趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

映画「マイレージ、マイライフ」

2010年05月31日 | 映画
遅れての、2週間限定の上映です。
アカデミー賞にもいくつかノミネートされていたので
公開を楽しみにしていました。
アカデミー賞を受賞した『ハートロッカー』の方が
先に上映が決まったのです。
でも、こちらの映画を観ようと決めていました。



主演はジョージ・クルーニー。
リストラ宣告人として、年間322日出張するライアン・ビンガムを演じています。
モットーは、“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”
言葉通り、飛行機から飛行機へとそつなく移動していく姿は、
颯爽として無駄なく、とてもカッコイイです。
人生の目標だって、マイレージ1000万マイル貯める事。

そつなく無駄ない姿は、余裕があって
勝ち組の雰囲気イッパイです。
行列を尻目に会員優先デスクでチェックインなんて
優越感に満ちてるし。
嫌味にならないのは、ジョージ・クルーニーがぴったりだからかな。

そんな彼のエンジョイ充実ライフに
関わってくる二人の女性、



彼と同じく出張で全国を飛び回っているアレックス・ゴーラン(ヴェラ・ファミーガ)と



新入社員のナタリー・キーナー(アナ・ケンドリック)です。
この2人との関係が深まることで
クールガイの順風満帆な人生に異変が生じてきます。

人と人とが近付いていけば行くほど
思いがけない感情が生まれ、それはただ楽しいだけでは済まなくなります。
重荷として敬遠してきたものに
足元をすくわれるとき・・・。

本当はラストのこの場面からが、物語が始まるのです。
ここからを描いて欲しかったと、心から思いました。。

『バスジャック』 三崎亜記

2010年05月28日 | 
三崎亜記さんは、男性だったのですね~
以前、小説すばる新人賞を受賞された『となり町戦争』読んだ時
お名前からか、あるいは、その何ともいえない透明感漂う作風に
女性をイメージしてしまったのかもしれないです。

その後、何度か直木賞の候補になられたりして
その活躍ぶりは何となく知っていましたが
どういうわけかご無沙汰していました。
今回図書館の書棚で見つけて、借りてきたのです。

全7編の短編集です。
中にはほんの数ページの超短いモノもあります。

三崎さんの描く世界は、独特の雰囲気がありますね~
読みながら、昔読んだ筒井康隆の世界を思い出しました。
筒井作品ほど、ブラックでも毒でもないのですが
異世界や不条理の世界と
なんでもない日常をさりげなくつないでいく、名手だと思いました。
あ、そういう部分では、小川洋子さんにも通じているかも。

気持ちの表し方や情景の描写が繊細な感じで
別な物語も読んでみたいと思いました。。

映画『RAILWAYS』

2010年05月27日 | 映画
『RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語~』

先日、この映画の試写会招待に応募して、当たったので
仕事を早めに切り上げて、観てきました~
応募のはがきを書いている時、当たるのは49歳前後あたりの年齢かなぁ   
なんて思っていましたが、
会場に入ると、まさにそれらしき年代の
ごま塩頭ばかり^^;
笑ってしまいましたが、その中のひとり!!

映画は、監督の錦織良成さんのオリジナル脚本で、
阿部秀司さん率いる「ロボット」が制作した映画です。

物語は49歳で大手家電メーカーに務める筒井肇が主人公です。
典型的な仕事人間で、取締役昇進を控えたエリート 。
順風満帆な生活に見えるが、家族との会話は弾まない。
そんな時、故郷で一人暮らす母親が倒れたとの知らせが入る。
追い打ちをかけるように、入社同期の親友の事故死の知らせが。

久しぶりに帰省した故郷・島根で、主人公は、
仕事に追われ家族を気遣うことなくがむしゃらに走り続けてきた自分自身と
初めて向き合うこととなるのです。
日々を顧み、懐かしい品々を目にするうち、
彼は子供の頃の夢のことを思い出すのだ。

主人公の「筒井肇」役が中井貴一さん、
妻役が高島礼子さん、娘役が本仮屋ユイカさん、
主人公の母親役が奈良岡朋子さん。

年齢的に人生の折り返し地点なのかな。
ただがむしゃらに突っ走ってきて、ふと立ち止まる時
そこに何が見えるのか。
人生のおおよその見当がついてしまうからなのか、
まだやれる、と思える最後の時なのか
よくは分かりません。



主人公の肇役の中井貴一さん、笑顔が沁みます。
でも、願わくばもう少し夢を叶えるための苦労の様子が見たかったかな。
そうやって手に入れて欲しいという、願望かも。

肇の同僚の新人運転士「宮田大吾」役の三浦貴大さん、
三浦友和・山口百恵夫妻の次男坊だそうです。
この映画がデビュー作とのことでした。
なんだか親戚の子どもの成長を見守る気分で
ハラハラしながら観ている自分が可笑しかったです。。

初戦撃破!!

2010年05月26日 | テニス


テニスの4大大会の一つ、全仏オープンがパリ・ローランギャロスで開催中です。
女子シングルス1回戦で最年長選手のクルム伊達公子(39才)選手が
25日、過去2年連続準優勝で第9シードのディナラ・サフィナ(24才ロシア)に
逆転勝ち!!!!

右足ケガで思うように練習ができなかった様子が
ご自身のブログに綴られています。
先日テニス雑誌の小さな記事を読んだばかりでした。
その雑誌はバックナンバーでしたので
最新の情報ではありませんでしたが、
クルム伊達選手のトレーニングのすごさを
リポートしていました。

現役復帰に向けてと、また戦っていくための今と。
日々の身体作りのトレーニングの様子が
写真入りで紹介されていました。

その内容のハードさに、絶句です!!
引退した杉山愛ちゃんもハードなトレーニングを積んでいましたが
世界で戦っていくための、努力を惜しまない姿勢に
ただただ拍手です

今回の試合も、第一セット途中から
右足の痛みに苦しんでいた様子です。
3-6、6-4、7-5というスコアが
この試合の激戦ぶりを表しています。

地元フランスのメディアは
「ほぼ2倍の年齢差をひっくり返した」(スポーツ紙レキップ)と
クルム伊達のプレーを絶賛したそうです。

本当にうれしい!!
アグレッシブルに挑む姿が、とてもステキです。
勝負が決まると、真っ先に観客席の夫ミハエル・クルムに駆け寄ったと
記事にありました。
良かった~

クルム伊達公子さん、おめでとう!!

『悪党』 薬丸 岳

2010年05月25日 | 
図書館の書棚を眺めていて、手にした本です。
このお名前と、題名に覚えがあったのです。
薬丸岳さんの作品は初めてです。
新聞か何かの書評を読んで、興味を持ったこと思い出しました。

主人公は、犯罪被害者家族で元警官の佐伯修一。
不祥事を起こし、警官職を失い現在は探偵事務所で働いている。
仕事の依頼の多くは、犯罪加害者の‘今’を調べること。
その一つ一つの案件の連作短編集となっています。



題名の通り、悪党がたくさん出てきます。
事件の多くは、胸がふさがれるような少年犯罪。
少年法に厚く守られ、加害者は数年ののち社会に出てくるのです。

主人公の修一も、かつて姉を悲惨な事件で亡くしているのです。
志高く警察官になっても、彼の心の中の闇が暴れて
結局退職に追い込まれてしまう。
姉を殺された事実が、彼の心を蝕んでいく・・・。

被害者家族のやるせない思い。
悲しみの癒えなさ、救いのなさに言葉を失います。
どうしてこんなひどいことができるのか、
犯罪者の描写に胸が悪くなります。

それでも、
同じような被害者家族と関わったり
加害者を調べていくことを繰り返すうち
修一もまた自分の心と決着をつける決意をします。
その流れがいいと思いました。

とても、胸に迫る作品でした。
エピローグが、いいです。
きっと幸せに。。

映画「ボックス!」

2010年05月24日 | 映画
「ボックス!」観てきちゃいました!!

公開に合わせてテレビに出演していた主演の市原隼人くんを
偶然観てしまったのです。
それまであまり彼に興味を持っていなかったのです。
理由は、ただ単に彼の作品に縁がなかったので。

ですから、映画化を聞いたとき
観に行こうとはあまり考えていなかったのです。

ところが・・・。
テレビで見かけた市原くんは、とてもステキでした。
男気にあふれていて、好感を持ったのです。
それで、昨日雨でテニスが流れたので
急遽映画を観ることにしたのです。



とても良かったです!!
映画の方は、市原くんのカブちゃんが主人公。
幼馴染のユウちゃんに高良健吾くん。
まるちゃんに谷村美月ちゃん。
ボクシング部監督に筧利夫さん!!
この筧利夫さんが、いい感じでした~



あと、個人的にカブちゃんの母親役の宝生舞さんの
肝っ玉母ちゃんぶりがはまっていました~
大阪っていいな~なんて思ってしまいました。

映画は、あの長い原作を、雰囲気を壊さず
上手くまとめていると思いました。
そしてそれを支えているのが、主演した市原くんのボクシング。
カブちゃんの天才ぶりが
余す所無く発揮されていて脱帽です!!



終盤のライバル稲村との試合、この後姿のボクサーですが
彼の身体の動きがこれまたすごくて
俳優さんなの??と思ったら
現役のボクサー諏訪雅士さんでした!さすが~

原作を読んで、面白いと思った人にはオススメです。
一途で、バカで、一生懸命で、ひたむきな若さ。
このはじける勢いというものは
青春だけのもの。
でも、
相手を思うという気持ちに、老若男女は関係ないかも。。

ドラマ「Mother 」

2010年05月21日 | テレビ
このドラマ、スタートからとても暗かったのです。
観るかどうしようかと迷いました。
でも、大好きな女優・田中裕子さんが出るというので
観続けることにしたのです。

このドラマのキーワードは、‘母性’だそうです。
心を閉ざして独りで生きてきた女性、鈴原奈緒役松雪泰子さんが主人公です。
そんな彼女の心の扉を開かせたのは
無邪気な小学一年生の女児、道木怜南役芦田愛菜ちゃん。
この女児の凄まじい虐待の事実を知ることで
奈緒の堅く閉ざされていた心が揺らぎ始める・・・。

怜南役の芦田愛菜ちゃんが、とてもスゴイのです。
実年齢は5歳だそうですが、とても見えない!
演技をしてるのかどうかも定かではないですが
表情の変化や台詞の言い回しなど
観ているものを引き込んでいきます。
とてもかわいらしい笑顔なのですが。

母性、か~
そういえば、出演者は女性が多いです。
そして、色々な意味での‘母’も。
実母、養母、妊婦、母になろうと懸命な人も。

子どもの虐待死の報道が絶えないです。
とても胸が痛みます。
でも、これらの問題を解決していく道のりは、
果てしなく遠い。
今、奈緒がしようとしていることは
もしかしたら、一番の解決の方法なのかもしれません。
たとえそれが犯罪であったとしても。。

『カッコウの卵は誰のもの』 東野圭吾

2010年05月20日 | 
やっと、図書館の予約本の順番が回ってきました~
相変わらずスゴイ人気です。
東野作品は、映画化もドラマ化も忙しい感じですが
この新刊も、映像化されそうな物語です。



カッコウという鳥は、
他の鳥の巣に卵を托して育てさせる習性があるそうです。
そういう意味で題名はとても意味深です。
色々な‘誰’かという問いや謎かけがあり
親子の結びつきとは、というものもあり
いつものようにとても読み易い文章で
どんどん読めてしまうのです。

この本を読んでいる最中に
‘出生前診断’という言葉を思い出しました。
本の内容には直接関わりは無いのですが
生まれてくる子どもがどのような才能を持っているかという問いと、
対極にあるものだと感じたので。

子育て中に‘才能’というものを考えた事があります。
人より秀でる、という感覚は魔物のよう。
その魔物に打ち勝つ孤高の人だけがたどり着ける世界。
わが子たち、平凡で良かったな・・・。。

泡立てネット

2010年05月18日 | つぶやき
ブログにおいでのみなさんは、どのように洗顔してますか~?

クレンジング剤でよく化粧を落とし
その後洗顔料で洗う、ダブル洗顔から
身体を洗う石鹸でそのままついでにばしゃばしゃっと洗う方まで
お湯洗い党から絶対水!さんまで
細かい所を考えると人それぞれな感じがしてしまいますが・・・。

私はずっと化粧品屋さんから教えてもらった
ダブル洗顔だったのですが、
『ためしてガッテン』という番組で
皮膚の表面をごしごしこすって洗ってはいけないという放送を観てから
ダブル洗顔をやめて、‘泡立てネット’というものを使うようになりました。

初めはホテルのアメニティグッズでもらった
ボール状のネットを使っていたのですが
使い勝手がイマイチでした。
そしたら別の用事で100円ショップに行った時に
コレを見つけたのです!!



100円だからいいよねって感じで、気軽に買ったのですが
この後、○印良品に行ったらふわふわのボール状のネットが並んでいて
それがとても立派なのです。ショック!!


「わぁ~こっちの方が良かったかも。値段も大して違わないし」と
夫くんとぼやきまくってしまいました。
そうやってすぐ安さに走ってしまう、貧乏性です^^;

とほほと帰ってきて、お風呂で早速試してみました~
そしたら、びっくり!!
とてもとても使い心地がいいのです^^
クリーミーな泡立ちもすぐできるし、
できた泡をまとめるのもやり易くて
ばっちりな感じ!!

ホントに試してみないと分かりませんね~
100均、恐るべし!!

スタジオジブリ・レイアウト展

2010年05月17日 | 日々のこと
GWに名古屋に出かけて、偶然‘スタジオジブリ・レイアウト展’の前を通ったのです。
随分前に東京でもやっていたと思うのですが、
見てはいませんでした。

なにも名古屋まで来て見ることないじゃん、とぼやく夫くんはほっておいて
宮崎アニメ大好きハハ&息子パワーで見てきました~
本当は、そんなに期待していたわけでは無かったのです。
狭い会場でしたし、さっと見てこれるかな、と。

それは、とんでもない間違いでした。
とてもとても素晴らしかったのです!!





こんな感じの鉛筆書きのデッサン画が、それこそ公開された映画はもとより
テレビで放送されていた‘アルプスの少女ハイジ’や‘未来少年コナン’など
懐かしい作品がずらり展示されていました。

レイアウトとは何か。
ひとことで言うと、画面の設計図だそうです。
どの位置にキャラクターを置いて、どんな芝居をさせるのか、
背景はどんな画で、カメラはどう動かすのか、などなど。

でもそれは、アニメ映画の単なる‘部品’ではなく、
その一枚一枚の絵が持つ力の素晴らしさに
ただただ圧倒されてしまいました。
このレイアウト画だけで、充分一つの作品の世界を作リ出しているのです。



これは、お土産に買ったポストカードです。
『天空の城ラピュタ』のレイアウト画です。
ラピュタは息子の一番のお気に入り。
小さい頃すり切れるほど絵本とビデオを繰り返し見て、
‘タイガーモス号’をよくレゴブロックで作っていました・・・。
今回、思いのほか熱心に作品群を見ている様子に
ちょっとびっくり。
楽しめて良かったと思いました。。

『命もいらず名もいらず 上 幕末篇』 山本兼一

2010年05月14日 | 
幕末から明治を生きた、山岡鉄舟を描いた大作
『命もいらず名もいらず』上巻を読みました。
山本兼一さんは、『利休にたずねよ』で直木賞を受賞され
それがきっかけで著作を読むようになりました。
どの本も面白く、新作を楽しみにしていました。

歴史小説に凝っている頃、さかんに幕末の志士の本も読みましたが
山岡鉄舟という人物については、登場人物の一人というだけで
その人を描いた作品は、読んだことがありませんでした。

上巻は、飛騨高山で暮らした少年時代から、
剣・禅・書に励み修行を続け、真っすぐな心を育み、
江戸へ出て山岡鉄太郎と名乗るようになり、
否応無く尊王攘夷の嵐の中に巻き込まれていくまでが描かれています。



身長六尺二寸(188センチ)、体重二十八貫(105キロ)と大柄な体格に
ふさわしく、剛毅にあふれ、純粋で、正直な生き方を貫いていく。
理屈がきらい。
何事も心で感じるがまま、ありのままの己を信じる姿が
とてもとても魅力的に描かれています。

そして何より、志の高さ。
その道を極めていこうとする厳しさ。
読んでいて、剣の修行というものは生き方を教えてくれる
素晴らしいものだと思いました。
その道を極めていこうとすればするほど
生き死にの条理に迫り、人を大きく成長させていく。
鍛錬、という死語に近い言葉を思い出しました。

 「命もいらず名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るもの也。
  此の始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬ也」

これは、西郷隆盛が山岡鉄太郎を評していったと伝えられているそうです。。

映画「きみに読む物語」

2010年05月13日 | 映画
見逃していた、2005年公開の映画です。
ムービープラスで放送したのを録画して観ました。

物語は、ある療養施設の老婦人と
ボランティアと思われる老紳士の読み語りに始まります。



その物語は、1940年代のアメリカ南部、
家族とひと夏を過ごすためにノース・カロライナにやって来た良家の子女アリーに
地元の貧しい青年ノアが一目ぼれするところから始まります。



一目ぼれしたノアのアタックがすごいです。
あんなふうに一途に思われたら、クラクラしちゃいそう・・。
そうしてひと夏の恋は燃え上がっておしまい・・・とはならないのです。

身分違いで引き裂かれたり、アリーが別の男性と婚約したりと
恋愛小説王道のベタなストーリー展開でも
映画に、引き込まれてしまいました。
どうしてか??

ノアとアリーにつきるのです。
この2人が、本気で恋に落ちたことがよく分かるからかもしれません。
ケンカをしても仲直りしても、いつでも本気で相手に向かっていくから。
2人を見ていると、恋をする大切さをしみじみ感じてしまいます。
そんな風に思える相手と出会えた喜び。
紆余曲折様々あったとしても、会いたい、と思う強い気持ち。
誰にもとめられない。

映画の原作『THE NOTEBOOK』は、
ニコラス・スパークスの処女作にして、ベストセラー小説だそうです。
読んでみようかな、と思っています。。

『おじさんとおばさん』 平 安寿子

2010年05月12日 | 
題名が面白くて思わず手に取ってしまいました。
書き出しも可笑しくて、ついつい笑ってしまい
どんどん読んでしまい、あっという間の読了でした。



昭和28年生まれの、おじさん3人とおばさん3人のお話。
この6人は小学校の同窓会で再会するのです。
50代後半の描写が実に具体的で、
いちいちなるほどそうなのだろう、と思わされるのです。

それぞれが、それぞれにあれこれ思惑持ちつつ付き合いが始まります。
そこで起きる小さな出来事や、事件や、あつれきから
自分自身を見つめていく姿に
年齢の持つ不思議さを感じてしまいました。

一つ言える事は、その歳にならないと分からない、ということ。
そんな事言ったら身もふたもないですが
自身の老いや家族環境など、自分を含めて回りが変わっていくことに
ついて行けないのだと思うのです。
それは誰しも当たり前のことなのだと思います。
そのことを気付かせてくれました。

まだまだ私は~なんて思っていても
きっともうすぐそこに、迫っているのだと、
身につまされてしまいました。

それにしても、昨日の記事の
朝井リョウくんの『桐島、部活やめるってよ』との落差に
ガ・ク・ゼ・ン!!

『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ

2010年05月11日 | 
新聞をめくっていて目に付いたこの本の広告を見て
すぐに図書館の検索をして予約をしました。

作者は、この本で第22回小説すばる新人賞を受賞された現役の大学生です。
きらきらと若さきらめく小説だと思いました。



バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然部活をやめた。
それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の同級生の生活に
小さな波紋が広がる…。

朝井さんが『週刊ブックレビュー』に登場して
著作について話されているのを観ることができました。
ホントにお若い~
息子と同い年です。
実は、この本の題名を見たとき、びっくりしてしまったのです。
息子も高校生の時、部活をやめたので。
ちょうどGW直前に本が手元に来たので
息子のもとに出かける時に荷物に入れていったのです。

「読む?」と本を見せると
苦笑いの後、『ブランチ』に出てるの観たと言っていました。
「休み中に読めるかな」と手に取っていました。

読んだ感想を聞くと、
「高校生や大学生はみんな共感すると思うよ~
 面白かったし」

私は息子のアパートから帰ってきてから読んだのですが
なるほど、と思いました。
きっと中学生も面白く読むのでは、と思います。
それほど、この頃の若者の気持ちや情景が
うまく描写されていると思いました。
普段読書が苦手だと思っている若い人に
オススメです!!
そして、もう若くない
ハハたち、チチたちも読んでみるといいと思います。
子ども達と会話が弾みそう・・・。。

映画「第9地区」

2010年05月10日 | 映画
やっぱり観に行ってしまいました~
公開前から気になっていた作品でした。
評判も良くて、観に行くぞ!と思っていたのですが、
公開後、映画の内容が紹介されている記事を読んで
迷い始めてしまったのです。

えっ?!グロイの??

それでちょっと躊躇してしまい、段々日が経つにつれ
辞めとこうかな~なんて、トーンダウンしていました。

それが、このところ映画観に行こうと言わない私に
夫くんが今日あたり行こうか、なんて珍しく乗り気に。
それで急遽観に行くことになったのです。



正直疲れました~
繰り返されるバイオレンスは、やはり苦手です。

でも、です。
ここに描かれる人間は、とても原理的だと思いました。
そして、もしかしたら太古の昔から
人間の本質というものは、変わりないのではないかと思いました。
人間の本質の、‘善’と‘悪’というもの。
これは文明というものの、変わらぬテーマなのではないかと。

異形を排除するというのは、人間の本質なのですね。
そのことを‘エイリアン’の姿を通して痛感してしまいました。
自分の心の奥の方にしまってある、黒い部分に触れる作品だと思いました。



主人公が、ごくごく普通のサラリーマンの顔から
死に直面することで別人のように変わっていく様子がとてもリアルでした。

三年後、主人公との約束を果たしにきっと宇宙船は戻ってくると思います。
それをピーター・ジャクソンは、きっと考えているのではと思いました。。