ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

ここはウルシゲ谷沢? 千ガ沢下降は期待以上の楽しさ

2022年07月11日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

前の週の小同心クラックの疲労がまだ残っている僕は、都合のいい計画を立てました。 短い沢3本を登下降する計画です。 途中どこでも中断できるからです。 その僕の疲労に関しては、急斜面での登りで脹脛にすぐに乳酸が蓄積されるような状態でしたね。 小同心クラックは数年ぶりのテント山行でしたし、15kgのザックもそれくらいぶりですから。

それで、どこを計画したかというと、南秋川小坂志川の支流ウルシゲ谷沢左俣~市道山~秋川盆堀川の支流千ガ(ちが)沢下降~棡葉窪でした。最後の棡葉窪は二俣まで遡行して、仕事道から下山するつもりです。それぞれが本当に短い沢ですし、1本目でも2本目でも気楽に終了できます。市道山の標高が795.1mですから、沢の小ささも想像できると思います。

 

2022年7月2日(土) ウルシゲ谷沢~市道山~千ガ沢下降

▲9:06。左のS上さんとは沢に行くことが決まっていました。そこへ今年大いに発展途上のN村さん(右)とベテランのK田さんも参加することに。楽しそうな面々です。武蔵五日市駅からタクシーで小坂志林道に少しだけ入ってもらいました。

 

▲9:11。小坂志林道をしばらく進むと、左に分かれる林道があります。ウルシゲ谷沢沿いの林道です。何となく林道の様子が以前とは違います。写真のように木材で縁取りしてあったり、セメントで舗装していたり。とは言え、おぼろげに林道終点まで行ってから入渓する、そんな記憶がありましたから、どんどん進みました。

 

▲9:58。林道が沢筋から離れて行ってしまうので、そこにあった沢へ入渓することにしました。水は流れていませんし、みすぼらしい姿の沢です。もう少し進むと、沢も開け、伏流していた水も出て来るはず、そんな希望的観測を抱きながらの入渓です。

 

▲10:01。水の流れも出て来て、1mもない小滝もありましたが、相変わらず貧相な沢です。ボサも多く、快適ではありません。この頃には、「間違えたな」と思い始めていました。ただ、どのように間違えたのかは分かっていません。「ウルシゲ谷沢とは別の沢に入ったのかも」とも考えたりしていました。ただ、ここから戻って、改めて正しいウルシゲ谷沢左俣を探すのも面倒なので、とりあえず稜線までは出ようと考えていました。

 

▲10:22。稜線に出る前に林道が出て来ました。この頃の僕は写真の左に見えている尾根の向こう側が、ひょっとしたらウルシゲ谷沢かもと思ったりしていて、この林道が尾根を巻いて向こう側に行ってるようでしたから、林道をこちらに進むことにしたんです。いい加減な僕は地形図も見ずにそんな判断をしていました。標高の低い、狭い山域ですから、稜線に出れば位置は分かるし問題もないと考えていたからです。

 

▲10:37。N村さんが途中スマホで現在位置を確認してくれました。林道から離れ、尾根を登って行きました。写真がその途中です。ここを登ると744m標高点に着くことが分かったんです。

 

▲白い印の場所でN村さんが現在位置の確認をしてくれました。赤いが744m標高点です。その結果、僕たちの辿って来たコースが漠然と想像できるようになりました。帰宅後にまとめたのがこの地図です。ウルシゲ谷沢には入ったものの、林道に惑わされて、赤い印で南向きの支沢へ入ってしまったようです。林道がその支沢沿いに延びていたからです。本当は赤い印からは北東方向へ進み、市道山へ突き上げるはずだったんです。

 

▲10:58。744m標高点からは南の陣馬山から繋がっている登山道を歩きます。

 

▲11:50。市道山に到着しました。

 

▲12:16。市道山山頂での休憩後、北東方向へ降りて行きました。N村さんは沢の下降は初めてとのこと。

 

▲12:28。どんどん下っていきます。

 

▲12:37。沢地形まで降りて来ています。まだ水は流れていないのかな?

 

▲12:49。です。足を浸けるとひんやりして気持ちいいですね。

 

▲13:27。沢らしくなって来ました。

 

▲13:34。2mの小滝に頭を突っ込むN村さん。

 

▲13:36。写真では分かりにくいですが、F2で4段25mの滝です。上から見下ろしています。狭い岩の隙間を落下しています。この日のザイル45mでは長さが足りません。途中に太い木も生えていませんし、懸垂下降用にピンが打ってあるはずもありません。懸垂できると楽しそうですが、無理だと判断しました。

 

▲13:38。この滝には左岸に立派な巻き道が付いています。その道を使うことにしました。

 

▲13:42。巻き終わって沢床へ降りて来ました。せっかくなので、F2を見に行くことにします。

 

▲13:45。これが4段25mのF2です。どれが4つの滝かはよく分かりませんが、下の2段しか見えなかったと思います。岩にはイワタバコがたくさん生えていましたけれど、花はまだのようでした。

 

▲14:09。滑り台。

 

▲14:22。続いてF1です。高さは15m。左の太い木にザイルを回して懸垂下降します。僕が最初に降りました。懸垂の途中で、パチリ。

 

▲14:24。F1の全景です。右端が登れそうです。何年か前、沢歩きでS子とここまで来たことがあります。その時はザイルを出して、右の木の生えた斜面を高巻きました。

 

▲14:33。最後にN村さんが降りて来ました。

 

▲14:50。千ガ沢は小さな沢ですけれど、水量も少しは増えて来ました。この後くらいだったか、僕が転倒してしまいました。左足が何かに引っ掛かって、身体の右側から倒れ込んだんです。回転して、仰向けになりましたが、そのまま回転し続けて俯せに体を戻しました。体の右側の何ヶ所かを強く打ち付けて、痛みます。声にまでは出しませんでしたが、唸るような感じで痛みに耐えていました。尖った岩にぶつけたので痛かったんだと思います。しばらく座っていましたが、痛いだけでどこも負傷はしていないようでした。右手の掌がいつまでも痛みますが、打撲の痛みだけのようです。

 

▲15:14。他のメンバーも心配してくれて、「林道に上がろう」と言ってくれます。だいぶ前から右岸に林道が並行しているのです。林道に上がれそうな斜面があったので上がることにしました。S上さんがザイルを首に掛けて、持ってくれていますね。そうそう、ザイルは最初からずっとN村さんが持ってくれていたんです。感謝。

 

▲16:55。着替えを持っている人は着替えを済ませ、沢戸橋バス停に向かっています。3本目に予定していた棡葉窪はビールの誘惑にかき消されてしまったようです。

 

この後、沢戸橋バス停では10分待ちでバスが来ました。いつもの『音羽鮨』へ行き、反省会との名前の打ち上げ。山の話、山岳会の話で盛り上がりました。

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