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趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『こころと人生』 河合隼雄

2015年02月10日 | 河合隼雄
河合隼雄さんのこの本、1999年刊行当時購入したのです。
ずっと手元に置いて寝る前のひと時、ぺらぺらめくって眠りについたりしていました。



何年かして別の本へと取って代わり、ここ数年は本棚におさまっていたのです。

先日、久しぶりに手に取って読んでみるうちに、
止まらなくなって結局最後まで読んでしまいました。

覚えている部分はほんのわずかで、改めて心に沁みる言葉の数々・・・。

この本、子ども時代、青年期、中年期、老年期という、
人生のそれぞれの時期のこころの問題を、臨床家としての目で細やかにとらえた講演集です。

15年前に読んだ頃と、明らかに人生の時期が違うのです。
老年期には特別な思いは抱かなかった記憶があります。
あまり身近に感じられなかったのですね~

それが、今読んでみるとそれまで気付かないでやり過ごしてきたことが明確になって、
何だか怖いくらいです。
ああ、そういうことだったのか・・・と。

そして、迎え来る最終ラウンドに向けて、どんな心持が必要なのか、
本当に分かりやすく具体的に教えてくれるのです。

普段、めったに本を読まない夫くんですが、
これは読んだ方が今後のためになるよ、と、薦めてしまいました。

寝る前のひと時、一緒に本を開いている今日この頃です。

おすすめしま~す。。

『老いのみち』 河合隼雄

2014年11月21日 | 河合隼雄
図書館の書棚で別の本を探していたのですが、目についた河合隼雄さんの本を借りてきました。

この本は知りませんでしたが、23年前に出版されている本です。
ああ、こんな本もあったんだと、ちょっとうれしくなって借りてきたのです。



  積極的な老い先を送るための110のヒント。
  読売新聞文化欄連載の好評コラム集。(出版社紹介文より)

この本、見開き一話で、とっても読みやすいのです。
人生50年といわれて、老後の生き方など考えもしなかった時代の変化をいち早くとらえて、
警鐘を鳴らしています。

23年も前から発信されていた事に、びっくりしました。

当時は子育て真っ最中で、‘老後’という言葉に目をやる余裕も無かったのでしょう。
河合隼雄さんの本は読んでいましたが、もっぱら子育ての本が中心でした。

誰もが歳をとっていき、死を迎えるのです。
でも、若い頃にはそんな当たり前なことに心を砕いたりしなかったなぁ・・・。
そういうものに目が向くようになったというのも、
まさに自分自身の老いを考える年頃に近付いて来たからに他なりません。

なんだかちょっと気持ちが下がってしまう感じですが、
この本は、楽しく読めます。
さっすが~河合さん!!

『こころの処方箋』 河合隼雄

2012年11月09日 | 河合隼雄
息子のもとに旅に出ていた本が帰ってきました。
気持ちがいがいがした時や、くたびれたと感じた時に手に取るといいのです。

私が持っているのは単行本なので、
画像が違うのですが文庫版しか見つけられませんでした。



何度も読んだので、見出しを見るだけで何が書いてあるか分かっているのに、
その言葉や文章に慰められたくなります。
多分、云って貰いたいのですよね、きっと。
でも、この本、決して云って貰いたい事が書いてあるわけではないのです。

どちらかというと、耳に痛いことが多いかも。
そして、ああ、そういうことだったのかと目から鱗がぽろぽろと・・・。
耳に痛いことであっても、次第に心がホンワカしてくるから不思議です。

久しぶりに読んだのですが、分かっていたつもりのいかに多い事か・・・。
読み進みながら、こんなことも書いてあったのかと愕然としました。
ああ、半分も判っていなかったのだなぁ。

河合隼雄さんの本は好きなものが多いですが、中でもマイベストに入る一冊です。
20年以上前に書かれた本ですが、色褪せずに現役です。

55章から成り、人間の関係性のあらゆる角度から処方してくれます。
その時によって欲しい処方箋がきっと見つかると思います。
おすすめしま~す。。

『縦糸横糸』 河合 隼雄

2010年10月22日 | 河合隼雄
気持ちがざわざわ落ち着かない時、河合隼雄さんの本を手に取ります。
ささくれたり、どうにも心が定まらない時に
河合さんの言葉は、胸にすーっと沁み込んで来るのです。
厳しく、とても難しい事柄を
それは優しい語り口で、ひも解いてくれます。



この本は、所用で電車で出掛けた時に
駅の本屋さんで見つけて移動中読んでいた物です。
ベッドサイドにいつも置いていたバイブル本は、今は息子の手元にお出かけ中。
なので思い出して、開いてみたのです。

この本は、少年犯罪や和歌山カレー事件、オウム真理教、新潟少女監禁事件などなど
に加えて、自殺者の増加、引きこもりなどという
2000年前後あたりに起きた事件や事柄などについて
河合さんが新聞や雑誌などで書かれた短いコラムを集めたものです。

どの事件も随分昔の出来事のように感じられてしまうのが、
ちょっと怖いです。
どの事件も大きな衝撃であったのに・・・。
でも、そこで語られている河合さんの言葉は、色褪せない。
そのことに気付いて、元気をもらいました。

大切なことは、とてもシンプルなのだ。
そのことを忘れないで、もう一度考えてみようっと。。



子ども力がいっぱい 河合隼雄が聞く「あなたが子どもだったころ」

2009年07月13日 | 河合隼雄
元文化庁長官で心理学者の河合隼雄さんは、
脳梗塞に倒れられ、2007年7月16日にお亡くなりになりました。
翌年、河合さんゆかりの本が何冊か出版されたうちの一冊です。

児童文学をテーマにした光村図書の季刊誌『飛ぶ教室』での
「あなたがこどもだったころ」と題した対談をまとめた本ですが
河合さんの著書の中には、『あなたがこどもだったころ』と
題した本がが何冊か既にあります。

河合さんの本は一年の中で
未読既読限らず必ず読みたくなる時があって面白いです。
す~っと吸い寄せられる様にそのコーナーを眺めてしまうのです。
今回、未読の、また新しい本を手に取ることができ
とてもうれしく思いました。

今回の対談相手は全部で7人。
山本容子=人の考えないことを考えてみせる力
鶴見俊輔=創造性を身につける力
筒井康隆=人を驚かせる力
佐渡裕=強い思いを蓄え成長する力
毛利衛=環境をうまく受け入れる力
安藤忠雄=遊びからイマジネーションを生み出す力
三林京子=体当たりの挑戦を積み重ねる力

そうそうたるメンバーで、
またそれぞれの‘こどもだったころ’がステキです。
不良だったり、お転婆だったり、末っ子の甘ったれだったり、
ホントにエピソードに事欠かない感じです。

でも、皆さん、河合さんと楽しくおしゃべりしていくうちに
ふと思い出したりして、ご本人も驚いていたり。
こんなことあったな~という気持ち、
こんな風に思っていたんだよ、という感じ。
実にテレながら、また瞳を輝かせている様子が
写真に上手くとらえられています。

でも、何といっても
対談後の感想をまとめられた河合さんの文が
とてもとてもいいです。
読みながら、あぁ、私は河合さんの文章がとても好きなのだと気づきました。

どの対談でも、現代のこどもを取り巻く状況を憂いていた河合さん。
どうにかしなくちゃいけないんだけれど、と。
そうして心配を胸に逝ってしまわれた・・・。
もうその駄洒落も、楽しい文章も、フルートの演奏も
あの笑顔にも、逢えない事がとてもとても寂しいです。。

「心理療法個人授業」河合 隼雄 & 南 伸坊

2009年02月06日 | 河合隼雄
大好きな河合隼雄さん、
その河合さんに
楽しい風貌のイラストレーター南伸坊さんが
心理学なるものを教えてもらいに行くという設定で
お二人が交互に登場される本です。

実はこの本、何度読んだかわかりません。
ベッドサイドに置いて
いつも読みたいときにぱらぱら読んで
すぐ寝てしまいます。

南伸坊さんもとても面白い方で
心の中のお話を
難しいことは嫌だといいながら
河合さんの優しい語り口のお陰で
心理学なるものの世界を楽しまれていくのです。

楽しく軽妙な文章のお陰で
こちこち硬くなった心が
ほぐれていくようで、ほっとします。

それにしても
久しぶりに河合さんの著作を検索したのですが
その多さに改めてびっくりでした。
結構読んでるほうだと思っていましたが
知らない本がたくさんありました。

河合さんの本は買っているので
明日は久しぶりに本屋さんに行こうっと!


「心の扉を開く」河合隼雄

2008年07月07日 | 河合隼雄
このところ偶然図書館で借りてきた
この河合先生の本に
どっぷり浸っておりました。

全体が4つの構成になっており
1つずつそれぞれの角度から
心の深いところへと導いてくれます。
それぞれの章の扉に
それぞれのテーマにそった
河合先生お勧めの本の紹介があります。

その中には大好きな村上春樹や
吉本ばなな、漱石からドストエフスキーにいたるまで
さまざまな著者が並んでいて
とても興味深いです。

「ねじまき鳥クロニクル」は
そう読むのか~となんだか
胸の中のつかえがが取れた感じです。

河合先生、ありがとう!!

「読む力聴く力」

2008年06月19日 | 河合隼雄
「読む力聴く力」は
河合隼雄・立花隆・谷川俊太郎3者による
‘聴く’‘読む’に関する
それぞれの講演と3者による
対談という構成になっている本です。

偶然図書館の書棚から見つけ
3人の名前の豪華さに
すかさず手に取ってしまいました。

とても読みやすくて
あっという間に終わってしまいました。
今印象に残っているところを
読み返してみています。

一時期立花隆の本にはまっていましたが
立花さんの本は厚い本が多くて
最近ご無沙汰していました。

三者三様、それぞれの生き方が
浮かび上がるような対談で
でもその底に流れているものの何かが
共通しているように感じられて
楽しく読めました。

あっ!!
3人に共通していることを見つけました!
それは、
3人とも笑っていないお顔が
とても‘怖い’ということです!!

「大人の友情」河合隼雄

2008年05月01日 | 河合隼雄
美術館の帰りに立ち寄った書店で
この「大人の友情」文庫版が並んでいたので
思わず買ってしまいました。
文庫本なんて久しぶり!
手軽で持ちやすくて
居眠りしても
顔が重くないし
やっぱり文庫本はいいなぁ~

でも最近の文庫版は
あまりお安くないですね~
お得感が少ない気がします。
学生時代お金なかったので
安い文庫本、
話題の本が文庫版で出版されるのを
心待ちにして読んだものです。

さて、‘友情’のお話。
夫婦は、恋愛から友情に替われると
とてもいい関係になる模様。
‘友情’を長続きさせるには
‘やさしさ’が必要なのです。
相手に対してやさしい気持ちを持てば
たとえどんな関係であっても
いい関係が生まれますよね。

この‘やさしさ’がないと
夫婦だって恋人だって
親子だって友人だって
きっと
寂しい思いをするに違いないのです。。

「なるほどの対話」河合隼雄・吉本ばなな

2008年03月10日 | 河合隼雄
「なるほどの対話」は
河合隼雄・吉本ばなな両氏の対談本です。

10年以上前、吉本ばななさんの本にはまり
初期の頃の作品は続けて読んだ記憶があります。
熱に浮かされるように、
という感じで読みました。
最近の作品は、まったくご無沙汰していました。

この対談本は、以前にも読んだのですが
すつかり忘れてしまったので
また借りてきました。

最近どうも読んだ本を読み直すことが
多くなった気がします。
本当は、この本の前に最近話題の海堂尊の本を
借りてきたのです。
「螺旋迷宮」ですが、どうも私との相性が
善くない感じで読み通すことが
できませんでした。

さて話を元に戻すと
対話の中で、河合先生の話が面白くて
思わず大笑いしてしまいました。
本の中で
‘Noと言うのがいつもいつも正しいわけではない、
白黒はっきりできないあいまいさも正しいのではないか’
とおっしゃっています。
もしもそれが日本式ならば
それはそれでいいのではないかと
常に外国の事情に合わせなくてもいいのだということを
教えてくれています。

意外と現実的なばななさん、30代の本も読んでみようかな。。

「泣き虫ハァちゃん」河合隼雄

2008年02月15日 | 河合隼雄
河合隼雄さんのご遺作となりました。
ご自身の子ども時代を雑誌に連載中に倒れられ
未完のまま出版されました。

「泣き虫ハァちゃん」とは
ご自身のことだそうです。
読んでみると昭和初期の子どもたちの様子が
生き生き描かれていて
思わず父や母の子ども時代に
思いを馳せました。

優しいご両親、ご兄弟のもと
本当に健やかにお育ちになったことが
うかがえます。
そのことが
河合先生の
人間をみつめる暖かさの源なのだと感じられました。

私自身は、仕事をやめて
子育てに専念したことを
善かったな、と思っていますし
子育てに後悔はないですが
この本を読んで
一つ後悔したことがあります。
河合先生のお母様のように
‘優しい言葉’を子どもたちに
もっとかけてやればよかったと思いました。
‘優しい言葉’は何より
子どもの心に残ります。
今からでも遅くはないかな。

岡田知子さんのイラストも
とてもとてもステキです。。


「心の深みへ」河合隼雄・柳田邦男

2008年02月05日 | 河合隼雄
偶然図書館で見つけて
借りてきた本です。

とてもとても、とても
良かったです
この本も買い!です。

読み進めながら
ホントに
河合先生が大好きなのだと思いました。
まだ読んでない本もたくさんあるので
これからまた少しずつ読みたいと思っています。

だんだん読むスピードが
落ちてきたこともあるのですが
気に入った本を手元に揃えたいな、
という欲求が生まれてきました。

この本もそうですが
自分を支えてくれるものが
たくさんあるのです。
思わずペンを執り
手帳に書き留めてしまいました。

大切なものは目に見えない。
黒か白かと
はっきりしない
あいまいで
とらえどころのない
人の心に
届くもの。。



「村上春樹、河合隼雄に会いにいく 」

2008年01月25日 | 河合隼雄
この本も出版を楽しみにして
当時読んだ本です。
河合隼雄さんも大好きで
大好きな二人の対談本なんて
うれしくてうれしくて
目じりが下がりっぱなしでした。

すっかり忘れていたのですが
ひょんなきっかけで
また読み返してみました。

とてもとても、とてもいいですね~
ホントにいとおしい本です。
初めて読んだときには
判らなかったことや
見えていなかったことが
満載で
なんだか、初めて読んだような気分です。

それにしても、
ご自身のことをとても素直に語る春樹様
「走ることをについて語るときに僕の語ること」
と違った色合いを見せてくれています。

好きな人の好きな本は
やはり何度読んでも面白いのですね。

河合隼雄さんが亡くなられてしまって
「会いに行く2」が
かなわないことが、
とても寂しいです。。


「おはなし おはなし」河合隼雄

2007年08月28日 | 河合隼雄
河合隼雄さんをはじめて知ったのは
朝日新聞の連載記事を読んでのことです。

十年以上前に朝日の日曜版に一年間、連載されていました。
当時、その記事を読むのが毎週楽しみで
欠かさず読みました。

ちょうど子育て真っ最中の私に
多くの安らぎを教えてくれました。

その後、図書館で多くの著作を次々と読みました。
‘心理学’というものに
急速に魅せられた時期でもあります。

私は家族というものに
長い間とらわれています。
本当に長い間、自分自身の心のうちというものが
わからずにいました。

いまでもはっきりつかめているわけではありませんが
河合隼雄さんの本を読むうちに
わかってきたことがたくさんあります。

亡くなられて、大変残念な気持ちでいっぱいです。
でも、天国で楽しそうにフルートでも吹いているのでは
と思い浮かべられて、やっぱり癒されてしまいます。

また明日からもがんばろうっと