ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

裏の事情

2014-08-31 08:15:50 | Weblog

「裏の事情」8月25日
 『全国模試を代ゼミ廃止 来年度から』という見出しの記事が掲載されました。『校舎の7割を閉鎖する方針の大手予備校代々木ゼミナールは25日、来年度から全国模擬試験を廃止する』ということを報じる記事です。私事ですが、40年以上昔、高3の夏休みに通ったのが代ゼミでした。老舗の予備校で、私のパソコンで今回初めて、「よぜみ」と入力したのですが、代ゼミと変換されるほどの認知度です。
 同予備校が事業縮小を決めたのは、少子化により受験生が減少しているという現状に対応したものです。これは、同予備校固有の問題ではなく、子供を対象とした産業、塾や通信教育、子供用教材販売などに共通する問題だと言えます。
 ここで私は、15年ほど昔のある行政の管理職の方から伺った話を思い出してしまいました。それは、行政の課長補佐、課長クラスを校長や副校長として配置するという人事構想案についてでした。新しい人事制度のねらいとして聴かされたのは、学校のことしか知らない校長や副校長といった従来の学校管理職では学校を変えることが出来ない、法令と予算という視点から組織を動かす経験が豊富な行政管理職の登用によって学校を機能する組織体に変える、というものでした。しかし、その本当の狙いは、団塊世代が管理職を占め、管理職適齢期の者に割り振るポストが足りなくなったため、学校の校長や副校長を新たな管理職ポストとして用意するということだというのです。
 どうしてこうした話を思い出したかというと、近年、新たな取り組みとして紹介されることが多い、塾の授業を学校に導入する、塾や予備校の授業について教員が学ぶ、教材会社と共同で授業で使える教材作りに取り組む、といった教育産業と学校のコラボレーションの背後に、少子化で先細りが懸念される教育産業の経営維持や事業継続のための戦略が潜んでいるのではないかと考えたためです。
 本来の意図を隠し、表面的には子供のためと言いながら、実は別の思惑を秘めているという構図の類似性を疑ってしまったのです。従来、学校教育は「利権」とは遠いところにあると思われてきました。しかし、学校教育がもつ「利権」が注目される時代になったのかもしれません。それに合わせるように、教育行政の権限が政治家である首長に移される形の改革が進むということは、と考えてしまうのは私が疑り深いからなのでしょうか。

 

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