熊澤良尊の将棋駒三昧

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出土駒の話。その3

2023-02-22 17:40:37 | 文章

2月22日(水)、曇り。
多少、気温は持ち直しましたが、太陽もなく寒かったです。
買い物などで、一時外出した以外は、資料がそろわず、一時保留していた確定申告書づくりを再開。あと一息、ふた息の状況となり、なんとか2月中に提出できそうです。

中断していたもう一つのテーマ、出土駒に関しての続きです。
先に、「古い時代の出土駒には細長いのが多い」と書きました。
理由は、古い時代の出土駒には、杉など針葉樹で加工されたものだからとも書きましたが、理由は、当時、手直にあった「木簡」の材料が利用されたものも多かった。

当時の駒は自給自足。将棋遊びをする人がそれぞれに自作して楽しんでいたわけですから、板の加工に不揃いや、文字にも上手下手があるわけで、そのようなものが多かったわけです。
しかし、当時の貴族の中には、そのような粗末な駒に満足したとは思えません。吟味された素材で、端正な形。そし心が和む優雅な文字。そのような駒もあったのではないか。私はそう思っています。
しかし、古い時代のこのころの出土駒の中には、見当たらないのですね。はて、それはどうしたモノかと思っていました。
しかしある時、その理由に思い当たる出来事がありました。40年ほど前のことでした。

豊島龍山の未亡人から、買い受けた遺品のバラ駒、数百枚の中に、灰色でボロボロ、スカスカになった駒の幾つかを見つけたときのことです。おっ、これはすごい。素材はツゲのはず。そのツゲが、お菓子のウエハウスのようなスカスカになっている。
これらのバラ駒は、出来がよくなかったり、余分に作ったりしたモノに違いない。類推するに、捨てるのもなんだから、どこかの小屋の棚にでも置いていて、雨漏りで、このようになったのかもしれない。
ヨーッシ、一つ試してみよう。ということで、ツゲ駒の木っ端を何枚か庭に埋めてみて、どうなるか試すことにした。

それから数か月。

庭先をホジクルと、そこに駒はありました。
形はそのままでしたが、真っ黒、割ってみると中まで真っ黒けでありました。檜や杉ではこうはならない。表面は汚れていても、ホンの一皮むけば、もともとの木の色が蘇るのです。
しかし、ツゲの場合は、芯まで黒いのでした。
それから数か月寝かして、もう一度掘り出すと、形が崩れかけているモノもある。
「はあー、ツゲは雨水にものすごく弱いのだ。これなら数年で形も無くなる」。そのことに気が付いた次第です。

庭の土の中だと、雨でぬれたり乾いたり。その繰り返しですが、今回の実験は、空気を触れない状態の水の中では、どうなるか?
試してみようということです。
水は雨水が良いのでしょうが、代わって金魚鉢の水を閉じ込めて使いました。

本日は以上。
思いついたことはやってみる。貧乏暇なし。

 

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