Christmas Flower Tree / Cross Counter
訃報といえば、バリトンサックスの重鎮、宮本大路さんも今年亡くなった。
自分はビッグバンド好きなので、大路さんの演奏は、熱帯JAZZ楽団や、923ビッグバンド、ブルーノートオールスターズ、などで聴くことが多かった。病から復帰し、今年も元気な演奏振りを楽しませてもらっていたのだが・・・。
その風貌からか、日頃よく職務質問を受けることが多いらしく、『「職質楽師」夢追い日記』と、それを捩ったタイトルの本も出されたばかりであった。
ビッグバンドでの活躍とは別に、コンボでの活動も積極的に行っていた。その中で定期的に活動していたのがこのクロスカウンター、ピアノレスのカルテットだ。
バリトンがリーダーとなるとジェリーマリガンのピアノレスカルテットを思い浮かべるが、マリガンがパートナーとして選んだチェットベイカー、アートファーマー、ボブブルックマイヤーとは異なり、ここではアルトサックスが相方のサックス2本の編成。
演奏スタイルはというと、マリガンのカルテットのコンセプトに近い。ボクシングのクロスカウンターという感じの2人のバトルというよりは、アレンジといい、ソロの掛け合いといい2人のコラボレーションが素晴らしい。まさに、マリガン&デスモンドの共演の再現といった感じだ。
このアルバムは、今のシーズンに相応しいクリスマスアルバムだが、このスタイル、そして時にクラリネットを交えたサウンドが良く似合う。大路さんの演奏は、その風貌の印象から受けるイメージとは異なり、このような繊細な演奏も得意にしている。923ビッグバンドでも、フィーチャー曲はマリガンの綺麗なメロディーの曲だった。バリトンでは希少なメロディアスなプレーを得意としていた一人だった。
バリトンサックスはそもそも人材が少ないのに、大路さんの白いバリトンがもう聴けなくなったのは残念至極。
ご冥福をお祈りします。
1. Santa Claus Is Comin' to Town ( J. Fred Coots )
2. There Is No Greater Love ( Isham Jones )
3. When Joanna Loved Me ( Jack Segal )
4. White Christmas ( Irving Berlin )
5. What Now My Love 〜そして今は〜 ( Gilbert Becaud )
6. Everything Happens to Me ( Matt Denis )
7. Jingle Jam ( Dairo Miyamoto-original )
8. Glad to Be Unhappy ( Richard Rodgers )
9. Ano-Colo 〜あの頃〜 ( Dairo Miyamoto-original )
10. Greensleeves ( Traditional )
11. All The Things You Are ( Jerome Kern )
12. The Christmas Song ( Mel Torme )
宮本大路 / Dairo Miyamoto (bs,arr)
宮野祐司 / Yushi Miyano (as)
佐々木悌二 / Teiji Sasaki (b)
高橋徹 / Toru Takahashi (ds)
Produced By 鈴木燿 Suzuki Akira 赤坂B♭
Recorded on January 8 & 9, 2008
訃報といえば、バリトンサックスの重鎮、宮本大路さんも今年亡くなった。
自分はビッグバンド好きなので、大路さんの演奏は、熱帯JAZZ楽団や、923ビッグバンド、ブルーノートオールスターズ、などで聴くことが多かった。病から復帰し、今年も元気な演奏振りを楽しませてもらっていたのだが・・・。
その風貌からか、日頃よく職務質問を受けることが多いらしく、『「職質楽師」夢追い日記』と、それを捩ったタイトルの本も出されたばかりであった。
ビッグバンドでの活躍とは別に、コンボでの活動も積極的に行っていた。その中で定期的に活動していたのがこのクロスカウンター、ピアノレスのカルテットだ。
バリトンがリーダーとなるとジェリーマリガンのピアノレスカルテットを思い浮かべるが、マリガンがパートナーとして選んだチェットベイカー、アートファーマー、ボブブルックマイヤーとは異なり、ここではアルトサックスが相方のサックス2本の編成。
演奏スタイルはというと、マリガンのカルテットのコンセプトに近い。ボクシングのクロスカウンターという感じの2人のバトルというよりは、アレンジといい、ソロの掛け合いといい2人のコラボレーションが素晴らしい。まさに、マリガン&デスモンドの共演の再現といった感じだ。
このアルバムは、今のシーズンに相応しいクリスマスアルバムだが、このスタイル、そして時にクラリネットを交えたサウンドが良く似合う。大路さんの演奏は、その風貌の印象から受けるイメージとは異なり、このような繊細な演奏も得意にしている。923ビッグバンドでも、フィーチャー曲はマリガンの綺麗なメロディーの曲だった。バリトンでは希少なメロディアスなプレーを得意としていた一人だった。
バリトンサックスはそもそも人材が少ないのに、大路さんの白いバリトンがもう聴けなくなったのは残念至極。
ご冥福をお祈りします。
1. Santa Claus Is Comin' to Town ( J. Fred Coots )
2. There Is No Greater Love ( Isham Jones )
3. When Joanna Loved Me ( Jack Segal )
4. White Christmas ( Irving Berlin )
5. What Now My Love 〜そして今は〜 ( Gilbert Becaud )
6. Everything Happens to Me ( Matt Denis )
7. Jingle Jam ( Dairo Miyamoto-original )
8. Glad to Be Unhappy ( Richard Rodgers )
9. Ano-Colo 〜あの頃〜 ( Dairo Miyamoto-original )
10. Greensleeves ( Traditional )
11. All The Things You Are ( Jerome Kern )
12. The Christmas Song ( Mel Torme )
宮本大路 / Dairo Miyamoto (bs,arr)
宮野祐司 / Yushi Miyano (as)
佐々木悌二 / Teiji Sasaki (b)
高橋徹 / Toru Takahashi (ds)
Produced By 鈴木燿 Suzuki Akira 赤坂B♭
Recorded on January 8 & 9, 2008