熊田千佳慕は虫を命として尊び愛し描き続けました。
害虫と呼ぶのは人間のエゴだと言っています。
人に嫌われる虫にゴキブリがいます。
私も家の中でゴキブリを見つけると「ゴキブリ!」と叫びます。そして、主人がスリッパで力一杯叩きます。その大騒動を見て犬は恐れおののいて、ゴキブリと聞いただけでハアハア、ウロウロします。
ゴキブリが家の中に入ってくるのは、戸が開いていたとか、隙間があったからだと思います。
彼らも他の多くの虫のように野外に暮らしています。
夜行性だから普段外で見ることがあまりないだけなのです。 夕方、飛んでいることもあります。
この夏、キャンプのお客さんの父子が栗林にカブトムシやクワガタを探しに入られました。
昼の間に樹液風蜜を塗っておいた木に夜行くとラッキーなことにコクワとカブトムシがいました。
他にゴキブリが沢山いたそうです。
その後、子どもサマーキャンプの時、子どもたちと一緒に私もその木のところに行って見ました。
カブトムシなどはいませんでしたが、キリギリス1匹とゴキブリが複数いました。
最近、あまりいないのですが、以前は夜、電灯にカブトムシやクワガタ、コガネムシがよく飛んできました。そういう時、ちょっとは驚いてキャーと言いますが、慌てて叩こうとする人はいません。
でも、それがゴキブリだったら、態度は全然違います。
熊田千佳慕はゴキブリでも可愛くて仕方ないと言って、モリチャバネゴキブリの絵を描いています。
虫の好きな私は、ゴキブリも本来自然の中に暮らす虫だと思いながらも、家の中に侵入されると許せません。
先日、家の中ではなく、裏のベランダで大きな黒々したゴキブリを見ました。
ドキッとして、息を止めて、とっさにキンチョールを持ち出し、力を込めてシューーーッとゴキブリにかけました。
羽にかかった位で死ぬはずはない、きっと逃げて行くだろうと思っていましたが、何とその特大のゴキブリは頭を下げ気味にしてクルクルクルクル気が狂ったようにその場で回り始めました。
いつまで経っても回っているではありませんか。
恐ろしくなって、中に入って、しばらくして窓から見てみますと、姿がありません。
出てみるとベランダの下に落ちていました。
化学兵器だ!と思いました。 テリトリーを犯したわけでもないゴキブリを化学兵器で殺したのです。
それにしてもあの苦しみ方‼! 今でも脳裏に張り付いています。
ゴキブリは家の中に入って来たものだけをハエ叩きで叩いて退治しようと心に決めました。
翌日も落ちたところにそのゴキブリが横たわっていました。 でも、その後、見えなくなりました。
蟻か何かが運んで行ったのか? それとも、生き返ったのか?
もし、蟻が食べたら、蟻も殺虫剤の毒で死ぬのかしら?
やっぱり、叩こう。 一打ちでコロッと行くように腕を磨きます。