秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

京の雨と飴。

2010年07月04日 10時35分35秒 | 京都非観光迷所案内
さすがに梅雨のまっただなか、よく降りますなぁ・・・。

相方がいるときは帰りはタクシーになるから、往路はバスを利用するんですけど、一人だ
からカッパ着て自転車通勤しています。

橋を渡るたびに桂川の水位を観察していますけど、今んところ洪水の心配はなさそうです。
(ワタクシが心配したところでしょうがないんですけどネ)

私の体験では市内が水浸しになってしまうような洪水の記憶はありませんね。
大雨が続いた後に、西大路八条の国鉄(JR)下に水が溜まっていたのを見に行った程度
です。

takeちゃんの暮らす久我は桂川の下流部にあたり、彼の子供時分にはまだ農家の軒先には
洪水に備えて和船が吊り下げられていた、って話をこの前してたっけ。

あの辺りは農耕地帯ですからね。と、いうか京都市内じゃないし本来。なんて書くとtakeちゃん
が怒るか。でも川が溢れそうになったらもっと下流部の堰を切って他の農地を犠牲にしたそ
うですから、あの辺りは農家として権威があったんでしょう。

記録によると昭和10年の大水害(浸水面積が平地の27%、浸水戸数5万、死傷者160余名)から
遡ること延暦15年の大水害までの間に都に残る洪水の記録は163回あったそうです。

一昔前の人たちは大雨が降るたび天を見上げ、そして川を睨んで暮らしていたのでしょう。
今でも台風などのたびに田畑の様子を見にいったお年よりなどが濁流に呑まれていますが。

あめはあめでも、こちらは食べるほうの飴。八条通りと桂川街道の交差する辺りにある、見逃し
てしまいそうな小さな店舗です。店構えは小さくてもその歴史は古く、創業は江戸時代で、
桂離宮に住まわれた「やんごとなき」貴人の御用達の飴屋さんなのです。

この辺りは離宮をはじめ、貴族の別邸もあり、「桂鮎」「桂瓜」とならぶ、まさしくロイヤル
ブランドだったんですナ。今は瓜畑もなくなって鮎もダメになりましたから貴重な品です。

そんな高貴な方々に愛された飴ですが、価格は庶民的で、確か一袋が三百円ほどだと思います。
って確認しろよ、って言われそうだけど、だって甘いモンは食べないんだも~ん。

ま、開き直りはともかく。このお店、夏季は営業されていません。でも最近(かな?)で
は近所の喫茶店でも販売されるようになった様子ですよ。