趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『ソロモンの犬』 道尾秀介

2013年11月29日 | 
この所、図書館の書棚で見つけてきた本を、脈絡無く読んでいます。
予約した新刊本も読んでいないわけではないのですが・・・。

この道尾秀介さんの本も、2007年出版とありました。
2010年に文庫版が出ているようですが、そちらの表紙は、
この単行本とは随分違って、インパクトが強い感じがしました。


私は、こちらの表紙の方が好きですが。

道尾秀介さんの作品は、随分前に読んだきりですが、図書館でも人気で、
常に予約が必要なので最近の作品は読んではいないのです。
以前読んだ作品が確かあったと思ったら、『水の柩』でした。

『ソロモンの犬』は、読み始めてすぐに引き込まれて、
あっという間に読んでしまいました。

物語に登場するのは、主人公の男子大学生を含めた学生男女4人です。
彼らを中心にして、大学の職員やその家族といった人々が絡んでくるのです。

4人は、それぞれそれまでの人生に屈託はあるけれど、学食行ったり、馬鹿話したり、
恋をしたり、バイトしたり、ケンカしたりなどなど、
普通の青春の日々だったのです。
それが、知り合いの事故死を目撃することによって、
少しずつ少しずつ様相が変わってくるのです。

事故死に関係する、犬が大切な役割を果たしています。
なので、動物学の教授の解説がなかなか興味深く、面白かったです。

犯人の予測はできたのですが、物語の伏線は幾重にも張られていて、
ああ、そういうことなのか、そうきたか、と面白く読みました。

新刊本も何年か経つと本を手にとって読むことが叶うので、
このスタイルの読書の方がいいなと感じている、今日この頃です。。





ウィンドウズ8

2013年11月26日 | 日々のこと
来年3月でXPサポート終了なので、新しいパソコンを買いました!

現在使っているのは、東芝のdynabookで、どこにも不具合は無いのです。
でも、もう既に丸7年が経過しているので、買い替えを考えないとと思っていました。

新しいパソコンは、ASUS、エイスースという台湾のメーカーのものです。
魅力は何といってもその値段、とっても安いのです。
初めてのメーカーですが、使ってみる事にしたのです。

ウィンドウズ8は、どうも使いにくいのでは?という声を聞いたのですが、
不具合や不調でなければ、形式や操作が変わるのは世の常と思い、
8を買うことにしました。

実際に今、新旧パソコンを並行して使っているのですが、
とてもスムーズで、少しずつデーターを移行しているのですが、
全部いっぺんにやっても問題無さそうです。

それにしても、その起動の早さ、レスポンスの良さにびっくりです。
仕事にも使っているので、後は仕事用の大きなソフトをインストールして、
データー移行できれば完璧!!

これで、タイピングの早さも加速すれば、もっといいのだけれど・・・。。

『ぜんぶの後に残るもの』 川上 未映子

2013年11月25日 | 
図書館の書棚を眺めながら、川上未映子さんの本を借りてきました。

幾つかの連載記事をまとめられたエッセイ集です。



中をぱらぱらめくって、目を引いたのが、震災の文字。
2011年8月出版とある通り、震災直後に書かれたものも入っていました。

題名のエッセイも実際に夕刊に掲載されたものだそうで、
いつもながら、言葉の選び方にすぅっと惹かれてしまうのです。

彼女の持つ、独特の感性、それを言葉に表現する方法が好きなのです。
その言葉の選び方、つなげ方に激しく共感してしまうのです。
断定しない謙虚さ、断罪しない柔らかさ、言い得て妙だなぁと思います。

多分、それは好き嫌いが別れる気がします。
ファンには、そのタイトル絶妙!!と歓声が上るけど、
そうで無い人には、なんなんだ?!という気持ちにさせるでしょう。

川上未映子ファンにはオススメですが、
感性豊かな若い世代にも気軽に手にとって欲しい本だと思いました。。


ドリームテニスARIAKE 2

2013年11月20日 | テニス
元世界ランク1位のジョン・マッケンローは、54歳。
日本のコートに立つのは21年ぶりだそうです。



対する錦織圭選手は、現在世界ランク17位の23歳。

目の前で錦織選手のプレイを観られるのもとても楽しみでしたが、
やはり、元世界ランク1位で超有名選手だったマッケンローに興味しんしんでした。

試合が始まると、すぐにマッケンローに釘付け!!
ストロークの早さ、強さにびっくりです。
それに、あの独特のスタイルのサービスの力強いこと。
その正確なショットの数々に、往年の姿が目に浮かぶようでした。

現役時代は「悪童」の異名をとったマッケンローですが、
それを逆手に、審判に抗議をしたり、コートに寝ころんだり、ラケット投げたり、
楽しいパフォーマンスの数々に、満員の会場が爆笑に包まれました。

観ながら、ああ、楽しいテニスはいいなぁ・・・と何度も思いました。
そして、一番感じたのが、素晴らしいテニスをするマッケンローの身体のことです。

身体のどこにも怪我や故障の雰囲気は無く、サポーターなどの類も
一つも身に付けていなかったのです。
それでもこんなに長くテニスが続けられるのだと、勇気付けられた気がします。
そして、その独特のスタイル。
そうだ、自分の身体に合った動きを見つけられれば、そのスタイルは自由なんだと、
本当に思いました。
ああしちゃダメ、とかこうしなきゃ、とぎくしゃくしたり、
力が入ったりするのは怪我の元かも、と実感しました。



進行役の修造さんにもいつものように元気をもらい、楽しい一日でした。
スポンサーの日清食品のお陰ですね。
麺職人のお土産ありがとう!!



日清食品 ドリームテニスARIAKE

2013年11月18日 | テニス
11月17日に、東京・有明コロシアムで、
東日本大震災チャリティーテニス「日清食品 ドリームテニスARIAKE」が開催されました。
三回目の今年、チケットゲットして、テニス仲間と行ってきました!!



出場者は、錦織圭、松岡修造、鈴木貴男、国枝慎吾といった
お馴染みのメンバーに加え、海外から、あの往年の名選手J・マッケンロー(米)が
久しぶりに来日したのです。

その他に、森田あゆみ、奈良くるみ、土居美咲、石津幸恵、
内田海智、ダニエル太郎選手達が、初参加しました。

写真の赤いベンチコートを着ているのが、チームマッケンローで、
青いコートは、チーム修造のメンバーです。

最初は、錦織とマッケンローのシングルスのエキシビションマッチでした。



生錦織圭選手は初めてです。
前から3列目のとても見やすい席から、本当に表情もよく見えました。
圭くん、めちゃくちゃかっこ良くてびっくり!!

拍手と歓声に迎えられたマッケンロー、現役の頃の悪童のイメージで
怖いのかと思っていたら、ホントに楽しくてひょうきんな人でした。

写真は、会場のお客さんがかぶっていた金髪のカツラを借りてプレーするマッケンロー。
ちょっとピンぼけ気味ですね~

つづきま~す。。



『スナックちどり』 よしもとばなな

2013年11月14日 | 
最近ご無沙汰だったばななさんの新刊読みました~

題名だけで予約ボタンを押してしまったので、内容は全く知らずに読みました。

本を手に取ると薄く小さく軽いのです。
装画がとてもキレイで、可愛らしい・・・。

この物語をよく表現していると思いました。

題名から、呑み屋の話かと思っていましたが、違いました。
表紙装画の通り、女二人旅のお話です。

主人公の「私」と同い年の従姉妹のちどりは、
四十路を目前にして、共に大きな喪失感の中にあった。
人生の大きな分岐点に立ち、けれどその喪失の哀しみから逃れられずにいたのだ。

「私」の喪失は、離婚。
ちどりの喪失は、育ての親の祖母の死。

二人旅の中で、それぞれの喪失の思いや、回想が度々語られるのですが、
その描き方がいいな、と思いました。
喪失の正体に迫るその迫り方がとても繊細で、
こうした表現はばななさんの真骨頂だと思いました。

ただ、それ以外の部分はやや冗長に感じられて、
いっそのこと、短編の方がすっきりしたのではないかと思いました。

それにしても、気持ちというのはとても厄介なものですね。
一度気付いてしまったり、そう思ってしまったら、それ以前に戻る事は不可能なのだから。
そんな事に気付かなければ良かったと、後悔するのかな。。


書くこと。

2013年11月13日 | つぶやき
この所読書が続いて、記事がたくさん書けると喜んでいたのですが・・・。

読んだ本を忘れないように、画像で残しておいたのです。
あと、数冊残っているのですが、
今日それらの画像を眺めながら、すっかり書く気が失せていることに気付いたのです。

え??どうして??
自分でも良く分からないのですが、どうも‘旬’をはずしてしまうみたいです。
読了後のあの何とも言えない虚脱感の中から、
感情がフツフツわいてくる感じ。
書くことには、勢いみたいな物が必要なんだと実感しています。

これは以前にも感じた事があります。
あるエピソードがあって、ああ、これはブログに書けるなと思って
あたためていたのですが日にちが経過するにつれ、
どんどん書く気が無くなってしまいました。

ネタ帳に書き溜めている人の話を聞くと、うらやましく思います。
私はどうも思い浮かんだ言葉をそのまま書いていくというスタイルのようです。

過ぎてしまえば、またその過ぎた瞬間の気持ちが言葉になる、というような。
じっくり物語り紡いでいくなんて、とってもムリ!!

仕事をするということ。

2013年11月12日 | 子育て
週末息子が帰ってきていました。
電話で、なんだかもやもや霧が晴れない感じだったので、
「帰ってくれば~」とお誘いしてたのです。

どうも仕事の事であれこれ思うところがありそう。
話を聞いていると、気持ちはよく分かるのだけど、ふんふんそれはね・・・と
つい、簡単に片付けてしまう自分を感じてびっくりしました。

あわてて息子と同じ頃の自分を思い出してみる努力、してみました。

仕事を覚えるのに精一杯で、仕事に追われ、日々の生活ままならなかったこと。
目覚めている時間の99%、仕事の事を考えていたこと。
見通しの無さが、つまりは能率の悪さにつながり、時間が足りなくなり、
寝不足になり、準備不足になり、いつも不安で疲れていました。

そんな一つ一つ思い出していたら、ああ大変だったんだなぁ・・・と
思い至りました。

そして、色々な事を息子と話しました。
食事を楽しみながら、ワイン飲んだり、水割り飲んだり、
えんえんと夜更けまで、本当によくおしゃべりしました。
話し疲れて眠ったという感じです。

次の日雨でテニスがお休みだったのでラッキー♪
のんびりのんびり一日過ごして、そうして息子は帰っていきました。

珍しく、「煮物持って行っていい?」と息子。
ああ、これは本当にへこたれていたんだと思いました。
急いでもう一品惣菜を作り、たっぷり持たせてやりました。

「仕事とは、そういうものだよ」
それにつきる言葉ですが、理解したのはつい最近のことかも^^;
若さゆえ、純粋に真面目に事に対処しようとするし、
そうでなければいけない時でもあります。
でも、八方塞りな状態をどうやって乗り越えていくのか、ここは試練の時。
若者よ、がんばれ!


『ハードラック』 薬丸 岳

2013年11月11日 | 
薬丸岳さんの本、もう一冊です。
2011年の作品、『ハードラック』を読みました。



主人公相沢仁は、派遣切りにあい、ネットカフェ難民の日々の状況から
物語は始まります。
何とか人生立て直ししたいと真面目に考えているのに、
‘ハードラック’な出来事が次々に襲い掛かって最終的には、
警察に追われる事となってしまうのです。

息もつかせぬテンポで物語が進むので、どんどん引き込まれて読んでしまいました。
主人公の転落していく様が、現実社会で簡単に起きていることなので、
なんだか身につまされるというか、他人事、絵空事と切り捨てられない印象なのです。

文章も読みやすく、物語を丁寧に積み上げていく作風を感じました。

一つ、最後にどんでん返しがあるのですが、
このことに、早くから気づいてしまいました。
物語終盤、ああ、やっぱりと思ったのですが、
ひょっとして、それは作者の意図だったのではないかと、
読み終わって時間が経った今、感じるています。

物語の中で題名の言葉の説明がでてくるのですが、それが、切ない。
現実に起きている事件の数々が思い起こされて、ため息が出てしまいました。。

『虚夢』 薬丸 岳

2013年11月08日 | 
薬丸岳さん原作のドラマ「刑事のまなざし」観ています。
このドラマを観る事にしたのは、薬丸岳さんの原作がいいよ、という声を聞いたから。
それで、図書館でも著作を探してみたのです。

そういえば、かつて何か読んだ覚えが・・・。
ブログ記事を探していて見つけました。
2010年に、 『悪党』を読んでいました。

図書館の書棚に並んでいた本を何冊か借りてきました。
写真は2011年出版の文庫版ですが、
借りてきたのは、2008年出版の単行本です。



見開きのページに、‘虚無’という言葉の説明が載っています。
広辞苑によると、事実にあわぬ夢、実際には起こらないことの夢。と、
表記されています。
読み始めてすぐにその言葉の意味など忘れて読んでいました。

読み終わって、改めてその表記を見ると、
その言葉の意味の重さに気付くのです。
ああ、そういうことなのか・・・・。

通り魔事件によって娘の命を奪われてしまった両親と、
「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった加害者と、
そして彼等と関わる事となった人々の物語です。

物語の加害者は、‘統合失調症’と診断されるのです。
精神科医の説明や、病気の細かな描写によって、
この病気の深刻さが非常によく分かります。
それが何とも切なく、言いようの無い思いに囚われるのです。

薬丸さんの描き出す、物語の層が厚いのだと思います。
人生の理不尽さに、どうやって立ち向かっていけばいいのか、
真剣に問うている物語だと思いました。。

ドラマ「クロコーチ」

2013年11月07日 | テレビ
毎週金曜日夜10時から放送のTBSのドラマ「クロコーチ」観ています。
このドラマ、面白いですね~

何といっても、主演の長瀬智也くんがいいですね~
胡散臭さいっぱいの悪徳刑事を好演されています。
キメ台詞「せーかーい」のかすれた声音がステキです。

コンビを組む警部補・清家真代役に剛力彩芽ちゃん。
幼さの残る女学生風のスタイルが、クロコーチと対照的で面白いです。
どうも殉職した父親の死が関係してくるような感じですね。

原作は、リチャード・ウーとコウノコウジによる連載中の漫画「クロコーチ」。
原作の漫画は全く知りませんでしたが、ドラマが面白いので、
ちょっと興味を持ちました。
読んでみようかなぁ・・・。

それにしてもこのドラマ、ホントに人がよく死ぬのです。
この人誰だっけ?と覚えたら次の週は生きていなかったり。
登場人物の入れ替わりが多いのです。

表の世界では全く見えない闇の世界、
もしかしたらこんな事が実際に起きてるのかも、なんて考えてしまいそう。
真実なんて、簡単に裏返しになってしまうのですよね。

さて、物語はどこに向かっていくのか・・・?
笑顔が恐ろしく見える人こそ、本当にこわ~いのですね。。

『安部公房とわたし』 山口果林

2013年11月06日 | 
この本のことは、新聞広告で知りました。
山口果林さんというと、かつてNHKのテレビ小説のヒロインをなさった女優さん、
というくらいの知識しかありませんでした。

興味を持ったのは、‘安部公房’という名前です。
長い間不倫関係にあったことは知りませんでした。



高校時代の一時期、安部公房さんの作品を好んで読んでいたのです。
書店で手に入る著作は、そんなに多くなかったように記憶しています。
どの作品もなんと表現していいのか言葉に詰まるのですが、
不思議とその独特の世界へ入り込んでしまった事を、覚えています。

それきり、安部公房さんのことは忘れていました。

この本は、女優山口果林さんの自分史です。
簡潔な文章は、正直で潔い人柄がうかがい知れます。
ご自身で全部執筆されたのではないかと思いました。

表紙装丁に使われている写真が、まぶしいです。
たぶん、安部公房さんと出合ったばかりの果林さんでは?と思います。
若さにあふれ、きらきらときらめきを放っている姿に、
何ともいえない気持ちになりました。

いわゆる暴露本というものでは無いのですが、
実在した作家や俳優たちの名前も多く登場したり、
その私生活の多くが描写されているので、どうしても露悪的に感じてしまい
ちょっと苦手かも、と思ってしまいました。

人生という物のままならなさを、つくづく感じた作品だと思いました。。

映画「四十九日のレシピ」

2013年11月01日 | 映画
試写会の抽選に当たって、一足先に観てきました!



主演は永作博美さん。
母親が急に亡くなり、自身の生活も崖っぷちに立つ娘百合子の複雑な胸のうちを
静かに熱演されていて、とてもいいと思いました。

父親役に石橋蓮司さん。
妻に先立たれ、放心状態の不器用な親父を好演されています。

突然訪ねてきた不思議な少女イモに、二階堂ふみさんと
日系ブラジル人ハルの岡田将生さん。
この二人と共に父娘の過ごす、母の四十九日までの不思議な共同生活が描かれています。

いつか聞きたいと思っていたことや、
伝えたい気持ちを持っていてたとしても、
そのいつかって、いつなのでしょう??
いつかそのうち、は必ず後悔を招くのです。
その気持ちをちゃんと形に残した母のレシピが、心に沁みますね。

伊吹有喜さんの原作『四十九日のレシピ』がとても心に残っているので、
映画も楽しみにしていました。
原作の雰囲気を壊さず、原作ファンにもオススメな感じがします。

最後に、監督のタナダユキさんのインタビューに答えてのお話を。

「家族って美しかったり、素晴らしかったりするものではなくて、
 実は煩わしかったりするものですよね。
 “家族と暮すのが一番”と言われがちですけど、
 この映画では親が子どもを独り立ちさせ、
 自分も独りで生きる覚悟を持ち、
 子供は親の思いを受けて自分の人生の責任は自分で取るという、
 その部分をしっかりと描きたいと思いました」

心に残る、とてもいい映画だと思いました。
おすすめしま~す。。