久しぶりの更新は、やはり村上春樹さん。
何かと話題の新刊です。
やはりその題名に、なになにと引き寄せられ、その不穏な感じを抱きつつ
どんどん読み進める読書となりました。
読みながら思ったことは、今までと少し感じが違うということでした。
文体はあまり変わらないのですが、
小さな表現の仕方がとても流麗な感じがして、感銘を受けました。
そのことが、物語にがぜん深みを与えてより濃度が増すように感じられました。
そして、やはり一作ずつ物語がより身近に感じられるように進化している気がします。
正気を保ったまま「地下二階」に降り、
「壁を抜ける」ということを実況してくれてように感じました。
人間の喪失感というのは、怖いものですね。
それにともなう悲しみやつらさやあきらめや・・・
心の底何があるのか、閉じ込められてしまった思いはどこに行くのか・・・。
この作品には、子どもの誕生があるのです。
これまでの作品にはなかったと思うのですが。
読みながら、青豆さんと天吾くんの子どもの事に思いを馳せました。
村上春樹さんの物語についていきたいと心から思いました。。