趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『パラダイス・ロスト』 柳広司

2012年04月23日 | 
『ジョーカー・ゲーム』『ダブル・ジョーカー』に続く、
柳広司さんの新作‘D機関’シリーズ第3弾読みました!!

新聞でこの本の広告を目にした時、思わず「うれしい!」とつぶやいてました。
ファンにはお馴染みの、‘魔王’の表紙は一段とクールです。


3篇の短編と中篇が前・後編の1篇からなります。
主人公ではないのだけれど、その存在感は影のように広がり、
闇のように濃く、異能のスパイたちを率いる“魔王”結城中佐は健在です。
その絶妙な立ち位置こそが、このシリーズを面白くしているのかもしれません。

物語の舞台は各国へと移り、そしてその事は‘D機関’の存在が、
次の段階に入ったことを象徴しているように思えます。

今回、特に‘異能’という事が印象に強く残りました。
程度の差があれ、人にはそれぞれ得意としている能力がありますよね。
他人よりも上手にできたり、早くできたり、ほめられたりと、
そうして人と比べる事でその能力に気付いていきます。

ここに登場する異能者たちは、一体いつ自分の異能振りを知ったのだろう?
どの段階で知るかによって、人生随分違っていきそう・・・。

自分のその能力を読み違えていく人間の破滅も描かれていて、
とても面白く読みました。
シリーズ続いて欲しいですが、できれば映像では観たくないかな。。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿