「正確に」3月27日
『ほめる育児が適応力高める』という標題の記事が掲載されました。科学技術振興機構の調査によると、『1歳半以降の行動観察で、親によくほめられた乳幼児は、ほめられない乳幼児に比べ、3歳半まで社会適応力が高い状態を保つ子が約2倍いることが分かった』のだそうです。調査を主導した大学教授は、『経験としてしられていたことを、科学的に明らかにできた』と語っているそうです。
この調査結果に異論はありません。ただ、「ほめる育児が適応力高める」という見出しには問題があると思います。いくつかの誤解を生じかねないからです。
まず、ほめることがよくてしかることは悪いという誤解を生じかねないということです。ほめることと叱ることは子育てや教育の「車の両輪」です。適切にほめることと同じくらい適切に叱ることが大切なのはいうまでもないことです。
次に問題なのは、ほめるにしても叱るにしても「適切なやり方」で行うことが大切であり、なんでもほめればよいというものではないということが、きちんと理解されない恐れがあるということです。
さらに、発達段階による違いへの考慮が大切であるという点にふれていないことです。乳幼児と学童期では、親の対応は違ってこなければなりません。小学校の高学年になれば、ほめる場合でも、ただ「よしよし、いい子だね」と頭を撫でていればよいわけではありません。私は、教委勤務時代に、研修会などで「ほめるのはその子供の行動を具体的にほめる」という原則が大事だと指導してきました。例えば、「あなたは優しい子」とほめるのではなく、「水槽の水を換えてくれてありがとう。お陰で金魚が元気になったね」というほめ方をするということです。
もちろん、今回の調査が、私が危惧したようなことをいっているわけではありません。また、新聞の限られた紙面の中で、長ったらしい見出しを付けるわけにも行かないでしょう。それでも、経験のない若い教員や初めての子育てに悩んでいる人が、「そうか、とにかくほめればいいんだ」と誤解してしまうような表現は極力避けてほしいと考えてしまうのです。学校や保護者の中に蔓延している「ほめればよい信仰」を悪化させないためにも。
『ほめる育児が適応力高める』という標題の記事が掲載されました。科学技術振興機構の調査によると、『1歳半以降の行動観察で、親によくほめられた乳幼児は、ほめられない乳幼児に比べ、3歳半まで社会適応力が高い状態を保つ子が約2倍いることが分かった』のだそうです。調査を主導した大学教授は、『経験としてしられていたことを、科学的に明らかにできた』と語っているそうです。
この調査結果に異論はありません。ただ、「ほめる育児が適応力高める」という見出しには問題があると思います。いくつかの誤解を生じかねないからです。
まず、ほめることがよくてしかることは悪いという誤解を生じかねないということです。ほめることと叱ることは子育てや教育の「車の両輪」です。適切にほめることと同じくらい適切に叱ることが大切なのはいうまでもないことです。
次に問題なのは、ほめるにしても叱るにしても「適切なやり方」で行うことが大切であり、なんでもほめればよいというものではないということが、きちんと理解されない恐れがあるということです。
さらに、発達段階による違いへの考慮が大切であるという点にふれていないことです。乳幼児と学童期では、親の対応は違ってこなければなりません。小学校の高学年になれば、ほめる場合でも、ただ「よしよし、いい子だね」と頭を撫でていればよいわけではありません。私は、教委勤務時代に、研修会などで「ほめるのはその子供の行動を具体的にほめる」という原則が大事だと指導してきました。例えば、「あなたは優しい子」とほめるのではなく、「水槽の水を換えてくれてありがとう。お陰で金魚が元気になったね」というほめ方をするということです。
もちろん、今回の調査が、私が危惧したようなことをいっているわけではありません。また、新聞の限られた紙面の中で、長ったらしい見出しを付けるわけにも行かないでしょう。それでも、経験のない若い教員や初めての子育てに悩んでいる人が、「そうか、とにかくほめればいいんだ」と誤解してしまうような表現は極力避けてほしいと考えてしまうのです。学校や保護者の中に蔓延している「ほめればよい信仰」を悪化させないためにも。