のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

知らぬ間に旅に出てました。

2014年06月20日 14時54分48秒 | 日常生活
通勤途中、定期を落としました。絶望。

電車を降りた瞬間、「あ!お手洗いの鏡のところに定期を置いたまま!」と気付いたけれど、
気付いて振り返ったときには、電車のドアはしまっていたのです。
無情にも走り出す電車。

大慌てで駅員さんに「今!走り去った!あの電車の中に!」と訴えましたが、
ローカル線故に終着駅まで到着しないかぎり、車掌さんは運転席を離れられず、
場所が分かっていても、そこまで見に行けないんですよ・・・と、申し訳なさそうに説明されたのでした。

終着駅到着後、改めて連絡をいただきましたが、その連絡内容は
「見てみましたが、ないですねぇ・・・。」というツレナイものでした。
「お手洗いなんです!お手洗いの手を洗うところに置いたんです!」
と、なおも食い下がる私に
「んじゃ、もう一回見てきましょうかねぇ。」
と優しく付き合ってくれましたが、やはり見つからず。

私には今年のボーナスなんてものはないんだわ・・・と軽く打ちのめされたのでした。

しかも定期だけならまだしも、定期ケースには会社のIDカードも入れており。
セキュリティ事故に該当するため、朝から報告書を書いたり、書いた報告書を全幹部社員に送ってもらったり、
関係各所に連絡して、今後の対応を確認したり、と大忙し。
ゆっくり落ち込んでる暇なんて、全然ナイヨー。(と言い聞かせてました。)


にも関わらず、折りに触れ、ちらりとよぎる落とした定期。の金額。
そのうえ、会社IDカードの再発行手数料も自己負担と聞き、思わずさめざめと泣きまねをしてみせたのでした。


ところが!
すべて終わってようやく一息着いた頃、駅から一本の電話が入り、
「定期が見つかったよー。」と告げられたのです。奇跡!

世の中が光りを取り戻す瞬間というものをとくと味わったですよー。
私のボーナスが!めでたく戻って来たですよー!
と、思わず周囲の方々の業務を止め、満面の笑顔で喜びの共有を強要しました。(迷惑。)

とはいえ、定期は駅で見つかったわけではなく、中津警察署に届けられているんだとか。
本人確認できるものを持って取りに行く必要があるわけです。
しかも、警察の受付は平日の9時から5時半のみ。
定期も会社IDカードもどちらも早急に必要なわけで・・・。
急遽、お休みをいただいて、ぶらり中津ひとり旅に出ました。

「中津駅を出たら、まずはまっすぐ歩いてください。」と警察署の方に言われていたものの、
中津駅前ののどかな様子と久しく見たことのない昔懐かしいパチンコやの姿、
あと、見渡す限り目印がなさそうな風景に恐れをなした私は、
通り掛かりのおじ様に中津警察署の場所を尋ねます。
迷子にならない秘訣は迷子になる前に道を尋ねることなのです。

案の定、親切丁寧なおじ様からは
「こっちじゃないよ。こっちは反対方向。」
と指摘され、(やっぱりね!嫌な予感はしてたのです。本能に従ってよかった!)
「いいよ、いいよ。一緒に行っちゃる!」
と頼もしい提案を受けました。
旅は、ぶらりひとり旅からぶらりふたり旅へ。

思いがけず、地元の人と触れ合い、最近の中津の様子を伺い(官兵衛効果で盛り上がってるんだとか。)
無事に定期と会社IDカードを取り戻し、会社へのお土産を購入して旅は終了!
のどかなよい一日だったなー。



と、思っていたのに。
何気なく乗った(わけじゃないんだけど。ちゃんと確認して乗ったのです。確認して乗ったのに!)
電車は大分行きで、愛しの小倉はどんどん遠ざかって行くわけです。
旅がちっとも終わらない・・・。

しかしながら、幸いなことに、歳を重ねて今や立派に「オトナ」となった私は、
反対方向の電車に乗ったことにもすぐ気付き、次の駅でスマートに降車。
ふふん。伊達に歳だけ重ねてるわけじゃないのです。

さて、小倉行きの電車は・・・と見渡した駅は
改札もない。
売店もない。
電光掲示板なんてあるわけもない。
なんなら、駅員さんの姿も見えない。
そんな駅で、ひとつ前の駅に戻る電車が来るのが1時間半後。


思いがけず、本格的にぶらり中津ひとり旅を楽しむことになりました。
のどかな休日です。