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「慶應四年日録/徳元」を読む 26

散歩道のルドベキア
沢山咲いた株をそのまま束ねたらしく
花が押しくらをしている

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  六日  晴れ、西風
日光御門主様、当駅御昼休、府中御泊り。これは、今般の
御条に付、府中御滞留の御勅使様、昨日御着き相成る候、
有栖川宮様へ、関東謝罪御用申さる事に候。尾州様、
貞慎院様、釧姫様御泊り。粮米五拾俵、石川様
御請書の分。武次五十俵、柏尾廿五俵、土蔵へ預かり置く。

  七日  晴れ
甲州筋、物騒の趣にて、官軍の内、井之上様御同勢、
当駅御昼にて、壱番隊宍原
(ししはら)泊り。なおまた、今晩御同勢様、
参謀方海江田武次様、当駅御泊りに相成り。

  八日  晴
御泊りの分、宍原御泊りに成る。弥
(いよいよ)官軍方、追々御逗(留)
相成り、来る十五日、江戸打ち入りの風聞、専らこれ有り候。実に稀
(まれ)
なる時勢にて聳耳
(しょうじ)御事のみにて、恐怖の至りに候。井戸
※ 聳耳(しょうじ)➜ 耳をそびやかすこと。
金平様御知行にて、御差し出しの粮米五拾俵、拙
(せつ)物置に預り置く。
(つづく)
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