猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

早起きは三文の得

2005年09月25日 13時52分46秒 | お出かけ
今日も今日とて行って参りました、渋谷・東急東横店「なにわうまいもん市」。
昨日は出遅れて(というより、あんなに行列ができているとは思わなかった)、買い損ねた「蓬莱」の肉まんと、その美味しさに感激して、もう一度食べておかねば絶対後悔すると確信した「大寅」の魚練天をゲットすべく、生まれて初めて開店前のデパートに並んだという次第。

まずは早起きして準備万端整え、電車に乗り、開店30分前には催事場のある西館エレベーター前で待機。
が、さすが人気の催し物。我々の後ろもすぐに人で一杯になる。
そして.....首を長くして待つこと30分。
いよいよ開店のときを迎え、我々は綿密に練った作戦のもと、態勢を整える。

まずは、4台あるエレベーターのうち、どれが1番早く来るのか、また1番早く8階に到着するのかわからないので、二手に別れることにする。ここまで早くに乗り込んできて、その辺の不首尾で結局行列に並ぶようでは意味がないから、失敗は許されない。
我々は互いに顔を見合わせ親指を立て、
「後でまた会おう!」
と再会を誓い、それぞれエレベーターに乗り込んだ。
すると、いつもなら各階に停まるエレベーターも、今日は各人が目的を同じくしているのか、ノンストップ。気持ち良いくらいにグングン昇ってゆく。
しかし、周囲はオバサマ方で一杯。目的の8階に着けば、そのすべてがなだれを打ってフロアに散ってゆくのだと思えば、油断は禁物だ。
何しろ、オバサマの動きというのは予測不能であり、人を遮って立ち止まる、周囲をまったく見ない、など、急いでいる人間にとっては、そこまでがたとえ順調であっても、すべてを覆してしまうような危険に満ちたもの。
私は、エレベーターが8階に到着し、扉が開くと同時に、怒涛のごとく動き出したオバサマ方とはまったく逆の方向へと駆け出した。

「ふっ♪」
何しろ私は昨日もここへ来ている.....
ということは地の利があるということで、無駄な動きをしなくて済む.....
案の定、オバサマ方は目の前にずらっと並ぶ各店に気をとられているようだし...

「蓬莱」前に私が到着したとき、私の前には2人のオジサンが並ぶのみだった。
私は小さくガッツポーズをすると(心の中でね)、自宅用、両家の家族用、お使い物用と、ゆったり豚まんを注文した。

「終わった.....」
大量の豚まんを手に、後を振り返れば、そこにはもう「40分待ち」の札。
そう。我々がその全知力、精力をかけて立てた作戦は見事成功。ゴンザの情熱と努力が功を奏したのだ。

あ.....でも、
そういえばゴンザは???

私は周囲を見回し、どこにもゴンザの姿が見当たらないことに初めて気づき、急に焦りを覚えた。.........まさか、迷子?
が、しばらくするとキョロキョロしながらもゴンザがやってきて、私が手にした豚まんを見ると、ホッとした表情を浮かべている。そして私が
「ずいぶん遅かったね」
と声をかけると、うって変わって困ったような表情を浮かべ
「だって.....エレベーターは各階に停まるし、ドアが開いてるのに降りないオバサンはいるしでさぁ」と、一生懸命状況を説明する。
どうやら、いつもは勇猛果敢なゴンザ隊員も、歴戦の勇士であるオバサマ方には勝てなかったようである(笑)
大量の豚まんを抱えた我々は、その後、着々と目的を達成し、豚まん1個を熱々のまま食し、戦場をあとにした。

......と、帰りの切符を買い求めていると、すぐ横で流暢なフランス語を操り、困っている外国人を助けているホームレスのおじさんがいる。

思わず
「かっけぇ~」(格好いい!の意)
とつぶやくゴンザと私。
そして、「早起きは三文の得だね~」などと言いながら、まだまだ自分自身の知らないところで、自分の心が偏見に満たされていたことを反省する。
豚まんはもとより、得るものの多い日曜の朝。

迫り来る台風の中、電車に乗り込んだ我々は、熱々の豚まんと熱々の練天を抱え、一路、猫達の待つ自宅を目指したのであった。