万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1170 楽浪の1065

2013年11月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌1170 楽浪の1065

楽浪の 連庫山に 雲居れば
雨ぞ降るちふ 帰り来我が背  

1065     万葉短歌1170 ShuD129 2013-1115-man1170

ささなみの なみくらやまに くもゐれば
  あめぞふるちふ かへりこわがせ 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第10首(補正歌順10、第1161歌参照)。
【訓注】楽浪(ささなみ=佐左浪)。連庫山(なみくらやま)[滋賀県比良連峰?]。降るちふ(ふるちふ=零智否)。帰り来我が背(かへりこわがせ=反来吾背)。


万葉短歌1169 近江の海1064

2013年11月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌1169 近江の海1064

近江の海 港は八十ち いづくにか
君が舟泊て 草結びけむ  

1064     万葉短歌1169 ShuD129 2013-1114-man1169

あふみのうみ みなとはやそち いづくにか
  きみがふねはて くさむすびけむ 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第9首(補正歌順9、第1161歌参照)。
【訓注】近江(あふみ)。八十ち(やそち=八十)[助数詞ち補訓]。いづく(何)。泊て(はて=泊)。


万葉短歌1168 今日もかも1063

2013年11月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌1168 今日もかも1063

今日もかも 沖つ玉藻は 白波の
八重をるが上に 乱れてあるらむ  

1063     万葉短歌1168 ShuD123 2013-1113-man1168

けふもかも おきつたまもは しらなみの
  やへをるがうへに みだれてあるらむ 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第8首(補正歌順8、第1161歌参照)。
【訓注】沖(おき=奥)。白波(しらなみ=白浪)。八重をるが上に(やへをるがうへに=八重折之於丹)。


万葉短歌1167 あさりすと1062

2013年11月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌1167 あさりすと1062

あさりすと 磯に我が見し なのりそを
いづれの島の 海人か刈りけむ  

1062     万葉短歌1167 ShuD123 2013-1112-man1167

あさりすと いそにわがみし なのりそを
  いづれのしまの あまかかりけむ 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第7首(補正歌順7、第1161歌参照)。
【訓注】あさり(朝人)。磯(いそ=礒)。なのりそ(莫告藻)。海人(あま=白水郎)[第0252歌、第0999歌]。


万葉短歌1166 いにしへに1061

2013年11月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌1166 いにしへに1061

いにしへに ありけむ人の 求めつつ
衣に摺りけむ 真野の榛原  

1061     万葉短歌1166 ShuD123 2013-1111-man1166

いにしへに ありけむひとの もとめつつ
  きぬにすりけむ まののはりはら 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第6首(補正歌順6、第1161歌参照)。
【訓注】いにしへ(古)。求めつつ(もとめつつ=覔乍)。衣(きぬ)。真野(まの)[神戸市長田区]。


万葉短歌1165 夕なぎに1060

2013年11月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌1165 夕なぎに1060

夕なぎに あさりする鶴 潮満てば
沖波高み 己が妻呼ぶ  

1060     万葉短歌1165 ShuD123 2013-1110-man1165

ゆふなぎに あさりするたづ しほみてば
  おきなみたかみ おのがつまよぶ 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第5首(補正歌順5、第1161歌参照)。
【訓注】夕なぎ(ゆふなぎ=暮名寸)。あさり(求食)。鶴(たづ)。潮(しほ=塩)。沖波(おきなみ=奥浪)。己が妻(おのがつま=己妻)。


万葉短歌1164 潮干れば1059

2013年11月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌1164 潮干れば1059

潮干れば ともに潟に出で 鳴く鶴の
声遠ざかる 磯回すらしも  

1059     万葉短歌1164 ShuD123 2013-1109-man1164

しほふれば ともにかたにいで なくたづの
  こゑとほざかる いそみすらしも 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第4首(補正歌順4、第1161歌参照)。
【訓注】潟(かた=滷)。鶴(たづ)。声遠ざかる(こゑとほざかる=音遠放)。磯回(いそみ=礒回)。


万葉短歌1163 年魚市潟1058

2013年11月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌1163 年魚市潟1058

年魚市潟 潮干にけらし 知多の浦に
朝漕ぐ舟も 沖に寄る見ゆ  

1058     万葉短歌1163 ShuD123 2013-1108-man1163

あゆちがた しほひにけらし ちたのうらに
  あさこぐふねも おきによるみゆ 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第3首(補正歌順3、第1161歌参照)。
【訓注】年魚市潟(あゆちがた=年魚市方)[名古屋市熱田区海岸]。潮干(しほひ=塩干)。知多(ちた)[愛知県知多半島]。漕ぐ舟(こぐふね=榜舟)。沖に寄る見ゆ(おきによるみゆ=奥尓依所見)。
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万葉短歌1162 円方の1057

2013年11月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌1162 円方の1057

円方の 港の洲鳥 波立てや
妻呼び立てて 辺に近づくも  

1057     万葉短歌1162 ShuD123 2013-1107-man1162

まとかたの みなとのすどり なみやてや
  つまよびたてて へにちかづくも 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第2首(補正歌順2、第1161歌参照)。
【訓注】円方(まとかた)[三重県松阪市]。港の洲鳥(みなとのすどり=湊之渚鳥)。波(なみ=浪)。妻呼び(つまよび=妻唱)。


万葉短歌1161 家離り1056

2013年11月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌1161 家離り1056

家離り 旅にしあれば 秋風の

寒き夕に 雁鳴き渡る  

1056     万葉短歌1161 ShuD121 2013-1106-man1161

いへざかり たびにしあれば あきかぜの
  さむきゆふへに かりなきわたる 
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第1首(補正歌順1、下記参照)。
【編者注-歌番号への注意】現在、万葉集研究者・愛好者の間で一般的に使われている歌番号は、国歌大観旧版番号である。ところが江戸時代の流布本寛永版では、この歌あたりからしばらく歌番が乱れ、大観はその流布本を踏襲する。そこで編者悠山人の依拠本は、この部分にかんし独自に補正している。編者はこれを受け入れて、前記編者注へ補正歌順とした。
【訓注】家離り(いへざかり=離家)。寒き夕(さむきゆふへ=寒暮)。雁鳴き渡る(かりなきわたる=鴈喧渡)。


万葉短歌1160 難波潟1055

2013年11月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌1160 難波潟1055

難波潟 潮干に立ちて 見わたせば
淡路の島に 鶴渡る見ゆ  

1055     万葉短歌1160 ShuD117 2013-1105-man1160

なにはがた しほひにたちて みわたせば
   あはぢのしまに たづわたるみゆ 
=未詳。題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】主題は難波津・住吉浜。全18首の第18首。
【訓注】難波潟(なにはがた=難波方)。潮干(しほひ=塩干)。鶴(たづ=多豆)。


万葉短歌1159 住吉の1054

2013年11月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌1159 住吉の1054

住吉の 岸の松が根 うちさらし
寄せ来る波の 音のさやけさ  

1054     万葉短歌1159 ShuD117 2013-1104-man1159

すみのえの きしのまつがね うちさらし
  よせくるなみの おとのさやけさ 
=未詳。題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】主題は難波津・住吉浜。全18首の第17首。
【訓注】住吉(すみのえ)。 寄せ来る波(よせくるなみ=縁来浪)。さやけさ(清羅)。


万葉短歌1158 住吉の1053

2013年11月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌1158 住吉の1053

住吉の 沖つ白波 風吹けば
来寄する浜を 見れば清しも  

1053     万葉短歌1158 ShuD117 2013-1103-man1158

すみのえの おきつしらなみ かぜふけば
  きよするはまを みればきよしも 
=未詳。題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】主題は難波津・住吉浜。全18首の第16首。
【訓注】住吉(すみのえ)。沖つ白波(おきつしらなみ=奥津白浪)。来寄する浜(きよするはま=来依留浜)。清しも(きよしも=浄霜)。


万葉短歌1157 時つ風1052

2013年11月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌1157 時つ風1052

時つ風 吹かまく知らず 吾児の海の
朝明の潮に 玉藻刈りてな  

1052     万葉短歌1157 ShuD117 2013-1102-man1157

ときつかぜ ふかまくしらず あごのうみの
  あさけのしほに たまもかりてな 
=未詳。題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】主題は難波津・住吉浜。全18首の第15首。
【訓注】時つ風(ときつかぜ=時風)。吾児(あご=阿胡)。朝明(あさけ)。潮(しほ=塩)。


万葉短歌1156 住吉の1051

2013年11月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌1156 住吉の1051

住吉の 遠里小野の 真榛持ち
摺れる衣の 盛り過ぎゆく  

1051     万葉短歌1156 ShuD113 2013-1101-man1156

すみのえの とほさとをのの まはりもち
  すれるころもの さかりすぎゆく 
=未詳。題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】主題は難波津・住吉浜。全18首の第14首。
【訓注】住吉(すみのえ)。遠里小野(とほさとをの)[現在は大阪市と堺市に分かれて、読みは<おりおの>]。真榛(まはり)。摺れる衣(すれるころも=須礼流衣)。