。9:02ころ。
9時過ぎましたが、まだここには日が射して来ません。すぐ後ろに陽が近づいて来ています。風も冷たくて寒いので、O橋君は雨具を着込みました。

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▲1ピッチ目をリードする僕。これから徐々に左へ斜上します。9:05ころ。(写真撮影:O橋)

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▲1ピッチ目終了点から下を見下ろします。9:14ころ。
小同心の岩場にはまだ日が射しません。岩が冷たいせいでしょうか、手の指は痺れるようです。息を吹きかけたり、脇に挟んだりしますが、結局、最後まで指は痺れた感覚のままでした。

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▲予想していたより短い距離にこんな立派なボルトが打ち込んでありました。本当はもう少し上に1ピッチ目の終了点があるに違いない、とは思っていましたが、こんなに立派なボルトが打ってあるとは思いませんでしたから、ついついここで切ってしまいました。9:14ころ。

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▲1ピッチ目の確保支点からの眺め。右から阿弥陀岳、中岳、赤岳。遠く権現岳や南アルプスも見えます。9:18ころ。

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▲小同心の岩の壁に張り付いて、赤岳を眺めます。こんな景色を眺められるのも、岩登りをしているから。9:18ころ。

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▲1ピッチ目をフォロウするO橋君。9:21ころ。

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▲2ピッチ目をO橋君がリードして行きました。姿はすぐに見えなくなります。9:29ころ。

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▲確保支点の岩場に紅葉した大文字草が生えていました。山はもう秋です。9:33ころ。

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▲2ピッチ目のフォロウを僕がしています。チムニーが現われました。股関節が痛くなるほど股開きがあるのかと心配していましたが、それほどではありませんでした。9:58ころ。

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▲O橋君の2ピッチ目はザイルの長さで40mほどになりました。3ピッチ目は僕のリード。登っている最中に大同心にかかっていたガスがはれ、陽光が当たっていました。10:13ころ。

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▲3ピッチ目は垂直の壁を抜け出したところで、ザイルを解いてもいいと思います。でも、安全のため、さらに20mほどザイルを付けたまま先へ進みました。
3ピッチ目終了点から近づいて来たO橋君にカメラを向けると、向こうも僕にカメラを向けていました。10:14ころ。

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▲4ピッチ目まではザイルは結びあったままで歩いて進みます。コンティニュアスです。10:22ころ。

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▲4ピッチ目をO橋君がリードします。途中、一箇所のワンムーヴだけが3級程度。念のためにザイルを出します。10:36ころ。

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▲4ピッチ目をフォロウしている僕です。終了点はちょうど横岳の山頂。10:44ころ。(写真撮影:O橋)

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▲山頂ではガスが多くかかって、周りの風景は見えませんでした。ちょっとガスが流れて、大同心、小同心が現われたのがこの写真です。11:21ころ。

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▲大同心ルンゼの下り初めです。11:38ころ。(写真撮影:O橋)

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▲こんなクライムダウンがあります。11:40ころ。

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▲2回目のクライムダウン。2級くらいの易しいクライムダウン。11:42ころ。(上の写真撮影:O橋)

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▲3回目のクライムダウン。11:50ころ。

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▲もうすぐ大同心の基部です。写真中央の岩壁と草付きの接点あたりへ向かいます。11:51ころ。

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▲大同心基部では30分ほどの大休止を取りました。ハーネス等の装備もここで解除。12:24ころ、大同心稜を下り始めました。

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▲赤岳鉱泉に着きました。12:59ころ。
ドリップのコーヒーを飲みました。

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▲振り返ると大同心、小同心のガスがはれていました。右の小同心の右のスカイラインあたりが今日登った小同心クラックです。真ん中のルンゼが下って来た大同心ルンゼ、左下の森になっている尾根が大同心稜です。13:36ころ。

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▲赤岳山荘の駐車場に戻って来ました。14:41ころ。
赤岳山荘で恒例の肉うどんを食べます。予定より早い下山でした。

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無事にO橋君岩登り本チャンデビューが終了しました。大きな自然の中でクライミングすることの爽快さを堪能してもらえたと思います。岩自体は易しいピッチばかりでしたけれど、緊張感はあります。そこのところを楽しめたでしょうか?

O橋君は仕事のためしばらく山に行けない日々が続きます。再びの日には今回以上の楽しい山行ができますように。