趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

この一年

2011年12月28日 | 日々のこと
今日は仕事納め、最後の銀行回り、後は大掃除でおしまい。
なんともあたふたと今年も過ぎて行こうとしています。

節電対策で、私の机の上の蛍光灯をずっとはずしていたのです。
すっかりその明るさ(暗さ?)に慣れてしまっていたのですが、
今日大掃除のついでに点けて、びっくり!!
なんと文字が白く浮き上がるほど、明るいのです。

以前は無かったような計算ミスがこの所あって、
ついに老化が、とガクゼンとしていたのです。
もしかして、最近暗すぎたせいかもしれないです。

ところで、最近本の記事が書けていません。
ホントはあともう一冊今年の〆に書きたかったのですが・・・。

今年読んだ本の中で、とりわけ印象深いものを選んでみました~

『弦と響』小池昌代さん 記事はこちら
『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月さん 記事はこちら
『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子さん 記事はこちら

あくまで、個人的な意見ですが、
何故か女性作家ばかりとなってしまいました。
本当は今読んでいる本も多分リストに入れたいと思うのですが、
読み終わらなくて、記事をアップできませんでした。
とても面白くて、大掃除なんて放り出したいのですが・・・^^;
来年最初の一冊になるかな??

最後に、今年は私達夫婦の結婚25周年の年でした。
銀婚式ですね~
もうそんなに過ぎてしまったのかと思うほど、
あっという間のことでした。
ケンカもたくさんしましたし、楽しい事も、うれしい事も、
本当にいっぱいな25年です。
銀にふさわしく今年は行こう!と張り切ったのですが
振り返ってみれば、カンジンな時に大喧嘩したりして。
でも、なるべくたくさん共に旅しようと始まった今年、
旅の数々は、とてもとても思い出深い・・・。
次の金まで、道のり遠いな~なんて言いながら
共に元気で楽しく過ごしていけたらいいな、と思っています。

今年もこのブログにアクセスくださった皆様、ありがとうございました。
また来年も性懲りも無く、続けていけたらと思っています。
どうぞ皆様、良いお年をお迎え下さいませ。
来年もよろしくお願いいたします。。

糸井重里さんのこと。

2011年12月27日 | 日々のこと
今年もあと残す所わずかとなりました。
この一年の総括を、と考えていたら、
やはり、一番に思い浮かぶのが東日本大震災のことです。
とてもとても怖かったこと、その後しばらく思考停止状態で、
ただテレビの画面を見入るばかりの日々でした。

3月11日にはかなり揺れて怖かったですが、
被災地からは大分離れているので、被害があったわけでは無いのです。
「津波」と、「電力」と、「放射能」という言葉に
なんだかぐるぐる振り回されていたような気がしています。

何を読んでも、何を観ても、言葉が素通りしていくような、無力感。
いつも数分で書いてしまうブログの文章も、
まったく書けなくて驚いてしまいました。

そんな中、『ほぼ日刊イトイ新聞』は、読み続けていたのです。
『ほぼ日』を主催されているのが、糸井重里さんというのは有名ですよね。

私が糸井さんを知ったのは、学生時代で、
超売れっ子コピーライターとして名を馳せていました。
スタイリッシュで時代の先端を行く、若者の憧れ的存在でした。
当時エッセイもたくさん書かれて、何冊か読んだ覚えがあります。

でも、天邪鬼な私は、当時先端を行くかっこよさに反発して、
背を向けてしまうのです。
ですから、『ほぼ日』は、‘ブイヨン’見たさにアクセスしていたのです。

それが・・・・・・・・・
震災後、さまようようにあれこれ読んでいるうちに、
『ほぼ日』の今日のダーリンを毎日読むようになっていったのです。
以前は糸井さんのお書きになるものに、小さな抵抗していたのに。
でも、糸井さんは震災後からずっと、
震災にまつわるあれこれを発信し続けてくれたのです。
上手く言葉にできない、もやもやした、何かを、
もっともわかりやすい言葉で表現してくれる・・・。

どのように考えていいのか分からず模索している中で、
救いのように、言葉を発しし続けてくれました。
その言葉に深くうなずき、励まされ、勇気付けられてきたように思います。

それからすっかりファンとなり、お書きになる物読むようになりました。
自分の見方がなんと浅はかだったのか、思い知る出来事となりました。

ご存知の方も多いと思いますが、『ほぼ日』では被災地支援を
ずっと続けてらっしゃいます。
できる事から少しずつ、と、活動を広げられています。
ああ、こんな先輩方が先導してくれているんだと、うれしくなります。
道に迷う若輩たちに、灯りを燈してくれている・・・。

動物大好きなので、『ほぼ日』といったらやっぱり‘ブイちゃん’ですが、
あれやこれや話題の連載が多くて、楽しい新聞です。
そして、今日のダーリン、いつもありがとうございます!!

今年最後の連休

2011年12月26日 | 日々のこと
12月は何かとせわしなく、ばたばたばたばた過ぎてしまいます。
ブログを書いていると、去年は?一昨年は??と
振り返る事が簡単にできていいですね~

でも、去年と全く同じ様な生活をしていて、
同じような感想を抱いているなんて、なんか不思議。
昨年の記事を読み返してみて、ああ、今まさに同じ事書こうとしてたよと、
自分に突っ込みいれてみたり。

違うのは、昨年は連休ではなかった事かな。
今年は見事にクリスマスが週末に来ましたね~
カップルには良かったのかな。

23日は夕方から都内にいたので、
イルミネーションならぬ、バーゲンに目の色変えておりました。

アクセサリー売り場や、マフラー手袋などの婦人雑貨売り場に
男性客の姿がちらほらと・・・。
一人でのプレゼント探しの様子がほほえましくて。

最近は、スポーツ用品も充実のデパート、バーゲンは魅力です。
ここで、なかなかステキなベンチコートを見つけたので、
奮発してクリプレにしました~
真冬のテニスコートは寒いので(^o^)/

ついでに食事もクリスマス特別メニューをいただいて、
一足早いクリスマスかな、と思ったら、夫くん
「へっ?!明日クリスマスイブなの??」
「まだまだ先かと思ってた!!」ですって。
これじゃ、クリプレ期待できませんね^^;

SONGS“福山雅治”

2011年12月22日 | 音楽
12月14日放送の、NHK「SONGS“福山雅治”」を観ました。
「SONGS」自体は、大人の音楽番組として見逃せないので
録画予約しています。

「ビートルズ」の回は、本当に貴重な映像が観られて、
何度も繰り返して観てしまいました。

福山雅治さんは、大好きなアーティストですが、
今回の「SONGS」がこういう内容だとは、思いもしなかったのです。



今年、福山さんは、大規模な全国コンサートツアーを行ったのです。
4月に予定されていた宮城の公演は、東日本大震災の影響で延期になり
11月にやっと開催となったそうです。

今回「SONGS」は、
この宮城でのライブに足を運ぶ観客たちのエピソードにスポットを当てて、
それぞれのエピソードに深く関わる曲を届けてくれたのです。

そして、そのエピソードの一つ一つに、心動かされてしまったのです。

いずれも東日本大震災にまつわるものでした。
心を置き去りにした悲しみに胸を打たれ、
無事が確認できなかった子ども達との再会に、ただただ涙が。
大切な人々を思いながら、福山さんの歌に酔いしれるひととき。

『少年』『明日の☆SHOW』『道標』と、どれも良かったのですが、
最後に歌った、『家族になろうよ』心に沁みました。

大切な人を想い、共に生きようとするいい歌ですね。
‘しあわせになろうよ’
とてもとても、良かったです。。

望月三起也 「ワイルド7」

2011年12月21日 | 
久々に目にした「ワイルド7」に、実写映画化の報で
ホントにびっくりしたのです。
えぇ???今頃何故??
飛葉ちゃん誰がやるの???
ヘボピーは???

実私、中学生の頃、熱狂的な飛葉ちゃんファンだったのです。
クラスメイトにコアなファンが何人かいて、
そのうちの一人からずっと単行本を借りて読んでいたのです。

当時の私にとって、作者の望月三起也さんの絵はとても大人で
犯罪、裏社会、退廃、などなどと、
少年漫画にはちょっと無い、きわどさがあって、
ひりひりした乾いた感じが何とも魅力的に思えたのでした。

中学卒業と共にファンの同級生とも疎遠となり、
そのまま「ワイルド7」とも離れてしまいました。

それきり、飛葉ちゃんのことはすっかり忘れていたのです。

今年映画化のニュースを見なければ、思い出すことも
検索してみる事も無かったと思います。




この絵がステキなのです。
この絵に熱狂していました~
懐かしいなぁ・・・・。

今回、愛蔵版が発売になっていたことも知りました。
ああ、また読み返したいなぁ・・・・・
本屋さんでまた探してみたいと思っています。

さて、映画のほうは本日公開だそうです。


主演の瑛太さんは好きな俳優さんなので、ちょっと観てみたいかも。。

さんまを煮る

2011年12月20日 | 日々のこと
青魚などに多く含まれるDHAのことをテレビで観ました。
DHAとは正式名称をドコサヘキサエン酸といいます。
水産物に多く含まれる脂肪酸なので、魚の脂部分に多く含まれているそうです。

DHAは、なんとなく聞いた事があるくらいで、あまりよくは知りませんでした。
‘頭が良くなる??’とかなんとか、
だから青魚子どもに食べさせよう、とかなんとか。

番組ではそれ以外にも、
メタボ、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、アレルギー性鼻炎、視力低下、
認知症、うつ病といった症状への予防、改善効果が確認されている事など
紹介していました。

ふ~む、これはもとっと積極的に食べた方が良さそうと、
番組しっかり観てしまいました。

DHAが多いのは、イワシやサバなどのいわゆる青い背の魚(青魚)です。
また、マグロなら霜降りのトロの部分に多く含まれているそうです。
青魚以外ではウナギ、サケ、筋子などにも豊富に含まれて、
あと、意外にもサバ缶などお缶詰もお手軽でおすすめだそうです。

料理の方法は、焼くと油が下に落ちてしまうので、
煮たり、フライパンなどで焼いて油をソースにしたりするといいですよね~

DHAの入った魚素材を煮ると自然とDHAが外にしみ出すので、
煮汁をあれこれ活用すればいいな、と思いました。

そこで、さんざん焼いて食べたさんまを、煮ることにしたのです。
以前にも、さんまを甘辛くしょうがと煮たりしてはいました。
それに、大根を入れてみることにしたのです。
ぶり大根ならぬ、さんま大根です。

これが、なかなかの出来栄えで美味しく作れました。
もっと生臭いかと心配しましたが、杞憂でした。
旬の生さんまは本当に新鮮で、ちっとも生臭くなくて、
程よく煮汁に油がしみ出して、大根もあっさりで美味しかったです。

これならごぼうも合いそうな感じです。
残った煮汁はご飯かけて、全部平らげました。
DHA、ばっちりでおすすめです。。



ガットが切れた!

2011年12月19日 | テニス


昨日テニスの最中に、ラケットのガットが切れました!
ガットが切れると使えなくなるので、ホントは困りものなのです。

常にボールが当たっているわけですから、
当然劣化する物ですし、消耗品です。
部活の頃の子どもたちは、毎週張り替えていました。
プロの選手は、試合中に切れたりしますしね~

でも・・・・・
非力なオバサンテニスでは、ガットが切れるなんてなかなか無いのです。
私も初めてのことで、実はびっくりしているのです。
当然経年劣化するものなので、ずっと使ってたからでしょ?と言われそうですが、
半年前に、張替えしたのです。

なので、なんだかパワーアップしたみたいで、
うれしくてうれしくてしょうがないのです。
テニス仲間に見せたり、写メしたり。

な~んて、喜んでばかりはいられません。
早速張替えに出さなくては、次のテニスに間に合いません。
それでも、こんな出費はうれしい出費。
しばらくは、浮かれ気分で・・・。。


ドラマ「坂の上の雲」

2011年12月16日 | テレビ
大河ドラマ「江」が終わり、「坂の上の雲」の第3部が始まりました。

富国強兵をスローガンに、列強国の脅威と対峙していこうとする近代日本。
「サルまね」と揶揄されながらも、日本が生き残る道に向かって、
ただひたすら前をのみ見つめ駆け上っていった若者達を描いていく。

今は亡き原作者の司馬遼太郎さんは、映像化を拒んでいたそうな。
ご遺族の了解を得る事ができて、初のドラマとなりました。

そのドラマ制作陣の強い心意気を感じる出来栄えだと思います。

海軍参謀秋山真之を演じる本木雅弘さん。

その兄で陸軍騎兵隊長の秋山好古を演じる阿部寛さん。

陸軍、海軍それぞれ大物俳優たちが数多く出演されていて、
本当に見ごたえたっぷりです。

歴史の教科書ではほんの数行で終わってしまう、日清、日露戦争。
そこへ至るまで、突き進んでゆく中で、おびただしい数の人間が関わり、
一つ一つに議論があり、参謀があり、協議があり、決断がある。
上に立つものが、どのような選択をしていくかで、
名も無き人々の生活や命そのものが消えてしまうのだ。
無くなってしまうのは、あっという間。
その理不尽さに腹が立ち、悲しみの思いで画面に見入ってしまいました。

苦渋の決断を迫られる司令官たちの姿も、また孤独。
日本が何故戦争に突き進んでいったのか、見届けて行きたいと思っています。。

『円卓』 西 加奈子

2011年12月15日 | 
図書館の書棚を眺めていて目にとまりました。
題名に記憶があったのです。
「週刊ブックレビュー」で紹介していたことを思い出しました。
手帳を確かめると、読みたい本リストの中にありました。

「週刊ブックレビュー」といえば、著者の西加奈子さんも書評ゲストの一人です。
選ばれる本や、書評が面白くて印象に残っていたのです。
未だ著作は読んだ事が無かったので、いつか読みたいと思っていました。



物語の主人公は、こっこ、こと、渦原琴子。
口が悪く、平凡がキライな「孤独になりたい」小学3年生。
三つ子の姉をはじめ、両親祖父母の7人と共に公団住宅に暮らしています。

リビングには中華料理屋さんからもらった、赤くて大きな‘円卓’が。
ここで家族が揃ってワイワイがやがやご飯を食べる日常は、
孤独とは、無縁の生活なのです。

舞台は大阪なので、大阪言葉で綴られていて、
何より言葉のリズムが小気味いいと思いました。
ちょっと天邪鬼な生意気な感じが、リズムに乗って心地いいのです。

誰にもあっった小学3年生の日常を、こっこたちは再現してくれます。
眼帯!憧れました~
松葉杖!好きでした~
ハーフ!うらやまし過ぎ~
しょうも無いくだらない事を、大真面目に考えてていました。

「イマジン」を覚えていく事で、成長してこれたかどうか怪しいですが、
きらきらときらめく様な純粋さが、とてもとてもまぶしかったです。。


二胡日誌 2

2011年12月14日 | 音楽
月二回の二胡教室に行って来ました~
年末はお休みになるので、今年最後のレッスンです。

マイ二胡が来てから、時間を見つけて練習するようにしていましたが、
なかなかまとまった時間が取れないのです。
休みの日は用事か、テニスなので仕方ありません。

なので、なるべく短時間でも回数多くを心がけるようにしました。
ケースにしまいこんでしまうとサッとできないので、
譜面台もセットしたまま、二胡も立てかけたままにしています。

まだまだドレミがキレイにだせません。
チューナーで合わせてから、耳を頼りに音を出すのですが、
いつも同じ場所を押さえる事ができなくて、
微妙に音がずれるのです。

練習曲の宿題が出たのですが、その中に、
小指を上手く使って出さないといけない音があるのです。
それが、難しくて難しくて・・・・・・・・。

小指がなかなか届きにくい事もあるのですが、
やはり、この場所、というキメができなくて、
微妙な音になってしまうのです。

小指に気をとられて、他の音階も微妙にずれてしまったようで、
先生から注意されました。
ああ、難しいなぁ~

でも、何年も弾きこなし、ライブ活動にも忙しい先生と
同じ音がすぐに出せたらレッスンなんて必要ありませんよね~
何事も都合よく、楽観的に捉える事にして、
先ずは、習うより慣れろです。
地道に練習続けていこうと思いました。。

テニス日和

2011年12月13日 | テニス
この所テニスの記事を書いていませんでしたが、
相変わらず用事が無い限り、週末テニス漬けです。

ここ何週間か、土曜日に雨降りの日が多くて
土曜日テニスは中止が続きました。
日曜日の同好会テニスは、県立高校の土のコートなので
当日晴れても、前日の土曜日に雨がたくさん降るとコートが使えなくなります。
そんな時は、あちこちコートの空きを探しまくったり・・・。

そんなドタバタを繰り返していましたが、
珍しく先週末はイイお天気で、日曜日などは気温も上ってテニス日和となりました。
風も無く、日差しの中でのテニスは汗ばむほどでした。

「もしかして大掃除日和~」と言い合いながら、
楽しくテニスしちゃいました。
年末に向けて計画的に「小掃除」続けなくちゃです^^;

最近女子のストロークが上達してきて、打ち合いが楽しいのです。
これまで、夫くんと打ち合ったり、メンバーに男性が多いので
必然的に男性と打ち合う事が多かったのです。

男性のボールは、やはり速さと重さが全然違うので、
なかなか思うように返せません。
間に合わずにラケット振り切ることができないのです。
そうすると、だんだん当てるだけになったりして
いいボールは返らないのです。

でも、この間たまたま女性とストローク打ち合う機会があって
びっくりしました。
随分上達したと実感できたのです(^^)/
時間に余裕がある分、次のボールに向き合う事ができますし、
ラケットをしっかり振り切る事もできるのです。

楽しくて、ついついずっとやってしまって、
汗だくの、ヘロヘロになってしまいました^^;
新しい発見があり、課題も見つかり、ますますテニスが楽しくて・・・。。

映画『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』

2011年12月12日 | 映画
1982年に50歳で世を去ったカナダの天才ピアニスト、
グレン・グールドのドキュメンタリー映画です。
この映画が公開されると知って、楽しみにしていました。

何年か前に、教育テレビで放送した「グレン・グールド」の特集番組を観たのです。
名前は知ってはいても、詳しくはありませんでした。
この番組ではピアノを弾くグールドの映像がたくさん観られたのです。
そのモノクロ画面に、思わず釘付けになってしまったのです。

有名な低い椅子に座り、ハミングしながらピアノを弾くその姿に、びっくり!!

なんて、楽しそうに、幸せそうに奏でるのだろうと、
すっかり魅了されてしまいました。
もともとバッハが大好きだったので、尚更でした。

映画は、これまで未公開だった映像や写真、プライベート・レコーディング、
日記の抜粋、かつての恋人や友人たちへのインタビューなどを通して、
グールドの人間としての側面に焦点を当てています。

そこで浮かび上がってくる彼の素顔は・・・・・・・・・


真夏でも手袋とマフラーを手放さず、お気に入りの専用の椅子を持ち歩き、
お気に入りのセーターで舞台に上ろうとしたり、
指揮者に従わず怒らせてしまったなどなどと
エピソードに事欠きません。
エキセントリックな言動で注目を集めたグールドの、
神経質で、孤高の天才の素顔が見えてきます。

興味深いのが、子どもの頃ピアノレッスンした先生が、
片手で片方の指をたたきながら弾くタッピングを教えた事で
あの、独特の弾き方をマスターしたというところ。
一緒に教室に通ったという銀髪レディが登場してピアノを弾いてみせてくれました。

まさかこんな風に伝説のピアニストとなるなんて、先生も本人も
思っていなかったでしょうね~

かつての恋人たちが、今の姿で登場してインタビューに答えたりと、
グールドファンには興味深いかな。
あくまでドキュメンタリー映画なので、ファンの人にオススメかも。。

「談志が死んだ」 

2011年12月09日 | テレビ
4日NHK放送の「談志が死んだ 立川談志が愛した落語と仲間」を観ました。

11月21日に亡くなられた立川談志さんは、生前、
自分が死んだら新聞の見出しは「談志が死んだ」だと言っていたそうですね。
回文になっていて、面白がっていたことがわかります。

番組は、弟子の立川志らくさんのナレーションで進みました。
映像の数々は、懐かしく、
若き日の奇才ぶりを発揮していた頃の談志さんの姿が若々しくて。

私自身の記憶では、落語をしている姿よりも、
マスコミに向けて声高に話す姿や、議員に立候補していた頃の映像の印象が強いです。
実際に生の落語は聞いたことありませんでした。
ここ数年は、闘病のイメージが強いです。

でもまさか、番組内で、
『芝浜』(2006年、東京三鷹)が観られるとは思っていませんでした。
ぼそぼそと語り始めたように思っていたのです。
ご飯を食べながら、何となく観ていたので。
ああ、高座の様子も流すんだなぁぐらいの気持ちで。
『芝浜』の話自体は知っていたので。

それが・・・・・・・・・・。

だんだんだんだん、談志さんの語る‘芝浜’に惹き込まれてしまったのです。
聞きながら、父や母の話のようだと思いました。
ああ、昔はこういう話が普通にあちこちで聞けたよなぁと。

こんな風にダメな事がいっぱいあって、上手くも生きられなくて、
貧乏なんだけど、小さな、ほんのちっぽけな幸せを見つけたりして、
泣き笑いしながら生きていく・・・。
「人間の業の肯定」とは、まさにそういうことですね。
限りなく弱者に優しくて、今の世の中に足りてないモノの様な気がしました。

最後に大事な事、談志師匠に教えてもらった気がしています。
ご冥福をお祈りいたします。。

思い出したこと

2011年12月08日 | つぶやき
昨日の記事の、小川糸さんの『あつあつを召し上がれ』を読んでいて、
思い出したことがあります。

それは、とても切ない物語でした。
シュチエーションは違うのですが、ある短編の登場人物に強く共感してしまったのです。

10年以上前、私は子宮筋腫の摘出手術を受けました。
そう書いてしまうと、ただそれだけの事なのですが、
そこに至るまで、大げさに言えば‘死ぬ思い’をしたのです。
痛みなどの症状があったからではなく、
突然発見された腫瘍が、筋腫だとなかなか分からなかったからです。

検査結果が分かる日まで、本当に眠れぬ夜を過ごしました。
とにかく腫瘍が大きすぎて、切ってみないと分からないという状況は、
肝っ玉の小さい私をおびえさせるのに充分すぎるほどでした。
初めて、‘死’を考える事になったのです。

当時子どもは中学生と小学生。
先ず考えた事が、2人の子の行く末でした。
その時の、切羽詰った行き場の無いあせりを思い出したのです。

本を読むことで、すっかり忘れていた気持ちがよみがえり、
何だかとてもとても切なくなって、号泣・・・。
本当に共感というのはスゴイものだと、痛感した瞬間でした。
どこかでこんな風に思う人がいるのかもしれないと、
何だか勇気をもらえた気分です。。

『あつあつを召し上がれ』 小川 糸

2011年12月07日 | 
小川糸さんの新刊『あつあつを召し上がれ』は、
隔月刊誌『旅』の連載を収録したものだそうで、初の短編小説集です。

小川糸さんといえば、何と言っても『食堂かたつむり』が印象深いですね~
料理をめぐる細やかな描写がステキだったことを思い出しました。


題名やこの装丁から、料理の物語かなと分かります。
それぞれ食べ物がキーワードとなる7つの短編から成ります。

食べ物の周りには、人の数だけ事情があり、
そこに小さな物語が生まれるのです。
そこに目を向ける、著者の優しい眼差しがイイと思いました。

どの事情も切ない哀しみや、やるせなさを抱えながらも
クスリと笑ってしまったり、エールを送りたくなったりと
明日への希望を感じさせるものたちでした。

そして、丁寧な料理の描写は俊逸です。

人は、生まれてきてから死ぬまで、
形は違えど‘食べる’ということが身近にあります。
そしてその膨大な食の記憶も。
その記憶の中を紐解いていくと、その人の人生が浮かび上がってくるような、
そんな気がしました。
そして、是非とも自分自身の食の記憶をたどってみたいと思いました。。