「すぐに役立つ」3月26日
文部科学省が、東京福祉大短期大学部に対し、同大グループの専門学校と明確な区別がないまま、通信教育課程の入学手続きや授業が一体となって運営されているとして、改善するよう指導したそうです。短大の通信教育課程は系列専門学校に同時在籍できる「併修」制度を設けているが、その場合の入学願書提出先や入学許可証の配布元は専門学校になっており、一部授業も短大と専門学校で重複、授業は専門学校の教員が行っていたということです。
無理もないという気がします。起こるべくして起こった事件とも言えそうです。学校教育法第1条に定める学校はいわゆる「1条校」と呼ばれ、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学などです。普通、学校というとき、この「1条校」のことを指します。大学や高等学校の一部を除き、普通教育を行う機関と考えてよいと思います。普通教育とは、すべての者に共通な教育、一般的・基礎的な教育を意味しています。一方、専門学校は、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成することを目的とするものが主となっています。両者は「教育」という大きな概念で括ることはできますが、そもそも異なるものなのです。
しかし、近年、教育にも目に見える成果、具体的な成果を求める風潮が強まり、いわゆる「教養」が軽視され、「実践的な技能の習得」を重んじる傾向が顕著になってきています。その結果、中学校や高等学校でも、職業に直結するような学習が、つまりすぐに役立つ学習が、「意欲的な試み」「新しい取り組み」として脚光を浴びるようになってきているのです。
そうした社会背景があるからこそ、専門学校と短大の混戦状態が大きな問題意識もなく進められてしまうことになったのではないかと推察することができます。学校教育は、少なくとも普通教育は、企業にとって使い勝手のよい人材を創り上げるためにあるのではありません。人としての基礎を作ることこそ学校、特に小中学校の役目であることを再確認する必要があると思います。
文部科学省が、東京福祉大短期大学部に対し、同大グループの専門学校と明確な区別がないまま、通信教育課程の入学手続きや授業が一体となって運営されているとして、改善するよう指導したそうです。短大の通信教育課程は系列専門学校に同時在籍できる「併修」制度を設けているが、その場合の入学願書提出先や入学許可証の配布元は専門学校になっており、一部授業も短大と専門学校で重複、授業は専門学校の教員が行っていたということです。
無理もないという気がします。起こるべくして起こった事件とも言えそうです。学校教育法第1条に定める学校はいわゆる「1条校」と呼ばれ、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学などです。普通、学校というとき、この「1条校」のことを指します。大学や高等学校の一部を除き、普通教育を行う機関と考えてよいと思います。普通教育とは、すべての者に共通な教育、一般的・基礎的な教育を意味しています。一方、専門学校は、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成することを目的とするものが主となっています。両者は「教育」という大きな概念で括ることはできますが、そもそも異なるものなのです。
しかし、近年、教育にも目に見える成果、具体的な成果を求める風潮が強まり、いわゆる「教養」が軽視され、「実践的な技能の習得」を重んじる傾向が顕著になってきています。その結果、中学校や高等学校でも、職業に直結するような学習が、つまりすぐに役立つ学習が、「意欲的な試み」「新しい取り組み」として脚光を浴びるようになってきているのです。
そうした社会背景があるからこそ、専門学校と短大の混戦状態が大きな問題意識もなく進められてしまうことになったのではないかと推察することができます。学校教育は、少なくとも普通教育は、企業にとって使い勝手のよい人材を創り上げるためにあるのではありません。人としての基礎を作ることこそ学校、特に小中学校の役目であることを再確認する必要があると思います。