万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1110 ゆ種蒔く1005

2013年09月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌1110 ゆ種蒔く1005

ゆ種蒔く あらきの小田を 求めむと
足結ひ出で濡れぬ この川の瀬に  

1005     万葉短歌1110 ShuD071 2013-0915-man1110

ゆだねまく あらきのをだを もとめむと
  あゆひいでぬれぬ このかはのせに
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第11歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】ゆ種(ゆだね=湯種)[斎種]。あらき(荒木)[新墾]。足結ひ(あゆひ=足結)[袴の膝下結び]。この川の瀬(このかはのせ=此水之湍)[桧の隈川]。


万葉短歌1109 さ桧の隈1004

2013年09月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌1109 さ桧の隈1004

さ桧の隈 桧の隈川の 瀬を早み
君が手取らば 言寄せむかも  

1004     万葉短歌1109 ShuD071 2013-0914-man1109

さひのくま ひのくまがはの せをはやみ
  きみがてとらば ことよせむかも
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第10歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】さ桧の隈(さひのくま=佐桧乃熊)。瀬(せ)。


万葉短歌1108 泊瀬川1003

2013年09月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌1108 泊瀬川1003

泊瀬川 流るる水脈の 瀬を早み
ゐで越す波の 音の清けく  

1003     万葉短歌1108 ShuD070 2013-0913-man1108

はつせがは ながるるみをの せをはやみ
  ゐでこすなみの おとのきよけく
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第9歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】泊瀬川(はつせがは)。水脈(みを=水尾)。瀬(せ=湍)。ゐで(井提)。清けく(きよけく=清久)。


万葉短歌1107 泊瀬川1002

2013年09月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌1107 泊瀬川1002

泊瀬川 白木綿花に 落ちたぎつ
瀬をさやけみと 見に来し我れを  

1002     万葉短歌1107 ShuD070 2013-0912-man1107

はつせがは しらゆふばなに おちたぎつ
  せをさやけみと みにこしわれを
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第8歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】泊瀬川(はつせがは)。白木綿花(しらゆふばな)。落ちたぎつ(おちたぎつ=堕多芸都)。さやけみ(清)。見に来し我れ(みにこしわれ=見尓来之吾)。


万葉短歌1106 かはづ鳴く1001

2013年09月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌1106 かはづ鳴く1001

かはづ鳴く 清き川原を 今日見ては
いつか越え来て 見つつ偲はむ  

1001     万葉短歌1106 ShuD067 2013-0911-man1106

かはづなく きよきかはらを けふみては
 いつかこえきて みつつしのはむ
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第7歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】かはづ(河豆)。いつか(何時可)。見つつ偲はむ(みつつしのはむ=見乍偲食)。


万葉短歌1105 音に聞き1000

2013年09月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌1105 音に聞き1000

音に聞き 目にはいまだ見ぬ 吉野川
六田の淀を 今日見つるかも  

1000     万葉短歌1105 ShuD067 2013-0910-man1105

おとにきき めにはいまだみぬ よしのがは
  むつたのよどを けふみつるかも
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第6歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】吉野川(よしのがは)。六田の淀(むつたのよど=六田之与杼)。
【編者注-1000首】万葉集全4516首から短歌だけ順次抽出して、第1000首目である。


万葉短歌1104 馬並めて0999

2013年09月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌1104 馬並めて0999

馬並めて み吉野川を 見まく欲り
打ち越え来てぞ 滝に遊びつる  

0999     万葉短歌1104 ShuD067 2013-0909-man1104

うまなめて みよしのがはを みまくほり
  うちこえきてぞ たきにあそびつる
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第5歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】み吉野川(みよしのがは=三芳野河)。


万葉短歌1103 今しくは0998

2013年09月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌1103 今しくは0998

今しくは 見めやと思ひし み吉野の
大川淀を 今日見つるかも  

0998     万葉短歌1103 ShuD067 2013-0908-man1103

いましくは みめやとおもひし みよしのの
  おほかはよどを けふみつるかも
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第4歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】今しく(いましく=今敷)。見めや(みめや=見目屋)。み吉野(みよしの=三芳野)。大川淀(おほかはよど=大川余杼)[=吉野川宮滝の西、六田(むつた)淀]。


万葉短歌1102 大君の0997

2013年09月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌1102 大君の0997

大君の 御笠の山の 帯にせる
細谷川の 音のさやけさ  

0997     万葉短歌1102 ShuD065 2013-0907-man1102

おほきみの みかさのやまの おびにせる
  ほそたにがはの おとのさやけさ
=未詳。
【編者注】「詠河」全16歌の第3歌。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】大君(おほきみ=大王)。御笠の山(みかさのやま=御笠山)[=春日山周辺]。細谷川(ほそたにがは)[=春日山に発する能登川]。音のさやけさ(おとのさやけさ=音乃清也)。


万葉短歌1101 ぬばたまの0996

2013年09月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌1101 ぬばたまの0996

ぬばたまの 夜さり来れば 巻向の
川音高しも あらしかも疾き  柿本人麻呂

0996     万葉短歌1101 ShuD063 2013-0906-man1101

ぬばたまの よるさりくれば まきむくの
  かはおとたかしも あらしかもとき
柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=第1101歌左注には、「柿本朝臣人麻呂」。第30歌参照。
【編者注】題詞原文は、「詠河」。全16歌の第2歌。第1101歌左注読下しに、「右の二首は、柿本朝臣人麻呂が歌集に出づ。」その第二首。
【訓注】ぬばたまの(黒玉之)。巻向(まきむく)。あらしかも(荒足鴨)。


万葉短歌1100 巻向の0995

2013年09月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌1100 巻向の0995

巻向の 穴師の川ゆ 行く水の
絶ゆることなく またかへり見む  柿本人麻呂

0995     万葉短歌1100 ShuD063 2013-0905-man1100

まきむくの あなしのかはゆ ゆくみづの
  たゆることなく またかへりみむ
柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=第1101歌左注には、「柿本朝臣人麻呂」。第30歌参照。
【編者注】題詞原文は、「詠河」。全16歌の第1歌。第1101歌左注読下しに、「右の二首は、柿本朝臣人麻呂が歌集に出づ。」その第一首。
【訓注】巻向(まきむく)。穴師(あなし=病足)。


万葉短歌1099 片岡の0994

2013年09月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌1099 片岡の0994

片岡の この向つ峰に 椎蒔かば
今年の夏の 陰にならむか  

0994     万葉短歌1099 ShuD062 2013-0904-man1099

かたをかの このむかつをに しひまかば
  ことしのなつの かげにならむか
=未詳。
【編者注】題詞原文は、「詠岳」。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】片岡(かたをか)[=奈良県王子町、同香芝市一帯の丘陵]。向つ峰(むかつを=向峯)。今年の夏(ことしのなつ=今年夏)。


万葉短歌1098 紀伊道にこそ0993

2013年09月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌1098 紀伊道にこそ0993

紀伊道にこそ 妹山ありといへ 玉櫛笥
二上山も 妹こそありけれ  

0993     万葉短歌1098 ShuD059 2013-0903-man1098

きぢにこそ いもやまありといへ たまくしげ
  ふたかみやまも いもこそありけれ
=未詳。
【編者注】題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】紀伊道(きぢ=木道)。妹山(いもやま)。玉櫛笥(たまくしげ=玉櫛上)。二上山(ふたかみやま)[=奈良県葛城市当麻町]。


万葉短歌1097 我が背子を0992

2013年09月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌1097 我が背子を0992

我が背子を こち巨勢山と 人は言へど
君も来まさず 山の名にあらし  

0992     万葉短歌1097 ShuD059 2013-0902-man1097

わがせこを こちこせやまと ひとはいへど
  きみもきまさず やまのなにあらし
=未詳。
【編者注】題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾勢子)。こち巨勢山(こちこせやま=乞許世山)。言へど(いへど=雖云)。あらし(有之)。


万葉短歌1096 いにしへの0991

2013年09月01日 | 万葉短歌

2013-0901-man1096
万葉短歌1096 いにしへの0991

いにしへの ことは知らぬを 我れ見ても
久しくなりぬ 天の香具山  

0991     万葉短歌1096 ShuD059 2013-0901-man1096

いにしへの ことはしらぬを われみても
  ひさしくなりぬ あめのかぐやま
=未詳。
【編者注】題詞・作者名・脚注・左注のいずれもない。
【訓注】いにしへの(昔者之)。我れ(われ=我)。天の香具山(あめのかぐやま=天之香具山)。