「発見よりも」8月29日
『いじめの複雑・潜在化進む』という見出しの特集が組まれました。記事によると、『文部科学省が今月4日発表した10年度問題行動調査で、いじめの認知件数が増加した。現行の調査方法となった06年度以降初めてで、同省はアンケート調査の実施率向上を主な要因と見る。だが、いじめは潜在化しており、学校からは「判明したのは氷山の一角」との声が上がる』のだそうです。
以下、記事では群馬県、熊本県などの事例を紹介し、アンケート調査の効果を述べています。もちろん、アンケートは必要です。しかし、アンケートはあくまでも発見のための手段であり、発見後の対応が適切でなければ、いくら発見されても被害者は救われません。
それなのに、記事では対応法についての記述はほとんどありません。最後に、NPO法人「全国いじめ被害者の会」代表の大沢秀明さん(67)の次のような言葉を取り上げているだけです。『教師はいじめがあってもけんかやトラブルとして扱い「仲良くしなさい」となだめているのが現実だと言い、「『悪いことは悪い』としかるのが真の教育。いじめた子には厳しく措置して更生に導かないと、被害者も加害者も救えない」と訴える』
大沢氏が言うように、対応法の改善が大切なのです。そのためには、調査法を変える必要があります。つまり、対応についても詳しく調べるような形式にするのです。
まず、いじめと認識したケースすべてについて、対応に当たった教員が取った対応について選択肢法で記載させることが必要です。次に、いじめの加害者と被害者とその保護者に対して、教員の対応について選択肢法で回答させ、それを厳封の上、調査票の添付し教委に提出させるのです。
そして、被害者と加害者と教員が高評価を与えた対応を抽出し、そこから実際に望ましい対応を明らかにするのです。また、被害者と教員が評価した対応、加害者と教員が評価した対応、被害者と加害者のみが評価した対応、三者が評価しない対応を分析することによって、学校や教員の「うまくいった」という自己満足を打ち消し、反省の契機を与えることもできるはずです。さらに、いじめの形態や関係者の年齢などにより、効果的な対応法が異なるという結果も予想できます。
いずれにしろ、問題行動調査は、我が国の学校教育において、もっとも規模が大きく経年比較ができる調査であり、これを有効活用することが大切です。なお、こうした分析は膨大な作業量となり、現体制のままでは学校や教委はその負担に耐え切れません。その解決のために、専門の分析機関に委託することも検討する必要があります。
『いじめの複雑・潜在化進む』という見出しの特集が組まれました。記事によると、『文部科学省が今月4日発表した10年度問題行動調査で、いじめの認知件数が増加した。現行の調査方法となった06年度以降初めてで、同省はアンケート調査の実施率向上を主な要因と見る。だが、いじめは潜在化しており、学校からは「判明したのは氷山の一角」との声が上がる』のだそうです。
以下、記事では群馬県、熊本県などの事例を紹介し、アンケート調査の効果を述べています。もちろん、アンケートは必要です。しかし、アンケートはあくまでも発見のための手段であり、発見後の対応が適切でなければ、いくら発見されても被害者は救われません。
それなのに、記事では対応法についての記述はほとんどありません。最後に、NPO法人「全国いじめ被害者の会」代表の大沢秀明さん(67)の次のような言葉を取り上げているだけです。『教師はいじめがあってもけんかやトラブルとして扱い「仲良くしなさい」となだめているのが現実だと言い、「『悪いことは悪い』としかるのが真の教育。いじめた子には厳しく措置して更生に導かないと、被害者も加害者も救えない」と訴える』
大沢氏が言うように、対応法の改善が大切なのです。そのためには、調査法を変える必要があります。つまり、対応についても詳しく調べるような形式にするのです。
まず、いじめと認識したケースすべてについて、対応に当たった教員が取った対応について選択肢法で記載させることが必要です。次に、いじめの加害者と被害者とその保護者に対して、教員の対応について選択肢法で回答させ、それを厳封の上、調査票の添付し教委に提出させるのです。
そして、被害者と加害者と教員が高評価を与えた対応を抽出し、そこから実際に望ましい対応を明らかにするのです。また、被害者と教員が評価した対応、加害者と教員が評価した対応、被害者と加害者のみが評価した対応、三者が評価しない対応を分析することによって、学校や教員の「うまくいった」という自己満足を打ち消し、反省の契機を与えることもできるはずです。さらに、いじめの形態や関係者の年齢などにより、効果的な対応法が異なるという結果も予想できます。
いずれにしろ、問題行動調査は、我が国の学校教育において、もっとも規模が大きく経年比較ができる調査であり、これを有効活用することが大切です。なお、こうした分析は膨大な作業量となり、現体制のままでは学校や教委はその負担に耐え切れません。その解決のために、専門の分析機関に委託することも検討する必要があります。