趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

気持ちが鎮まる。

2015年02月23日 | 村上春樹
「村上さんのところ」というサイトがあって、
読者のメールに村上春樹さんが答えるというものなのです。

質問の受け付けは終了してしまいましたが、メールのやり取りが公開されているのです。
私はこれを読むのが楽しみで楽しみで・・・。

本当にさまざまな問いかけや、無駄話にあふれていて、
よくそんな質問にも答えるよな~と思うこともしばしばです。

でも、村上さんのお答えはとってもステキなのです。

お陰で最近愚痴が減りました。
そうだよね、そんなの気にしても仕方ないですよね~なんて村上さんに向かってつぶやいたり。

メールのやり取り読んでいるだけで、心がほんわかしてくるのです。
まさに心のサプリですね~

実は私も、ほ~んとにくだらない質問メールを出したのです。
さてさて、お答えメールは届くのでしょうか??

映画「世界の果ての通学路」

2015年02月20日 | 映画
「世界の果ての通学路」という映画が公開された時、見たいと思っていたのです。
お正月にEテレで放送することを知って、とてもうれしく思っていました。
録画しておいたのを先日見ました~

地球上の異なる4つの地域で、数10キロの危険な道のりを経て通学し、
学校で学ぼうとする子どもたちの姿を追ったドキュメンタリー。

ジャクソンと妹は野生の象やキリンを避けながらサバンナを駆け抜け、


カルロスと妹は雄大なパタゴニア平原を愛馬でひた走る。


ザヒラはモロッコのアトラス山脈を臨む山奥の村から寄宿学校へと通い、


インドで暮らす生まれつき足が不自由なサミュエルは弟たちの引く車いすで登校。


彼らは危険も顧みず、ひたむきに学校に向け道なき道を進んでいく・・・。

たんたんと、4つの地域のこども達の姿を追ったドキュメンタリーですが、
本当に興味深く画面に引き込まれて見てしまいました。

地球はほんとうに広い。
生きている国や場所が違うと、こんなにも日常生活が違うのだという事を、
改めて教えられた気がします。

ぜひとも、日本の学校で上映してほしいと思いました。
友達に会えるうれしさでいっぱいの彼らの瞳を、
みんなで見てほしいと、心から思いました。

おすすめしま~す。。

『夜また夜の深い夜』 桐野夏生

2015年02月18日 | 
図書館で桐野さんの作品を見ると、無条件で予約ボタンを押してしまいます。
ですから、どんな内容なのかは知らずに手に取りました。



表紙の絵がステキです。
読み進めていくと、この表紙の絵が何を表しているのか分かるのです。
分かってからじっくり見る方がいい気がします。

  私は何者?
  私の居場所は、どこかにあるの?
  どんな罪を犯したのか。本当の名前は何なのか。
  整形を繰り返し隠れ暮らす母の秘密を知りたい。
  魂の疾走を描き切った、苛烈な現代サバイバル小説。 (帯より)

舞台はイタリア、ナポリ。
身を隠して生きる母と、各国を転々としてして生きて来たが、
19歳になったマイコは、次第に出自に疑問を抱く年頃となった・・・。

この国籍もない主人公の少女マイコの手紙の告白によって
物語は進んでいくのです。

手紙の宛先は、七海という女性なのですが、
読んでいくうちに、‘重信房子’という名前が浮かんできました。

そして、何年か前に重信房子という人の娘だという若い女性の記事を、
読んだ事を思い出しました。

世間を大きく騒がせた事件の陰には、当事者以外にも、
家族や関係のあった周辺の人々などと少なくない人間たちの存在があるのです。
そして、そうした事件によって巻き込まれていく理不尽な運命に、
なす術も無く、立ち尽くす人々に向けられる目は、あまりに冷たい。

その理不尽さと云ったら、国内のみならず、
海外の紛争地域での過酷さに、思わず言葉を失うのだ・・・。

それでも懸命に生き抜いて、生き延びようと駆け抜けていく少女たち。
その疾走感がたまらなく、物語に一気に引き込み読ませてしまう筆致はさすがです。

面白かったです。。

映画「0.5ミリ」

2015年02月13日 | 映画
11日の休日、映画を観てきました。
「0.5ミリ」は、上映が決まってとても楽しみにしていた作品です。

  俳優・奥田瑛二の長女で映画監督の安藤桃子が、
  実妹・安藤サクラを主演に起用した初の姉妹タッグ作品で、
  自身の介護経験から着想を得て書き下ろした小説を映画化した人間ドラマ。(作品紹介より)

この映画、安藤家の人々や主演のサクラさんの義両親が出演したりと、
家族親戚一丸となって作り上げているのです。

この映画を観たいと思ったきっかけが、監督をされた安藤桃子さんです。
テレビに出演されたのを見て、
そのパワフルな言動に興味を持ちました。

とにかく元気で明るくて、声が大きい。
妹で俳優のサクラさんとはちょっと感じが違って見えました。



桃子さんは、この映画では、サクラさんを、映画の“ミューズ”として捉えたかったと
インタビューに答えられています。

サクラさん演じる主人公のサワという女性は、
スーパー介護ヒーロー・サワちゃんであり、ふうてんのサワちゃんであり、
ハードボイルド・サワちゃんであり、おとぎの国のサワちゃんでもある・・・。
監督の桃子さんは、インタビューに答えられていますが、
この映画全体をよく表していると思いました。

長い映画でしたが、若さあふれる監督の熱い思いの詰まった作品だと思いました。

面白かったです。。

『こころと人生』 河合隼雄

2015年02月10日 | 河合隼雄
河合隼雄さんのこの本、1999年刊行当時購入したのです。
ずっと手元に置いて寝る前のひと時、ぺらぺらめくって眠りについたりしていました。



何年かして別の本へと取って代わり、ここ数年は本棚におさまっていたのです。

先日、久しぶりに手に取って読んでみるうちに、
止まらなくなって結局最後まで読んでしまいました。

覚えている部分はほんのわずかで、改めて心に沁みる言葉の数々・・・。

この本、子ども時代、青年期、中年期、老年期という、
人生のそれぞれの時期のこころの問題を、臨床家としての目で細やかにとらえた講演集です。

15年前に読んだ頃と、明らかに人生の時期が違うのです。
老年期には特別な思いは抱かなかった記憶があります。
あまり身近に感じられなかったのですね~

それが、今読んでみるとそれまで気付かないでやり過ごしてきたことが明確になって、
何だか怖いくらいです。
ああ、そういうことだったのか・・・と。

そして、迎え来る最終ラウンドに向けて、どんな心持が必要なのか、
本当に分かりやすく具体的に教えてくれるのです。

普段、めったに本を読まない夫くんですが、
これは読んだ方が今後のためになるよ、と、薦めてしまいました。

寝る前のひと時、一緒に本を開いている今日この頃です。

おすすめしま~す。。

寒い日々。

2015年02月09日 | テニス
最近テニスの記事を書いていませんが、毎週頑張っています。

寒くて外に出るのが億劫なくせに、
テニスだとすっ飛んで出かけるのです。

北風ビュービューでもへこたれません!

錦織圭選手の大活躍のお陰で、テニスもニュースが増えました。
全豪オープンも、テレビの放映があってテレビ観戦していましたよ~

世界のトップと戦う姿が見られるなんて!
うれしい限りです。

昨日の日曜日は、久しぶりに雨でテニスが中止でした。

一歩も外に出ないで、おうちでまったり、のんびり過ごしました。
こんな日も珍しいですが・・・。

二胡の発表会も控えているので、練習に精を出しました。
ほんの少しずつ、音色が変わってきているのが分かるようになりました。

先生の奏でる音色には、まだまだまだまだほど遠いですが、
昨年の自分より、ちょっと違っているのが感じられてうれしいです。

寒くても、好きなことは楽しいな~。。

『友罪』 薬丸岳

2015年02月02日 | 
薬丸岳さんの本を図書館の書棚で見つけて借りてきました。


題名の『友罪』は、‘ゆうざい’と読むのです。

本書は、神戸連続児童殺傷事件を連想させる黒蛇神事件と呼ばれる少年事件の“その後”の物語。
もしも友人が過去の凶悪犯罪の加害者だったら――。
これは、著者がデビュー前から抱いていたテーマだったそうです。

やはりどうしても実際にあった神戸の事件を思い起こしてしまいます。
衝撃的でしたし、その後、というものも中々表には出てこないですし。

でも、この本は、ただその後を描いただけではないのです。

母親役として加害少年の更生に尽力した医師や、
過去を知らずに友人となる益田と、恋心を抱く美代子の
それぞれの物語が交錯していくのです。

そのそれぞれの物語が、切ないのです。
おぞましい犯罪と、一刀両断できない悲しみや憎しみが胸に迫ります。

人間誰しも過ちをおかすもの・・・
できればその罪を償い、更生して生きていける道があるといいのにな。
正直、答えの見つからないテーマだと思いましたが、
心に迫る物語だと思いました。

おすすめしま~す。。