猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

かなまら祭り。

2015年04月05日 22時49分05秒 | ルーツ

 

川崎、金山神社の、春のお祭りには。

 


「かなまら様をバカにするとバチがあたるよ」

そう、地元の人々に噂されていた、小さな神社のお祭りが、
こんなに有名になるなどと、
あの頃誰が想像しただろう?

インターネットの普及に伴い、
個人のBlogや動画共有サイトでそれがとりあげられ始めると、
その、おおらかでプリミティブなお祭りは、
世界の人々の知るところとなって。

各国、色とりどりの髪や目の色をした人々が、
毎年、生命の源を求めてくる。

それはおどけや悪ふざけではなく、
日本人にとっては、ごくごく自然な信仰でも、
特に西洋の、『外国人』にとっては、
奇異に見え、面白いのだろう。

 

世界中から観光客がやってくる。

...彼らのお目当ては、祭りの主役である、男根型の神輿や飴。



我々にかなまら様の存在を思い出させてくれた、
『ペンシルバニアから来た人』が、
どれだけ日本人の習俗を理解しているかはわからないけれど、
「日本人はヘンタイだよー」と、言っていたから、
やはりこの国土で、この習俗で、育った者たちにしかわからない、
自然や生命への崇敬の念というものがあるのだろう。

この祭りに行くのを、とても楽しみにしていたその人に、私は尋ねる。

「あなたの国でこんな祭りをしたら、大変なことになるでしょ?」

そして、
「でもそれは、日本人にとってとても自然なこと。
だって命の根源だし、大切なことだから」
「日本人はみんな昔からヘンタイなのよ」と。

宗教や習俗や、それにまつわる土着のルールは、
その土地の、自然条件の中で暮らす上で必要だからこそ、
生まれるものだというが。

かつて(今も?)多くのタブーに縛られていた、西洋から来た人々には、
おそらくタブーだからこそ、それが面白いのに違いない。

私たちのそれは、ただの自然であるのに対し。

...この日本で、「貞節」だの、「純潔」だの言い始めたのは、
明治以降の話だということだ。



その名は通称『かなまら様』。それは、命を寿ぐ、生と性のお祭り。

鉱山や鍛冶の神様でもある。


文明の、文明たる所以が何なのかは知らないが。

元々、日本人は無邪気で、美や、生命や、ものの理を、
とてもよく理解していた民族だという。

今も、男根信奉、女陰信奉は日本中の各地に存在し、
それはタブーではなく、生命への賛歌である。

私たちはそれを、誇るべきなのだろう。