猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

たまにはお仕事裏話

2005年09月29日 23時37分30秒 | 日記
今日はオーディションの帰りに妹と食事をして帰ってきた。
しかし、せっかくカメラを持ち歩いていると言うのに、目の前に並べられた美味しそうなパスタに我を忘れ、写真も撮らず、気がついたときには、妹が知人から頂いたという大量の獲れたてとうもろこし、枝豆のおすそわけを抱えて電車に乗っていた私。
なので、たまには仕事の裏話(?)。オーディションについて取り上げてみようかと思う。

ええ...まず。
私達が仕事を所属事務所からふられる際、少なくとも写真選考、オーディションがその前に入る。例えば、A社のCMの仕事であれば、事務所から出された宣材写真から、オーディションに呼ぶ人間を先方が選考し、次のステップに進めた者のみ、事務所からの連絡を受けて、指定の場所へ出かける、という次第。
モデルは大抵、毎日決まった時間までに事務所に電話を入れ、先のスケジュールを確認したりするのだが、よほど売れている人間、もしくは力を入れられてる人間でなければ仕事、もしくはオーディションに事務所から誰かがついてくるということはない。事実私も、どこへ行くにも一人であったし、たったひとつ例外はあっても、遥か昔、○HKのドラマにちょこっと出た際のリハーサルに、事務所のお偉いさんが来ていたのみであった。

さて。
我々は、事務所からの電話で、行く先の名前、住所、電話番号、最寄の駅を聞いて、仕事なりオーディションに出かけるわけだが、その時に欠かせないのが都内の地図。最近でこそファックス、携帯ナビ、PCの普及で便利になったが、少し前までは、まったく知らない場所に行くためには、自分で地図を見て目的地にたどり着くしか手段はない。事実、私が今使っている都内の地図も三代目で、以前のものはすでにボロボロ。さらに十数年の月日の合間には、いくつもの地下鉄路線が増えたため、路線図がまったく役に立たなくなった、ということもある。
とにかく、そうやって右往左往して目的地に着いたら、自分の所属と名前を告げてオーディション会場を教えてもらい、担当者に再び所属と名前を告げ、二枚ほどの紙を貰うのである。
1枚には細いサインペンで名前・所属事務所・年齢・身長・スリーサイズ・足のサイズ・頭のサイズ・出演歴・趣味・特技を書く。
もう1枚には太いサインペンで所属・名前を大きく書く。
すべて記入が終わったら、半身(胸から上)と全身のポラロイド写真を撮ってもらい、細いペンで記入した方の紙に張る。そして、自分の順番がくるのを待つのである。
そして、名前を呼ばれて自分の番が来たら、いよいよオーディション。
代理店やら、キャスティング会社の人やら、誰が誰だかよくわからない人たち(笑)の待つ会場へ入る。その際、細いペンで記入したほうの紙と、ブックと呼ばれる、各自が持っている、自分の出演作品や宣材写真を収めた黒いケース(バッグの用に持ち手が付いていて、薄い。持ち手の辺以外の三辺がファスナーになっていて、開くとファイル状)を渡し、指定された場所に立ち、太いペンで書いた紙を自分で胸の辺りに持って、スチール(広告写真)の仕事のオーディションであれば写真を、ムービー(CM等)のオーディションであれば動画を撮ってもらう。その際、動画であればカメラに向かって、名前、所属事務所、自己PRを。セリフのある仕事であれば、セリフを言わされたりもする。また、いくつかされる質問に答える間も、カメラが回されている場合もある。
写真、もしくは動画を撮られたら、次は座って質問に答える番だが、大抵は、今までどんな仕事をしてきましたか。キャリアは何年ですか?この仕事はこうこうこういう内容ですが、大丈夫ですか?等の問い。あちらはブックをめくりながら、例えば犬が絡むなら、「犬は好き?」子供が絡むなら「子供は得意?」奥様役なら「料理は出来る?」などと聞く。一概には言えないが、時には質問だけでは済まず、人によっては嫌な思いをしたこともあるようで、実際我々は商品だから、「肌が荒れている」「白目が汚い」等、肉体的欠点を指摘されようが、怒るわけにはいかないのだが、相当傷つく場合もあるらしい。しかし言われたほうは次にそれを指摘されないよう、改善策をとるか、凹んで辞めるかのどっちかしかなく、そして、私の知る限りは大抵のモデルがクソがつくほど(お下品で失礼!)負けず嫌いだから(どんなに表面上おとなしげでも)、そんなことぐらいでは辞めていかないのである。
さて。一通りの質問が終わると、「お疲れ様でした」「ありがとうございました」の一言と共にオーディション終了の合図。それは長くともわずか5分から10分ほどのチャンスである。そのために我々は1時間かけて赴くこともあるが、そこから仕事を得るのは至難の業というのが現実で、だからこそ、都内に何万人といるモデルはほとんどが挫折してゆく。特に最近は仕事が減って、それだけで生計をたててゆけるのはほんの一握りの人間のみ。実際私もそれだけで生計をたてるなど、今は夢のまた夢。若い頃はなんだかんだでたくさん仕事をさせてもらった時期もあったが、現在など、ほんの主婦の趣味程度で、またそれぐらいが今の生活には合っているように思う。ゴンザと暮らし、精神的に丸くなりすぎた私には、「自分が一番!」などと、もう絶対思えないからである(っつーか、若い頃は思ってたんかいっ!?)。

ちなみに、オーディションで紙に記入する年齢はその時によって変わる(笑)
しかし私はそれがすご~く嫌なので(実年齢で勝負せんかいっ!?)、事務所から「今回は○○歳って設定だから」と厳密に指定されない限りは実年齢を書く。
中には仲間うちでも年齢詐称している人もいるが、そんなのは本人が知らないだけですでに実年齢がバレている場合も多いし(笑)

さて。長々と書いてしまったが、オーディション話が皆様に楽しんで頂けたかどうか。
機会があったら、また、差し支えのない程度にしてみようかな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする