熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
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非日常の大幸運

2012-06-09 05:13:47 | 文章
6月9日(土)、雨。

淡路島から戻って、昨日のから、いつもの生活に戻りました。
庭のアジサイも開花を始めました。
気象庁は、昨日、近畿地方の梅雨入りを宣言しました。
実感では、少々宣言が遅いと思うのですが、慎重だったと言うことかもしれません。

ホテルニューアワジでは、非日常の3日間。
その中で、対局明けの朝食時では思わぬ「大幸運」。

ここでの朝食は、和室の大広間で7時30分から。
関係者は総勢25人くらい。
正副立会棋士、記録係に観戦記者、主催社スタッフとほかのメディア関係者、その他数名。
対局翌日は、対局者も加わり、皆んなが一緒。
朝食の席は順不同。誰彼なく、およそ来た順番で座ります。
それがホテルニューアワジ棋聖戦での朝食のいつものパターン。
小生は、その他数名の内の一人。

寝坊をした小生は20分近く遅れで、急いで部屋に行きました。
すでに10人以上が席に。
早い人は、もう終わりかけの人も居ます。

大きな声で「おはようございます」。
席に着くと、昔のお嬢さん方がお茶とご飯、味噌汁を持ってきてくれる仕組みです。
どこに座ろうかなと見ると、主催社OBの永松さんの前が空席で、そこへ。
いつもは早飯の小生ですが、この日はいつもの倍以上かけてゆっくりと。
そんな気分の朝でした。
永松さんが「今日は何時に出発しますかな」。
「そうですね。皆さんは9時半出発ですから、それを見送って直ぐで」。
行きもそうでしたが、帰りも永松さん小林さんと一緒です。
「そうしましょうか」。
「では、そう言うことで・・」。

天気は上々。
対岸の風景を遠望しながら、小生は、ゆっくりとゆったりと。
気がついてみれば、周りは小生一人に。
非日常を感じながら、ゆっくりとゆったりと。
やがて「ご馳走さま」を言おうと、そうこうした時、少し空いている襖の間から羽生さん。
そして小生のすぐ右の席に。
「おはようございます」。
「おはようございます」。
その頃には、少し離れた席に2~3人が残るのみ。

ここは、残ってお相手するのが最善手。
ということで、食事の妨げにならないように配慮しながらもう少しゆっくりすることにしました。

「この間のグランドチャンピオンとのチェスは勝ちがあったそうですね」。
「引き分けでした」。
「そうですね。そのことも尾崎さんから聞きました」。
「チェスプレイヤーでもある尾崎さんとは4回ぐらい一緒にフランスへも行きました」。
「ああ、そうですか。」。

「ところで、駒の方は誰でも作れると言うものでもないし・・」。
「そうですね。ただ、最初から上手な人も居ます。大工さん、魚屋さん、床屋さん。共通するのは刃物を上手に研げる人ですね。切れる刃物なら上手に彫れると言うことです」。
「ほーっ、そうですかナルホド」。

「話は変わりますが、大阪の水無瀬神宮ではこのところ毎年、中将棋大会をやっています。羽生さんは中将棋はどうなんでしょうか。地元の関係者は来てくれないかなあと言っていました」。
「やー、中将棋は未だやったことが無いですね。この間も牧野四段からもやって下さいよと言われましてね・・。中将棋は昔から関西の人が・・」。
「そうですね。今は神崎さんが中将棋名人。昔は大山名人、山中さん、岡崎さん・・。牧野さんは去年春にやり始めて周りの皆を負かしたり、さすがです」。

こんな会話が、ゆっくりと20分ほど。
この日は、非日常の朝。
まさに「幸運の朝」でした。

では、また。






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