趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『PK』

2016年12月22日 | 映画
本当に久しぶりの映画館、インド映画の、『PKピーケイ』を観てきました。



この映画、公開を知ってからずっと見に行きたいと思っていたのです。

ラージクマール・ヒラニ監督、主演アーミル・カーンといったら、
『きっとうまくいく』を思い出します。
とても面白かった記憶があるのです。

ですから近くの映画館で上映が決まって、とても楽しみにしていました。

この映画のテーマは、‘神様’。
この神というものをめぐって、主人公のpkの素朴な疑問が人々の心を動かしていくのです。

インド映画で宗教とはびっくりしました。
信仰というものが、日本人よりも数段日常生活に溶け込んでいるように思うので。

国同士の争いにも宗教問題がありますよね。
映画を観ながら、本当に根強い思い込みというものの存在に気づかされました。
そしてそういった‘思い込み’は日常生活のいたるところで存在して、
時に正義に、時に暴力となって姿を変えていきます。

映画の終盤、まさに自分の思い込みを知らされる場面がありました。

見終わってホントに元気になる映画だと思いました。
とても面白かったです。
おすすめしま~す。。

映画「海よりもまだ深く」

2016年06月02日 | 映画
是枝裕和監督の新作見てきました~

是枝監督というだけで見に行きたくなってしまいます。

“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語。
台風の夜に、偶然ひとつ屋根の下に集まった“元家族”の姿を描いています。

かつて是枝監督が暮らしたという東京都清瀬市の旭が丘団地が物語の舞台です。
監督は、この団地を撮りたいと思った事がきっかけだそうです。

そして、阿部寛さんと樹木希林さんが親子役で、監督は2人を念頭に脚本を書かれたそう。

ごく狭い世界の、狭い日常が淡々と描かれていく・・・。
誰の上にも起こりそうなありふれた日常なので、共感するところはたくさんあります。

大きな事件も起こらず、流れていくような映像なのですが、
その中にも、時折はさまれるくすっと笑えるエピソードやほろりとさせる場面が。

主人公の姿に、監督の姿がダブって見えてしまいました。。





映画「ブリッジ・オブ・スパイ」

2016年02月12日 | 映画
今年最初の映画は、スティーブン・スピルバーグ監督、
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟脚本の「ブリッジ・オブ・スパイ」です。

昨年からなかなか映画館に行けなくて、やきもきしていました。

公開したばかりの頃は見たい!!と盛り上がっていても、
月日が経つうちにだんだんと気持ちが冷めてきて、
ああ、もうDVDでもいいかなぁ・・・なんて。

この映画も公開終了が近かったので、あきらめかけていたのですが、
昨日祝日で時間ができたので、思い切って行って来ました!

映画は、アメリカとソ連(現ロシア)の冷戦時代、
前代未聞の米ソ囚人交換に挑んだ弁護士の実話なのです。

主人公の弁護士ジェームズ・ドノバンを演じるのは、トム・ハンクス。


マーク・ライランス扮するソ連のスパイ、ルドルフ・アベルを
ドノバンが弁護を引き受ける所から物語は始まるのです。


この二人が、とてもいいのです。
私はマーク・ライランスという俳優さんは知りませんでしたが、
とてもとても印象に深く残りました。

冷戦の象徴のような‘ベルリンの壁’建設中の様子が見られるのですが、
どちらかと云うと、壁崩壊の方が印象に強くて、
建設中のこんな暗い時代がほんの少し前のことなのだと
愕然としてしまいます。



まるで戦争中のような錯覚を起こしてしまう映像ですが、
本当にこの暗い時代ー現代なのですがーをよく表していると思いました。

今現在だって世界のあちこちで紛争が起きていて、
自分たちの身近にないだけの‘壁’や理不尽さに満ちているのだと
少し考えれば分かることなのに・・・。。


映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

2015年08月22日 | 映画
お盆休みに映画を観てきました~

トム・クルーズ主演のミッションシリーズ5作目、
ずっと見ているのでやはり見に行かねばと思っていたのです。



毎回自身で挑むアクションシーンが話題になりますが、
盛んに宣伝しているので、この飛行機の場面はあまり緊張しなかったです。

でも、これはほんの序の口・・・。

ずっとずっとハラハラドキドキしながらの鑑賞になりました。

あ、でもそれは毎回の事ですが^^

とりわけすごかったのが、バイクのシーン。
トム・クルーズ健在なり、でした!!

新ヒロインとしてスウェーデン出身のレベッカ・ファーガソンという女優さんが登場するのですが、
ヒロインと云うか、何というか・・・この人がまたスゴイのです。

一見しとやかそうなのですが・・・ね~

痛快で、スカッとする娯楽映画です。
暑い夏、涼しい映画館で楽しむには一番かも!

おすすめしま~す。。

映画「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」

2015年07月03日 | 映画
雨でテニスが中止になった日曜日、映画を観てきました~

映画は、1983年に始まったアフリカ大陸スーダンでの内戦で孤児となり、
10数年後「ロストボーイズ」と呼ばれるようになった難民3600人を、
全米各地へ移住させるという、実際に行われた計画を基にしたヒューマンドラマ。


映画の冒頭、内戦で村を追われ、必死に脱出を図る子どもたち。
敵兵士からの襲撃と飢えに耐え、1600キロの道のりを歩いてケニアの難民キャンプを目指す姿に、
言葉を失くします。

現代の生活の中に、こんな状況が普通に起きていることに愕然とします。
実際、今でも世界の各地でテロや紛争が起きていて、
悲惨な状況は悪化しているようにしか見えません。



映画は、難民としてやって来たロストボーイズ側と、
受け入れるアメリカ側両方の視点を描いている所がいいと思いました。

生活や文化の違いから生まれるトラブルや軋轢も、時に笑いとユーモアに包まれて、
お互いを深く信頼しあうように変わっていく。

文化や風習の違い、宗教の違いなどなど、
そんな違いなど何でもない事なのかもしれません。

大切な事、守っていきたいものは、本当にシンプルで誰の胸にも去来するもの・・・。
こうした映画を観ていると、人間はみな一緒なんだと思えてくるからステキです。

おすすめしま~す。。

映画「海街diary」

2015年06月26日 | 映画
是枝裕和監督の映画となれば、やはり気になって観に行っちゃいますね~



少し前に、カンヌのレッドカーペットを歩く出演者の女優さんたちと監督の姿を
映像で見ました。
受賞はなりませんでしたが、若く美しい女優さんの姿にわくわくしました。

原作の漫画は知っていましたが、未読です。
いつか読みたいと思っていた作品でした。

異母妹を加えて、4姉妹の日々の暮らしがつづられていく物語。
鎌倉の古い家での何気ない日常に、家族の事情やそれにまつわる思いが交錯していく。

別段大きな事件や展開のある話ではないのですが、
何となくかりそめの密やかな姉妹の暮らしが、
美しい季節の移り変わりのように流れていく感じが、
何とも言えない、と思いました。

本当にそこにあるような、そんな彼女たちの生活を覗き見ているような気もしたのですが、
今は、幻をみていたような、あぶくのように消えてしまうようなはかなさを感じています。

何故かな??

きっと、そこからそれぞれの物語に向かっていくのだろうと感じたからかもしれないです。。

映画「博士と彼女のセオリー」

2015年05月14日 | 映画
久しぶりに映画を観てきました~

この作品と、もう一本候補があったのですが
どちらを見ようかだいぶ迷ったので、上映時間で決めました。

この作品は、車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた人間ドラマで、
将来を嘱望されながらも若くして難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した彼が、
妻ジェーンの献身的な支えを得て、
一緒に数々の困難に立ち向かっていくさまをつづった映画なのです。

物語は、若き日の二人の出会いから始まります。


天才の日常は不思議に満ちているけれども、恋に落ちる様は皆一緒なのだと、
何故だかとても微笑ましくて、思わず応援したくなるのです。



発病して絶望する姿も、恋人を遠ざけようとする姿も、特別ではないのです。
始めようとしていた研究を、できる限り続けようとする姿も。

でも、余命2年という過酷な現実に、ジェーンは立ち向かう事を決意するのです。
このことが、すべての始まりだったのだと思います。

監督はジェームズ・マーシュ、スティーヴン・ホーキング博士に、エディ・レッドメイン。
妻ジェーンにフェリシティ・ジョーンズ。
第87回アカデミー賞でエディ・レッドメインが主演男優賞を受賞しました。

やはり、エディ・レッドメインが素晴らしかったです。。

笑顔がとってもキュート♪

映画「6才のボクが、大人になるまで。」

2015年04月06日 | 映画
雨でテニスが中止になった昨日の日曜日、久しぶりに映画を観てきました~

上映が決まった時、楽しみにしていた映画です。
アカデミー賞の頃、ノミネート作品として盛んに紹介されていました。



この映画の見所は、なんといっても主人公家族4人が12年の歳月をかけて描かれることです。

撮影も、コルトレーン演じる主人公のメイソンが子供から青年に成長していく姿を描くために、
2002年の夏から2013年の10月まで12年間を通して断続的に行われたそうです。

ホントに無邪気で可愛かったメイソン少年が、18歳の髭面青年に成長していく姿を
目の当たりにするのです。
お姉ちゃんのサマンサだって、どんどん女っぽく成長していく様は、
見ていて壮観な感じがしました。

反対にとんがっていた若く未熟な両親が、歳をとり、体型が変わり、
おとなしく丸くなっていく様に、身につまされてみたり・・・。

こうしてみると、人間の一生って短いものだと思います。
若くはつらつとして輝いている時期というのは、ホントに短いのですね~

それにしても、結婚相手を選ぶならくれぐれも慎重に・・・ですね!!

映画「世界の果ての通学路」

2015年02月20日 | 映画
「世界の果ての通学路」という映画が公開された時、見たいと思っていたのです。
お正月にEテレで放送することを知って、とてもうれしく思っていました。
録画しておいたのを先日見ました~

地球上の異なる4つの地域で、数10キロの危険な道のりを経て通学し、
学校で学ぼうとする子どもたちの姿を追ったドキュメンタリー。

ジャクソンと妹は野生の象やキリンを避けながらサバンナを駆け抜け、


カルロスと妹は雄大なパタゴニア平原を愛馬でひた走る。


ザヒラはモロッコのアトラス山脈を臨む山奥の村から寄宿学校へと通い、


インドで暮らす生まれつき足が不自由なサミュエルは弟たちの引く車いすで登校。


彼らは危険も顧みず、ひたむきに学校に向け道なき道を進んでいく・・・。

たんたんと、4つの地域のこども達の姿を追ったドキュメンタリーですが、
本当に興味深く画面に引き込まれて見てしまいました。

地球はほんとうに広い。
生きている国や場所が違うと、こんなにも日常生活が違うのだという事を、
改めて教えられた気がします。

ぜひとも、日本の学校で上映してほしいと思いました。
友達に会えるうれしさでいっぱいの彼らの瞳を、
みんなで見てほしいと、心から思いました。

おすすめしま~す。。

映画「0.5ミリ」

2015年02月13日 | 映画
11日の休日、映画を観てきました。
「0.5ミリ」は、上映が決まってとても楽しみにしていた作品です。

  俳優・奥田瑛二の長女で映画監督の安藤桃子が、
  実妹・安藤サクラを主演に起用した初の姉妹タッグ作品で、
  自身の介護経験から着想を得て書き下ろした小説を映画化した人間ドラマ。(作品紹介より)

この映画、安藤家の人々や主演のサクラさんの義両親が出演したりと、
家族親戚一丸となって作り上げているのです。

この映画を観たいと思ったきっかけが、監督をされた安藤桃子さんです。
テレビに出演されたのを見て、
そのパワフルな言動に興味を持ちました。

とにかく元気で明るくて、声が大きい。
妹で俳優のサクラさんとはちょっと感じが違って見えました。



桃子さんは、この映画では、サクラさんを、映画の“ミューズ”として捉えたかったと
インタビューに答えられています。

サクラさん演じる主人公のサワという女性は、
スーパー介護ヒーロー・サワちゃんであり、ふうてんのサワちゃんであり、
ハードボイルド・サワちゃんであり、おとぎの国のサワちゃんでもある・・・。
監督の桃子さんは、インタビューに答えられていますが、
この映画全体をよく表していると思いました。

長い映画でしたが、若さあふれる監督の熱い思いの詰まった作品だと思いました。

面白かったです。。

映画「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」

2014年11月25日 | 映画
ミニシアター祭りのお陰で、映画鑑賞続いています。
お祭り終わっても、上映続けてくれないかなぁ・・・。



今回の映画は、2013年のイギリス映画です。

  「この映画のメッセージは、“How to be happy”。
   どうすれば幸せになれるのか、というシンプルなことを、
   面白くて複雑でワクワクするようなやり方で描こうと思ったんだ。」

と話すのは、ロマコメの名手リチャード・カーティス監督です。

映画は、監督の狙い通りシンプルでワクワクする物語に仕上がっていると思いました。
一つ仕掛けがあるのですが、そのことは映画の終盤にはいらないものとなっていくのです。

分かりやすくシンプルなので先が読めてしまいますが、
そうしてたどり着いていく主人公たちに、拍手したくなります。

観ながら、思わず自分の人生を振り返ってしまいました。
そして、一生懸命だった若き日々をとても懐かしく、愛おしい時間だと思いました。

おすすめしま~す。。

映画「めぐり逢わせのお弁当」

2014年11月11日 | 映画
娘と一緒に映画を観てきました~♪

いつもの映画館で、ミニシアター祭りをやっているおかげで、
見たい映画がいろいろあって楽しいのです。

二人で映画はホントに久しぶりです。



インドで広く利用されている実在の弁当配達システムを題材に、
誤って配達された弁当がもたらした、男女の偶然の出会いと心の触れ合いを描いたドラマ。

物語の舞台は、ムンバイ。
そこに住む人々の日常生活の様子から、映画は始まります。

そして自転車に何やらたくさんの水筒のようなものを下げて走る人を
カメラは追っていくのです。

これこそが、契約家庭から受け取った弁当をオフィスに届ける
「ダッバーワーラー」と呼ばれるインドの弁当宅配システムなのです。

何人もの人の手を使って成り立つこのシステム、人々の雇用を支えていると感じました。
日本のように出がけに持たせる弁当だと、仕事は生まれませんよね。
反対に、早朝から弁当作りを頑張らないといけませんが・・・。

見ながら、いつものインド映画とは違う感じがしていました。
歌って踊ってという、いつもの陽気さがないのです。
そのせいなのか分かりませんが、予想していた内容と違う印象を受けました。

主人公の二人が、幸せではないのです。
その寂寞の感じがとても身に染みる感じがして切なくなりました。

余韻の残るラストでしたが、さて・・・。。

映画「365日のシンプルライフ」

2014年11月06日 | 映画
連休に、とてもシンプルな映画を観てきました~

「365日のシンプルライフ」


2013年のフィンランドの映画です。
1年間、全ての持ち物を倉庫に預け、
1日に1つずつ必要なものを選んでゆく生活を送る青年の姿を追ったドキュメンタリーです。

監督のペトリ・ルーッカイネンは、自らこの実験的な生活を通じて、
“人生で大切なものは何か?”という問いを見る者に投げかけてくるのです。

この実験を試みようと思ったきっかけは、失恋です。

モノが溢れ返った自分の部屋にウンザリしたペトリは、ここには自分の幸せがないと感じて
自分の持ちモノ全てをリセットする”実験”を決意するのです。

ドキュメンタリーなので、何か大きな事件も起きたりはしないのですが、
倉庫に次は何を取りに行くのか、とても興味をそそられるのです。
最初は、これかな?次はこれ?という感じに。

そして、だんだんだんだん考え込むようになるのです。

実に見ていて身につまされるお話でした。
こんな風に一回リセットして始めたくなってしまいました。

おかげで、連休中、買い物の手がいちいち止まり、
結局何も買わずに帰ってきたりして・・・・・。

面白かったです。。

映画「her 世界でひとつの彼女」

2014年10月14日 | 映画
アカデミー賞の頃、盛んに話題になっていた映画です。
この作品で、スパイク・ジョーンズ監督は脚本賞を受賞されました。
いつも行く映画館での上映が決まり、楽しみにしていたのです。



近未来のロサンゼルスを舞台に、人工知能OS「サマンサ」の知的で魅力的な声にひかれ、
次第に“彼女”に恋していく中年バツイチ男性・セオドアの物語。

主人公のセオドアを演じているのは、ホアキン・フェニックス。
ポスターの何とも言えない表情が、この映画をよく表していると思いました。

映画館で見た予告編や、映画紹介の番組などで見た時は、
もっとお気楽ハッピーな映画だと思っていました。

人間の感情というものが、様々な角度から描き出されていて、
見え方や、考え方、とらえ方など、まるで違って見えるものだということを
見せてくれるのです。

そうしてたどり着いたものは、感情とは自分勝手なものだということ。
それは自分にも誰しもにも当てはまるのだということ。

人間の持つ繊細な感情を紐解いて見せるような、何とも不思議な映画だと思いました。。











映画「チョコレートドーナツ」

2014年10月06日 | 映画
注目していた映画の上映が決まり、楽しみにしていました。
日本では、劇場公開は2014年4月19日だそうです。



映画の舞台は1979年のカリフォルニア。
シンガーを夢見ながらもショーダンサーとしてその日暮らしを続けるルディ。
ゲイであることを隠して生きる弁護士のポール。
母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年、マルコ。
ルディとポールは、マルコを息子のように育てようと決意し、
社会の偏見と闘う姿が描かれているのです。                              
差別や偏見が今よりずっとひどかった70年代の、実話をもとに作られたそうです。

この映画には、解説がいくつも考えられる気がします。
何故なら、心の奥深くにしまっておきたい見たくないものを見せられるから。
見たくないものはそのままきれいに覆い隠して、
もっともらしく講釈することが可能だから。

大切にしたいモノ、大事なことは本当にシンプルで、
解かりにくいものではないと思うのです。
それが掴み取れるかどうか・・・。
そんな風に感じる映画でした。

こういう映画こそ、高校で上映してほしいと思いました。
若く純粋な感性に響くように。。