猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

自分だけは大丈夫!?

2006年01月19日 22時24分39秒 | ぶ~すか言ってやる!
ここのところ、何かを勘違いしてきた男たちのドタバタ劇が続く。
小嶋社長の証人喚問しかり。
ホリエモンの問題しかり。

特に、ホリエモンの問題については、私など「いつかこうなるだろう」と思っていたから、新鮮な驚きなどまったくないけれども、本人たちの認識の甘さには「そこまで甘いか?」と驚いた。
いや。
私は何も「風説の流布」だとか、株価がどうだとか、私のようなアホにはまったくわからないような小難しい問題のことを言っているのではない。
出る杭は打たれる、というのは常識として、その先。
いや、手前?
単純な問題を言っているのだ。

メディアによって作られた虚像はメディアによって潰される。
実体のない金を動かすものは、早々に尻尾を出す。
そんな簡単な問題。
なのに…プロ野球参入をぶちあげてからのあのホリエモン騒ぎ。
それまでは、ほとんどのお父さんお母さんが知らなかったライブドアという会社を、ここまで成長させたのは半分がメディアの力によるものなのに、尻馬に乗って騒ぎたてる人間の多さ。
社会とか、ドロドロした(しかしある意味単純明快な)大人の世界を知らない学生子供はともかく、いい年をした人間が,
若いから、Tシャツだから、「応援したい」というのはなんだったのか。
みんなあの、年齢にしては野卑た膨れ方をしたホリエモンの顔と、一貫性のないパフォーマンスを見れば、はじめから怪しいと気付かなければならなかった。
気付かないほうがおかしい、と私は思う。

だいたい、本当に金を持つ者は派手な動きはせず、それこそ老いた力でも若い力でも大切にし、根回しは努々おこたらないもの。
一夜干しのレンガをいかに積み上げようが、土台が脆ければなんの意味もないのだ。
私は。
他人に敬意を払わないものは、自らも他人から敬意は払ってもらえない。
そう信じているから、ホリエモンのような人間はやはり浅はかだと思う。
選挙に出たからセンセイがたの力添えが得られるとか、自分だけは他者から引きずり下ろされないとか、なぜ皆同じ幻想を抱くのかわからない。
そこにたとえ密約があったにしても、である。

例えば…Aさんの場合。
Aさんはとある重要な地位にあって、三日前までは彼の前に、名刺一枚もらわんがための企業主たちの行列が出来ていた。
しかしAさんは突然亡くなり、彼の取り巻きは即、誰の取り巻きになればいいのか、相談しあい、あんなに慕っているふりをしていたAさんの死など忘れる。
笑い、酒を飲み、自らはどう行動すればいいのか互いに探り合う。
Aさんと密接な関係にあったセンセイだって、一通りの弔意を示したあとは、次なるAさんを探すのに忙しい。
いや、センセイにとってはAさんが、多数の中の一人に過ぎなかったかもしれない。
それが世の中だ。
そこには金がもちろんがっちり絡み合うから当然金の力は必要だが、そこまでの道筋を作った先人たちへの敬意、根回し、人脈なしには、やはり先には進めない。
もともとさした理由もなく、簡単に自分を「応援」してくれていた外野など、元来浮薄なものなのだから、すぐに他に心を移し、何かあれば「やっぱり」と手のひらを返すことを知っていなきゃいけない。
また、規模の大小はあれ、この世には小さなホリエモンがたくさんいることを、世の中の人も知らねばならないと思う。

世の中の流れは複雑怪奇に絡み合う、などとよくいうが、本当はある意味単純明快でわかりやすい図式で出来ているもの。
たとえそれが世の中の裏の部分のことであっても、だ。

この世の中に、金で買えないものは確かにほとんどない。
しかし、今回の出来事は金で買えない人の心が引き金となって起きた。
利害で結ばれた関係とは、利が利を呼んでいるうちは安泰だが、害が目に見えれば、利を失いたくない者が必ず裏切る。
そして.....
利を大きく得て来た者こそ、我が身に降りかかる小さな火の粉すら嫌がり、肝心の時には助けてくれないものだ。

「カリスマ性」なんて、都合よくその人間を祭り上げ、担ぎ出すがための言葉遊びに過ぎない。
その気になって調子に乗れば、着々と足固めをして来た者と浮気な民衆に、まんまと足元を掬われるのだ。

自分だけは大丈夫なんてありえない。
「大丈夫」に近づけるには、緻密な計算と、誰より低い腰と、老獪な知恵、潤沢な資金、信念が必要だ。

ま、社会人失格の私がこんなこと言うのもなんなんだけど、長年女をやってきていて、色んな世界のエライおじさんたち、小さなホリエモンたちを見てきてそう思ったよー、って話。
私、インチキ臭い匂いには敏感なんだよね。
コメント (6)
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