ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

石津窪をK野さんのリードで遡行しました。僕は自分のリード能力を上げないと、と痛感しています

2022年07月20日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

『東京起点 沢登りルート120』では石津窪は2級で中級の沢とされています。 K野さんは哲さんとは天覧山の岩トレで面識があり、彼なら大丈夫だと判断できたのですが、 T内さんのことは知りませんでしたから、僕に相談が来ました。 僕は古い人間で、石津窪は1級で初級の沢だとの認識しかありません。 全ての滝が高巻けて、危険な箇所もないと思っていたからです(大滝の高巻きだけはその後少しずつ崩れているようで、困難になって来ているようです)。 今回はすべての滝を登攀する予定でしたから、ザイルを張りさえすれば、T内さんも大丈夫なはずです。 で、「いいんじゃないの」と返事。哲さんもT内さんも沢登りを始めたばかりですが、いい刺激になると思います。沢登りにクライミング能力が必須であることを理解してもらえると思います。実力を伸ばしつつあるK野さんにとっても、短いとは言え、わりと登攀的な沢ですから、楽しんでもらえると思いました。

 

2022年7月10日(日) 石津窪~半兵エ沢下降

▲8:55。K野さんがシェアカーを手配してくれて、H島駅8時集合でした。僕にとっては楽な集合時間です。棡葉窪出合そばの駐車スペースからスタートです。

 

▲9:10。この日は天気予報が微妙でしたが、良い方向へ外れました。青空が広がっています。(撮影:K野)

 

▲9:43。新人の哲さんとT内さんに石津窪出合を探してもらいました。石津窪は千ガ(ちが)沢の支流なんですが、その千ガ沢出合の場所を僕が間違って教えてしまいました。石仁田(いしにた)沢出合を千ガ沢出合と間違えてしまいました。その後の、沢と交差する橋の状況が地形図と同じでしたから、確信してしまったんです。でも、本当の千ガ沢出合に到着した時、僕の記憶が蘇って来て、「ああ! ここが本当の千ガ沢出合だ」と気付きました。本当に地図読みがいい加減な僕ですね。(そもそも地図を見ていない)。それから新人の2人は正確に地図読みして石津窪出合を見つけてくれました。写真はその出合に降りて行くところです。

 

▲10:54。末広がりの滝10mと呼ばれている滝のようですね。ネーミングの意図がよく分かりません。2段の滝の上部だと思います。難しくはないのですが、緊張感のある登攀になります。3級程度とはいえ、気分的には4級近い感じですかね。ピンがなかった記憶もあるのですが、今回は中ほどでハーケンがありました。K野さんがリードしています。1本目のプロテクションは岩角で取ったみたいですが、外れてしまいました。残りのザイルをK野さんのザックに入れるシステムを試したようです。やり難かったようですけどね。

 

▲11:37。岩溝を流れ落ちる斜瀑8×10m 。この日の石津窪は全体的にぬめっていて滑り易かったですね。その影響をこの滝が一番受けていたようです。数メートル登ったところで、K野さんはカムをセットしました。ハーケン等が見つからなかったからです。僕が登った際に見ると、セットしたカムのほんの少し上にハーケンがありましたね。この滝も易しい3級ではあるのですが、プロテクションが1ヶ所でしか取れないので緊張します。

 

▲11:49。6mの垂壁 。石津窪では最難の壁です。壁というのも、水流から離れていて乾いているからです。この壁に来て驚いたことがあります。長い残置ロープ、明らかにこれを頼りに登れとばかりの残置です。以前はこんなの無かったのに(昔の写真で確認すると、2016年7月にはすでにありました)。僕たちはこれを使わないことにします。K野さんは僕に「リードします?」と聞きます。自分もリードしたい気持ちをK野さんに伝えてあったからです。でも、僕は遠慮しました。(結果的には遠慮して正解だったのですが)。K野さんは何の問題もなくす~っと登って行きました。続いてSRさん、ちょっと力任せな感じもありましたが、問題なく登りました。哲さんも、少し苦労しましたが完登。T内さんは苦労しましたね。でも、頑張りました。最後は僕です。「ムーブを確かめながら登るからね」と上に伝え、登り始めました。何度か試しながらゆっくり登るという意味です。ところが、核心部に来ると、なかなか難しいことに気付きます。何回もザイルにぶら下がりました。K野さんが登った際に「どれくらい?」と聞くと、「4級くらい」との返事でした。でも、4級どころではありません。4級+とか、それ以上にも感じます。昔は簡単にリードしていた滝を登れない現実! 登れない理由は2つあると思います。1つは、核心部のスタンスが欠けてグレードが上がってしまった。2つ目は、僕のクライミングが下手になった。K野さんが簡単に登っていますから、恐らく理由は2でしょうね。岩トレではリード練習もたっぷりしようと思いました。自分が下手だとの認識を持って、上手くなるよう努力しようと思いました。それが今回の石津窪での大きな収穫です。

 

▲12:05。30cmほどの長さのミミズ!

 

▲12:24。たまには(と言っても、ここだけだったかな)巻きます。

 

▲12:46。大滝25m 。この日はシャワークライミングになるものとばかり思っていました。でも、多いはずの水量が少ない! 残念というか、ホッとしたというか・・・・ 大滝を眺めながら沢中では初めての休憩をし、その迫力を満喫します。

 

▲12:49。K野さんはとっても慎重な登りでした。彼にしては時間をかけて登っていました。岩がぬめっていて滑りやすいというのもありますが、ゲレンデのように十分な数のプロテクションが取れないからです。25mという高さは日和田の男岩よりもずっと高いのです。3級+というグレードですが、その滑り易さと緊張感を加味すると4級はあると思います。写真は1本目のハーケンを見つけて、プロテクションをセットしているところだと思います。

 

▲12:51。K野さんの慎重なクライミングが続きます。

 

▲12:53。K野さんの頭上に水の流れが見えますが、その水流の右壁を登るルートもあるにはあります。僕もフォロウしたことはありますが、5級のルートです。ピンも1つくらいしかありません。ですから、この写真からは水流沿いに登ります。

 

▲12:59。K野さんが最上部を登攀中です。水量が多いと、このあたりは全身ずぶ濡れのシャワークライミングになります。

 

▲13:20。K野さんが上で確保して、哲さんがフォロウしています。K野さんが伸ばしてくれたザイルのお陰で、SRさん、哲さん、T内さん、僕と登って行きました。皆、25mもの大滝を登り切った充実感に感動している様子です。

 

▲13:47。大滝が終わると、小滝が少し現われるだけで、緊張感は緩みます。僕ものんびりと歩いています。(撮影:K野)

 

▲14:18。SRさんがT内さんのために補助ロープを出してくれています。この日、数ヶ所の小滝でSRさんはこの補助ロープを出しました。僕もお世話になりました。

 

▲14:24。源流部で、この写真のケルンが出て来ると、すぐ左上に見えている尾根に上がります。踏み跡もしっかりと付いていました。

 

▲14:28。この日は上がった尾根からすぐに反対側の沢へ降りることにしました。僕も初めてです。千ガ沢支流の半兵エ沢という名前のようですね。当然、哲さんもT内さんも沢の下降は初めてです。

 

▲14:48。半兵エ沢は小さな沢ですから、なかなか水は出て来ませんでした。でも、下流部ではやっと沢らしくなって来ましたね。こんな滝も出て来ましたが、左岸の斜面を歩き降りました。

 

▲14:54。半兵エ沢の最下部ですね。

 

▲14:57。半兵エ沢を下りきって、千ガ沢本流に出たところですね。

 

▲15:08。この前の週にも懸垂下降した15mのF1です。僕が先頭で下降しました。ルベルソ5を使っての正式な懸垂下降です。

 

▲15:25。懸垂下降するT内さん。彼女は懸垂下降は初めての体験でした。上でK野さんに教わって、下では念のために僕がザイルを持っています。でも、身体の倒し方もちょうど良く、上手な懸垂下降でした。

 

▲15:50。千ガ沢を下って、石津窪出合に戻って来ました。ここで記念撮影。左からK野さん、T内さん、SRさん、哲さん。

 

▲15:51。哲さんが、僕に代わって撮ってくれました。

 

▲16:17。一日、天気も持ちました。朝歩いた林道を再び車まで歩きます。心地よい充実感に満たされたひと時ですね。

 

僕は前の週に引き続きまたしても沢中で転倒してしまいました。前の週ほどではなかったですが、右足の太股をぶつけてしまいました。数日間はちょっと痛かったですね。若いころだって転倒することはありましたけれど、齢を取ると見事な転び方をしますね。反射神経が衰えているからだと思います。これまで以上に慎重に歩きたいと思いました。

 

シェアカーをH島で返却したので、H島の僕の馴染みの居酒屋さんで反省会。またしても遅すぎる時間まで飲んでしまいました。反省! 誉め上手な哲さんの言葉に喜ぶだけではなくて、その言葉に恥ずかしくないレベルを維持するために一層の努力を続けなければと思いました。現状は岩も下手になって来ていて、体力も弱くなっていますから、両方とも初心に立ち返って努力しなければと感じています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ここはウルシゲ谷沢? 千ガ... | トップ | 赤岳天狗尾根を登る予定でし... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

沢登り/多摩川秋川盆堀川水系」カテゴリの最新記事