趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「快楽のテニス講座」村上龍

2009年11月30日 | 
中学時代の友が訪ねてきたり
法事があったり
それにともなって子ども達が帰省してきたりと
あわただしく過ぎた週末でした。

それでも時間をぬうように
土曜日2時間だけテニスをしました。
このところ、テニスの教本3冊かけ持ちして
熟読していたのです。
試してみたいことイッパイでしたが
全然思うようにいかないのは、なぜ??

図書館のスポーツの棚を眺めていて見つけた
ふる~い本。
『村上龍』の名前に目を留めて
思わず借りてきてしまいました。

この本、20年以上前の本です^^;
テニスしている龍さんの写真がたくさん載っているのですが
その写真の若いこと!!
そして、書いてある内容の過激なこと!!
ああ、若い頃の龍さんってこんな感じだったよな、と
懐かしく思ってしまいました。

テニス自体は古いのですが
でも、指摘している大事なことは
とても的を得ていて
しかも、その表現の仕方が絶妙!
その辺の教則本より
圧倒的に面白いのです。

龍さん自身がテニスにのめり込み
そしてその楽しさを伝えたいという思いが
とてもよく伝わってくる一冊です。
珍しい本だよな~と
夢中で読んでしまいました。。

ドラマ「行列48時間」

2009年11月26日 | テレビ
NHK金曜ドラマ「行列48時間」なかなか面白いですね~
特別番組が間に挟まって
ちょっと放送日が遅れたお陰で
深夜の再放送を観ることができたのです。

物語は、主演の國村隼演じる宝福喜朗が
妻と娘に頼まれてデパートの新年初売り福袋を買う
行列に並んだことから始まります。
大晦日から新年2日の48時間にどんなドラマが起こるのか・・・。

喜朗と彼の家族、更に行列に並ぶ人々に巻き起こるのは
普通でない出来事ばかり。
それぞれが訳あり気な感じで
意外なところでつながりがあったり、誤解が渦巻いたり。
人間模様が複雑で
登場人物も多いです。

主演の國村隼がとてもとてもいい感じです。
善良な、ふつーのお父さんを好演しています。
その他にも
佐野史郎、長谷川初範、かたせ梨乃、森下愛子、金田明夫などなどと
ベテランがそれぞれいい味を出してドラマを盛り上げます。
そして、極めつけは何と言っても警視庁の敏腕刑事役の
渡辺いっけいです。
この大いなる勘違いの面白さは、この人の熱演に負う所が大きいです。

原作は、 藤田宜永『喜の行列 悲の行列』だそうで
この本知りませんでした。
ドラマが終わったら、読んでみようかなと思っています。。

「無理」奥田英朗

2009年11月25日 | 
前作『オリンピックの身代金』に次いで
500ページを越す大作です。

市町村の合併でできた地方都市‘ゆめの市’。
そんな‘ゆめの’に暮らす
5人の男女の群像劇です。
この5人の描写がとても丁寧で、イイと思いました。
一人一人が浮き上がるように描かれていて
物語にすっと入り込んでしまうのです。
ですからどんどん読んでしまいます。

ただ、この5人はそれぞれ別の話になっているので
誰の話か、どこでつながるのか
確認しながら読まないと
ちょっと混乱してしまいました。

最近はどこへ行っても似たような感じの
地方都市。
国道沿いに建ち並ぶファミリーレストラン
パチンコ店、ゲームセンター、シネコン
洋服雑貨のチェーン店、大型スーパーなどなど。
車がないと生活できない感じですよね~

反対に駅前や地元の商店街はさびれる一方で
路線バスはどこも赤字で
車を持たない、持てない世帯や
お年寄りの生活はますます不便になっていく・・・。

それと、一度脱落してしまった若者達の
居場所の無さ。
やり直したい、生活を改めたい、人並みの生活に戻りたい
などと願っても、受け入れてくれる場所も
やり直しを手助けする人もいない現実。
これにはなんともやり切れない閉塞感に襲われてしまいました。
でも、それは紛れも無く現実に起きていることなのです。

役所の人間達はどうすれば良かったのか。
政治を志すには何が大切だったのか。

自分よりも弱い立場の者を
操り、罵ることで保たれるプライド。
読み進むうちにどんどんどんどん
閉塞感が充満していく・・・。

八方塞りの‘無理’がやがて炸裂する。
結末に賛否が分かれそうですが
ひょっとして、これが一番なのかも、と思いました。。



休日に

2009年11月24日 | 日々のこと
毎週土日、テニスをしているので
週間天気予報と仲良しです。
ここ何週間か
毎回週末雨模様の予報が続いていたので
やきもきやきもきしていたのです。
でも、何とか雨雲追い払い
この土日もまずまずのお天気に恵まれました。
上達への道のりは遠いけど
ホントにテニスは楽しいです。

予報を覆し行楽日和となった土曜日、
紅葉見に行って来ました。
まだ少し早い感じでしたが
風も無く暖かで、山歩きにはいい気候でした。
とても気持ちが良くて、早起きは三文の徳ですね~

そうです、少しばかりなのですが
早起きして、テニスの前に出かけたのです。
前の晩の天気予報を見て
行くか、と夫くん。
こんな風にいつもフットワーク軽いといいな~

早めに計画を立てて日々を有効に、ってタイプでは
二人ともありません。
本当はそうすることで得られるメリットは
計り知れないと分かっていても
なかなか上手くはいきませんね~

それでも、最近は子育て一段落したので
自分たちの時間が増えてきたのです。
ぼんやりしてると
すぐ歳食っちゃう、と
すこ~しばかり反省したのです。

昨日月曜日も休日でしたので
実家に行って用事をしたり
足をのばして買い物行ったり
心配事を済ませたり
あれこれあれこれ
なかなか充実の休日となりました。。



映画「南極料理人」

2009年11月20日 | 映画
私の住むあたりでは、上映されない映画もたくさんあります。
残念に思うことも多かったのですが
最近隣町にできた新しいシネコンは
評判の良かった映画を遅れて特別上映してくれます。

観たいと思っていた
「南極料理人」も2週間限定の上映が決まり
早速観に行ってきました。

のどかで、面白かったですよ~
主演の堺雅人さん、著作を読んだばかりでしたので
なんだか色々なエピソードが交錯してしまって
困りました。
顔のアップが多くて
じっと見つめると
意外に鋭い視線に戸惑ったり。

おなかが空いて観てはいけないという忠告は
本当でした。
おなかイッパイで観たのに
食いしん坊の私は食べたくて仕方なかったです。

おにぎりが、美味しそうなのです。
おにぎりの握り方、上手いですよね~
極めつけは皆さん仰るとおり
‘ラーメン’
本当に美味しそうで
香りが漂ってくる気がしました。

個性的な8人の合宿のような生活。
閉塞的な世界の中で
こんな風に人間同士気持ちを通わせていくんだなぁと
これが一歩違って険悪な
邪悪に満ちた世界にもすぐになり得るんだと
ちょっと考えてしまいました。

どんな時でもバカなことして笑い合うって
大事かも。
誰も追い詰めない、問い詰めない、追い込まない
とても日本的な感覚の日常。
やっぱり言葉にしない文化だよな~と
つくづく感じた映画でした。。



「文・堺雅人」堺雅人

2009年11月19日 | 
この本は、俳優の堺雅人さんが
2004年12月から2009年1月まで
『月刊TVnavi』に連載したエッセー「文・堺雅人」を
1冊の本にまとめたものだそうです。

堺さん‘山南さん’以来のファンです。
文章をお書きになっていたとは知りませんでした。
とても真面目な人柄が
うかがい知れる文章だと思いました。
本もよくお読みになるのですね~

仕事の合間に月一度、
原稿用紙にして4枚書くのだそうです。
漢字一字をテーマにして。
きっとその時々の気持ちを
一文字の漢字で表しているのかな。

やはり大好きだった‘家定さん’をやっている時は
考えることも多かったようで
『品』ということについて
多角的に繰り返し書いて印象に残りました。
一緒になって『品』という言葉について
考えてしまいました。

それにしても、舞台に映画にドラマにと
いろいろ活躍されているのですね~
作品の多さにびっくりしてしまいました。
プライベートな写真もはさまれて
ファンにはたまらない一冊だと思います。
やはり、笑顔がステキですね!!

好きな女性のタイプを聞かれて
「言葉→声→顔」という順番に惹かれると
答えていました。
う~ん、なるほどな感じですね・・・。。

哀しい気持ち

2009年11月18日 | つぶやき
このところ気持ちが沈んでいました。
くだらないと思いながらも
頭の隅に居座るネガティブな感情。

些細なことであっても
多くは自分の思い通りにならない他人への思いなので
人の気持ちを大切に、などと言いつつ
同じようにしないことに腹を立てているのかも。

そんな風に思っても
思い通りにはなかなか行かないんだよな~
と、ひたすら堂々巡り。

綾瀬はるかちゃんのように
「考えてもしょうもないことは、考えるのやめたのでございます!」
ってキッパリといきたいものです。

昨晩テレビを観なが夕飯食べていたら
久しぶりの夫くんの友人からの電話。
「えっつ!?」
驚き方から訃報かな?と感じたのですが
不審気に見つめる私へ
視線を返してきたので
私も知っている人なのだ、と直感しました。
夫の地元の同級生関係で
私も知っている人というと???
はっとしました。
同級生ではなかったのです。

13年前亡くなった、夫くんの親友のご母堂でした。
親友の命日が来週に迫っています。
毎年花を手向けていました。

でも、ご母堂が亡くなられたのは3月のこと。
喪中はがきが届き驚いて知らせてくれたようです。
実は亡くなられる前の1月にお会いしているのです。
前年病気で長く入院されていたのが
回復して退院されたと知らせに来てくださったのでした。

それが、最期となりました。
3月というと、その後程なくまた再発されたということでしょう。
元気なご様子でしたので
本当にびっくりでした。
辛い治療も頑張って良かったと話されていたのに・・・。

独りになってしまった‘おじさん’
なんて声をかけていいのか・・・。
来週に迫った親友の命日を前に
言葉が無い、昨日今日でした。。

歯医者さん

2009年11月17日 | 日々のこと
今日、かかりつけの歯科で定期検診を受けてきました。
半年毎にお知らせのはがきが届くのです。
実は1年半ぶりの検診でした。
たまたま都合がつかずキャンセルしたら
そのままぐずぐずしていて
間が空いてしまったのです。

別段調子が悪い事もなく
行く機会を逃していたのですが
ちょうど夫くん宛てに、検診の案内が届いたのです。
ラッキ~
夫くんは真面目に通っているので
一年後でもいいですね、と先生から言われていたので
換わりに私が診てもらう事にしました。

久しぶりで、どきどきでした。
前の晩になってあわてて丁寧にブラッシングしたりして^^;
私の歯は、口の大きさに比べて
一つ一つが大きいらしく
隙間なく、びっしり窮屈そうに生えているのです。
当然歯間ブラシは入らず
フロスを入れるのも大変な感じなのです。

もともと歯が丈夫な性質だったようで
それまであまり虫歯にならずにきました。
ところが、30代後半になって
いきなり奥歯が欠けたり
親知らずが悪さをしたり
小さな虫歯が増えてきました。

それまで通うこともなかった歯医者さんに
通うこととなったのです。
長年の歯垢がたまり、歯石も増え
きちんとケアしなければいけない年頃になったというわけです。

食後の歯磨きはしてきたつもりでしたが
磨き方が良くなかったようで
歯科で教えてもらったブラッシング法を
なんとか続けてきました。
その成果が、今回初めて表れたようです。
なんと、先生から思いがけないお言葉が・・・。
「2年前のデータより良くなっていますよ」と。

これにはちょっとびっくり。
検診さぼっていたので。
でも、数年前に比べて
格段にブラッシングの技術が上っているのは事実です。
本当に歯磨きの仕方で
状況が良くなることってあるのですね!

映画「私の中のあなた」

2009年11月16日 | 映画
やっぱり観に行ってしまいました・・・。
映画の予告編を観た時から
気になっていたし
良かったよ~
カンドウ!のレビューも多く見かけたので
他の映画と見比べながら
観たいリストの中にずっと入っていました。

15日、最寄の映画館のサービスデイだったので
テニスの後、急いで行くことに決めたのです。

迷った理由は
涙腺のゆるさです。
子どもの頃からなので、年季が入っています。
ですから、そういう予感のするモノは
最近近寄らないようにしているのです。
年齢と共に加速している感もあるので^^;

この映画の素晴らしい所は
きっともう多くの人たちに語られていると思います。
そうです、期待通りの、
予感通りの、素晴らしい映画でした。

観ながら強く思ったことは
映画の中のキャメロン・ディアス演じる母親は
自分の姿かもしれない、ということ。
本当にその立場に立ったときに
自分がどんな風に考えるのか
どのような気持ちになるのか
全くわからない、と思いました。

そして、気持ちは強く、止められない。
この映画を、
これから親になるかもしれない若い人に
観て欲しいと思いました。
子育てに息詰まりを感じて
出口の見えない母達に
観て欲しいと思いました。
答えが見つかるかもしれないから。

3人の子ども達がとてもとてもイイです。
この子ども達の姿を観ることができて
本当に良かったと思いました。

人として
とても大切なことを考えるきっかけをくれる
ステキな映画だと思いました。。

「ヘヴン」川上未映子

2009年11月13日 | 
楽しみに待っていた川上未映子さんの新作、
初の長編小説読みました~
今までとは違い、大阪弁では書かれていません。
ですのでこれまでの作品とは一線を画している感じです。

読み始めてすぐに、
私はこの作家が好きなのだと思いました。
言葉に上手くできない事象を
丁寧に描いている
伝えたい大切なモノを
静かに伝えている
そんな印象を持ちました。

はっとしたのは
遠巻きにしている人達も同じだとコジマが指摘する所。
その通りなのだ。
そして私はこの大切なことを
‘僕’とコジマと同じ
作者と同じ
14歳の時に知ったということ。
そのことを思い出したのです。

私はでも、
‘僕’と同じように
百瀬に上手く説明することができないと思いました。
自分自身が抱えているものを
現状にある気持ちを
考えていないのではなく、
言葉を持っていないのだ、ということ。
そして言葉を持つということの大切さ。

コジマは本当に分かっていたのだと
それをちゃんと証明してみせたと思います。
善と悪、強さと弱さの本当のことを。

芥川賞受賞作の『乳と卵』も印象深い作品でしたが
今後がますます楽しみな作家だと思いました。。

「ようこそ先輩」

2009年11月12日 | テレビ
NHKの番組『ようこそ先輩』を観ました。
この番組は、各界の著名人が母校を訪れ
後輩達のために授業を行う、というもの。

この番組も息が長いですよね~
子ども達が小さい頃はよく録画して一緒に観ていましたが
最近はめったに観なくなりました。

前回、前々回と偶然観る機会があって
予想外に面白く観てしまいました。

「幸福って何だろう?」という題を掲げ
瀬戸内寂聴さんが
母校の徳島の県立高校を訪れます。
寂聴さん87歳、高校2年の生徒たち17歳!
70年の歳の差なんて~
とにかく興味しんしんです。

寂聴さんが明るく、淀みないのです。
難しいことを易しい言葉でさらっと仰います。
その易しさ、がイイと思いました。
それが若い心に素直に届くのです。
高校生達の真剣なまなざしが、ステキです。
あぁ、若さとはこんなにも純粋なのだ、と感じ入りました。

幸せとは何か?
いろいろな思いや悩みなど
真剣に自分の心と向き合い
考えることを学んでいく。
考える、ということ。

観ながら画面の若い彼らがうらやましくなりました。
私も高校生の時に、こういう人と出会いたかったな、と。
悩みのスパイラルにはまり込んでいた時期、
本の中に答えを求めて
次々に読んでは挫折を繰り返していたあの頃。
探していたことは
こんなにもシンプルなことだったのだ。

授業の最後にそれぞれの幸せの意味を書いて
皆の前で発表したのですが
どれもとても心に響くいいものでした。
聞いていた寂聴さんも感激して
涙をみせていました。
「こんなに感動したことなかったよ、ありがとう」
87歳のステキな言葉だと心から思いました。。

第一印象

2009年11月11日 | テニス
先日の日曜日でテニスの講座が終了して
来週から同好会が始まります。
講座終了間近に
同好会の募集呼びかけをしたので
申込者も多かったようです。

今年度の会長はWさん。
前年のMさんから一年でバトンタッチしました。
Mさんも、Wさんもご夫婦で参加されています。
はい、我が家と同じです。
私達はMさんに会長を引き継ぐ前の4年間、務めました。

私達が取りまとめの役を引き受けた時
同好会としての形が無かったので
手探りで作り上げてきました。
テニス初心者で、全く知識も無かったので
最初は苦労の連続でした。
本当はやりたくなどなかったのですが
やり手が無く
経験者は皆そっぽ向いていたのです。
何よりテニスが続けたかった夫が
それなら自分達のやりたいようにやっていこうと
引き受けることを決めたのでした。

よくしたもので
練習好きの、熱心な参加者が毎年増えて
同好会が上手く回るようになってきました。
そして今年で6年目です。

新会長のWさんは、最初あまり人とお話になりませんでした。
つまり第一印象は、そんなに良くなかったのです。
それなのに声をかけ続けたのは
ボールを打ち合う時に感じた
思いやりです。

ボールを打ち合うと
その人の気持ちが気持ちごと飛んでくるのを感じるのです。
面白いですよ~

第一印象はぶっきらぼうで人見知りな感じだったWさん、
今は嘘のように冗談言って笑っています。
そしてまさか会長を引き継ぎ
皆の前でお話になるようになるなんて・・・。
感慨無量。。



「静子の日常」井上荒野

2009年11月10日 | 
久しぶりの井上荒野さん、面白かったです!!
これまで不穏な男女の関係の物語が多かったですが
この本はちょっと違っています。

主人公の静子さんは、75歳。
夫に先立たれ、息子の家族と同居を始める物語。
描き出されるコミカルな家族の日常。

息子の愛一郎、嫁の薫子、孫のるか、と
それぞれが語る日常の構成になっていて
とても読みやすいです。
何より静子さんがステキです。
‘ばか’という言葉を広辞苑で引くのですが、
この‘ばか’という言葉が
一つのキーワードになります。
そして、静子さんの活躍が始まります。

こんな風に歳をとりたいと心から思いました。
『自分で決めたこと、決めたことは守るのが信条』
カッコイイなぁ~

人の世の平凡な日常の中にある
細やかな感情を
優しく丁寧に描いてみせる井上さん、素晴らしいです。
そこここに本当に大切なものが隠れていると
気づかせてくれます。

オススメしま~す!!

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」辻村深月

2009年11月09日 | 
新聞広告で見かけて興味を持ちました。
話題の著者のようで、図書館でも人気です。
辻村さんの作品は、今回初めて読みました。

幼馴染の二人の女性みずほとチエミ。
それを取り巻く友人達と
みずほ、チエミの母娘関係が軸となる物語。

30歳を迎え、同じような人生だと思ってきた同級生が
それぞれの生活状況の中で
生き方が、行く道が、進む方向が、
全く変わってしまう現実。
そこには‘格差’という言葉が見え隠れする。
そしてその格差なるものを生み出しているものは
‘母’なるものなのか??

残念なことに、
登場人物の誰にも共感することができませんでした。
それぞれの年代で出会った友人はやはりそれぞれだけれど
温度差があるだけで
特別な感情は起きないのです。
勝った、だの、負けた、だの
そんなこと誰にも決められないと思っているので。

そして、たとえ自分が産んだ子どもでも
自分の思い通りに、というのは違うと思ってしまうので。
思い通りにしてくれたとしても
その子がシアワセでなかったら
やはり苦しいと思うので。

ただひとつ、題名の意味がわかる時
気持ちが震えます。
読みながら若い人たちの閉塞感は
思いのほか強いのでは?
と思いました。。

映画「ブラッド・ダイヤモンド」

2009年11月06日 | 映画
ムービープラスで放映した
「ブラッド・ダイアモンド」を録画して観ました。
日本では2007年4月の公開なのですね~
月日の経つのが早いです^^;

当時観に行こうか随分迷った覚えがあったので
内容は重いと知っていましたが、楽しみに観ました。

良かったです、とても。
胸に迫るいい映画だと思いました。
何より主演のレオナルド・ディカプリオがイイです。
底辺でうまく立ち回るチンピラ役をさせたら
絶品ですね~
そして本物のワルには決してなれない・・・。

舞台は、1990年代の内戦の続くアフリカのシエラレオネ。
現実にこの国はアフリカ最大のダイヤの密輸国となっており、
ダイヤを狙う紛争が絶えないという。
世界でもっとも平均寿命の短い国としても知られているそうで
映画を観ていると、納得してしまうのが怖いです。

観ながら映画『ホテル・ルワンダ』を思い出しました。
種族や所属や国の違いで
無残に殺されたり、商売ができたり、通行できたり・・・。
何より少年兵として誘拐され
徹底的に洗脳されて殺人テロマシンとなる子ども達の姿に
胸が痛みます。

確かにうたわれていたように
‘ダイヤなんて欲しがらない’というのは
一つの見方であるとは思います。
ですが、根本はそんなことではないように思うのです。
自分達の利益しか省みない輩の
数々の組織が生み出した紛争。
人々がダイヤを欲しがらなければ終焉するのか?
そんな単純な話ではないように思えるのですが。。