のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ブラスト!

2005年10月01日 23時51分40秒 | 舞台(キャラメルボックス)
最近、舞台鑑賞が多いため
カテゴリを変更してみました。
でも、中心はキャラメルボックスだという
主張は残してみました。

普段、大雑把なくせに
こういうどうでもいいところにこだわります。

というわけで「ブラスト!」

「音楽」という言葉の由来を体感。
まさに会場が一体となって音を楽しんだ二時間。
音だけでなく舞台構成でもパフォーマンスでも
魅せてくれる彼らに観客は感嘆の連続。
何より、彼らの舞台に対する真摯な態度
私たちを楽しませようとする心意気
そして自分たちの技術に対するプライドが
伝わってくる舞台だった。

「プロ」について考えさせられる。

「音楽」のプロは、いや、どんな職業であろうと
「プロ」である以上、自分の仕事に対して
プライドを持つ必要がある。
自分の仕事を好きだと胸を張って言えること。
自分の仕事を楽しむことができる姿勢。

そういったものを兼ね備えてこそのプロなのだ。

彼らはそういったプロ意識を持って
私たち観客を魅了する。
そして、彼らの「楽しもう。楽しんでもらおう」
という心意気が伝わってくるから
私たちも難しい理屈など抜きにして
安心して音楽を楽しむことができる。

自然とリズムに乗って体が揺れる。
いつのまにか笑顔になる。
そんな瞬間を味わえた至福のひと時。

運命じゃない人

2005年10月01日 23時13分16秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 2005年のカンヌ国際映画祭で批評家週間に正式出品され
 評判を呼んだ異色のサスペンス・ラブ・コメディ。
 人のいい主人公の青年が、思いがけない事件に巻き込まれた
 一晩の物語を、主人公とそれを取り巻く複数の人物の視点を
 絡め、巧みな構成で描き出していく。
 典型的なお人好しの冴えないサラリーマン宮田武は、
 結婚を前提にマンションを購入した矢先、肝心の恋人あゆみに
 突然去られてしまう。ある晩彼は、親友で私立探偵の神田に
 呼び出され・・・。

■感想 ☆☆☆☆☆☆
 人はみな自分の人生の主役。
 つまり世の中には人の数だけドラマがあり
 それぞれのドラマは絡み合っているものの
 同じドラマはひとつもない。

 そんな当たり前のことを改めて思い出させてくれる作品。

 けれども、そんな堅苦しいことを考えるまもなく
 ただひたすら笑いっぱなし、驚かされっぱなし。
 見終わった後にもう一度見たくなる。
 誰かれ構わずお勧めしたくなるそんな作品。
 実際、見終わって速攻、友人にメールしました。

「詳細は伝えられません。
 でも伏線はられまくりのストーリーに
 やられました。ぜひ見て!」

 そうなんです。勧め方が難しい。
 前情報なしに、目を皿のようにして見てほしい。
 意味がないものは何もない。
 それぐらい後から全てがすっきりと
 あるべきところにおさまります。

上映後、内田けんじ監督と板谷由夏さんが
舞台挨拶をしてくださいました。
と言っても、シネテリエですから
まさに至近距離!
マイクなしで観客と会話できちゃいます。
のりぞうも直接、お話できちゃいました。

映画だけでなく、スピーチも面白く
ユーモアには知性が必要なんだな
としみじみと実感しました。
賢い殿方が考えて話すと
知的に面白くて魅力的です。

板谷さんはさばさばとした素敵な女性でした。
知らなかったのですが、福岡出身で
学生時代、シネテリエにも通われてたとか。
親近感が増しました。

何から何まで大満足。
こういう映画に出逢えると
心から幸せな気分になります。

八月のクリスマス

2005年10月01日 14時36分35秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 小さな写真館を経営している主人公は難病で
 余命わずかの独身青年。本人も家族も、
 残された日々を明るく過ごそうとする。
 そんなある日、近くの小学校の臨時教員が
 急ぎの現像を頼みにやって来た。それから
 毎日のように訪れる彼女と他愛のない
 おしゃべりを楽しむ主人公。ふたりは
 次第に心引かれていくが・・・。
 同名の韓国映画のリメイク。

■感想 ☆☆☆☆
 言葉に出さない想い。
 言葉に出せない想い。
 人は言葉にすることで自分の想いを再確認する。

 この映画の主人公もヒロインも
 自分の想いを口にすることはない。
 抱きしめたりキスしたりといった
 恋人同士の愛情確認のしぐさもない。
 ふたりはただ同じときを過ごし、見つめあい
 楽しそうにお互いの話を聞く。

 それでもふとした瞬間に
 お互いへの想いが動作ににじみでる。

 それは雨降りの午後に
 ひとつの傘でそっと寄り添い合う瞬間。
 暗い夜道で腕に手を添える瞬間。

 言葉に出さないからこそ
 言葉に出さないにも関わらず
 あふれ出てしまう気持ちの温もりが
 言葉よりも明確に私たちに伝わってくる。

 自分の死期が近いことを知り
 「もう誰も愛することはない」
 と覚悟を決めていた主人公が
 再び人を愛し、ずっと生きていたい
 彼女とともに過ごしたいと綴った手紙は
 彼が亡くなった後に彼女に届けられる。

 抑えて抑えて抑えて
 ようやく発露された言葉が痛くて
 エンドロールが終わっても
 涙が止まらなかった。